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とうき
ふりがな文庫
“
騰貴
(
とうき
)” の例文
最近一層
騰貴
(
とうき
)
した諸材料のことなどに考え及び、あいつ、
法螺
(
ほら
)
を吹いたのかと考え、どうも変だ、おかしい、おかしい、と呟いた。
糞尿譚
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
凡
(
およ
)
そ
本年
(
ほんねん
)
の一
月
(
ぐわつ
)
十
日
(
か
)
過
(
すぎ
)
には
解禁後
(
かいきんご
)
の
推定相場
(
すゐていさうば
)
である四十九
弗
(
ドル
)
四
分
(
ぶん
)
の一
乃至
(
ないし
)
四十九
弗
(
ドル
)
八
分
(
ぶん
)
の三
迄
(
まで
)
は
騰貴
(
とうき
)
することは
確
(
たしか
)
に
算定
(
さんてい
)
が
出來
(
でき
)
たのである。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
而して今日物価の
騰貴
(
とうき
)
は非常なもので、ほとんど
止
(
とど
)
まるところを知らずという有様であるから、国民生活は早晩非常な困難に陥ることと思う。
〔憲政本党〕総理退任の辞
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
鼠の価は最初は二銭、後に
諸色
(
しょしき
)
の
騰貴
(
とうき
)
と共に、改めて五銭と定められた。その間に
暫
(
しばら
)
く割増金
附
(
つき
)
の
抽籤
(
ちゅうせん
)
券を
以
(
もっ
)
て、鼠を引換えた時代があった。
野草雑記・野鳥雑記:02 野鳥雑記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
前の鍋は何でも四、五年前に七十銭だったとかであったが、その後物価が非常に
騰貴
(
とうき
)
していたので、今度のは一円二十銭だったとかであった。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
▼ もっと見る
この勢で、ドシドシ争議が起り、ドシドシ労働者の言分が通って行ったならば、極度の物価
騰貴
(
とうき
)
を招来するか、
然
(
しか
)
らざれば生産工業全滅である。
猟奇の果
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
千歳村五百五十戸の中、小作が六割にも上って居る。
大面積
(
だいめんせき
)
の寺院墓地が出来て耕地減少の結果、小作料は自然
騰貴
(
とうき
)
する。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
この一例をもってみても
諸色
(
しょしき
)
が上がるの下がるの、米価が
騰貴
(
とうき
)
したために
貧民
(
ひんみん
)
が
困
(
くる
)
しむの、あるいは暴徒が起こるの
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
……
最
(
も
)
う
恁
(
か
)
う
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
がせゝつこましく、
物價
(
ぶつか
)
が
騰貴
(
とうき
)
したのでは、そんな
馬鹿
(
ばか
)
な
眞似
(
まね
)
はして
居
(
ゐ
)
られない。しかし
此
(
こ
)
の
時節
(
じせつ
)
のあの
聲
(
こゑ
)
は、
私
(
わたし
)
は
思
(
おも
)
ひ
切
(
き
)
れず
好
(
す
)
きである。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
その東南なる北方村、本牧村等に及ぼし、一時はその地方にて家賃宿料の
騰貴
(
とうき
)
するに至れり。
故社員の一言今尚精神
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
その当時の徳川幕府は金がなかった。
已
(
や
)
むを得ずして悪い
銀
(
かね
)
を造った、随って物価は
騰貴
(
とうき
)
した、市民は難渋した。また一方には馴れない工事のために、多数の死人を
出
(
いだ
)
した。
一日一筆
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
ついで明治五年以前には、半紙が十二文から、十四文、十六文、二十文と
騰貴
(
とうき
)
し、酒は一升百二十四文から百三十二文、さらに百四十八文から百六十四文、二百文に急騰した。
酒渇記
(新字新仮名)
/
佐藤垢石
(著)
そなたも知る、長崎屋、あれが、中々、目から鼻に抜ける
儲
(
もう
)
け師、東の不作と見て、これからますます
騰貴
(
とうき
)
すると見込みをつけ、今になって、買入れ、仕込みをいそいでいるのじゃ。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
また
無雑作
(
むぞうさ
)
にそれを引き受けた堀は、物価の
騰貴
(
とうき
)
、交際の必要、時代の変化、東京と地方との区別、いろいろ都合の好い材料を勝手に並べ立てて、勤倹一方の父を
口説
(
くど
)
き
落
(
おと
)
したのである。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
廃
(
すた
)
りし
市邑
(
しゆう
)
はふたたび起りました。新たに町村は設けられました。地価は非常に
騰貴
(
とうき
)
しました、あるところにおいては四十年前の百五十倍に達しました。道路と鉄道とは
縦横
(
たてよこ
)
に築かれました。
デンマルク国の話:信仰と樹木とをもって国を救いし話
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
この分にてもう二、三日晴れやらずば
諸河
(
しょか
)
汎濫
(
はんらん
)
鉄道不通米価いよいよ
騰貴
(
とうき
)
致
(
いたす
)
べしと存候。さて突然ながらかのお半事このほどいささか気に入らぬ仕儀
有之
(
これあり
)
彩牋堂より元の古巣へ引取らせ申候。
雨瀟瀟
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
又
(
また
)
輸出時期
(
ゆしゆつじき
)
であるから
輸出手形
(
ゆしゆつてがた
)
を
買取
(
かひと
)
る、
斯
(
か
)
うすれば一
方
(
ぱう
)
から
言
(
い
)
へば
爲替
(
かはせ
)
の
急激
(
きふげき
)
なる
騰貴
(
とうき
)
を
防
(
ふせ
)
ぐことが
出來
(
でき
)
る、
爲替
(
かはせ
)
の
急激
(
きふげき
)
なる
騰貴
(
とうき
)
を
防
(
ふせ
)
ぎ
得
(
う
)
れば
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
とは申せ、米価
騰貴
(
とうき
)
をお見越しになり、
商
(
あきな
)
いをなされておいでだとうけたまわる、長崎屋さまにはさぞ、お手傷でござりましょう——わたくしは、あのお方にも、一方ならず肩入れを
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
平岡の家は、この十数年来の物価
騰貴
(
とうき
)
に
伴
(
つ
)
れて、中流社会が次第々々に切り詰められて行く有様を、住宅の上に善く代表した、
尤
(
もっと
)
も粗悪な見苦しき構えであった。とくに代助にはそう見えた。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
一
割
(
わり
)
一
分
(
ぶ
)
も
下
(
さが
)
つて
居
(
を
)
つた
爲替相場
(
かはせさうば
)
が
貿易
(
ぼうえき
)
の
改善
(
かいぜん
)
せらるゝに
從
(
したが
)
つて
段々
(
だん/\
)
騰貴
(
とうき
)
して十一
月
(
ぐわつ
)
二十一
日
(
にち
)
の
短期期限附
(
たんききげんづき
)
の
金解禁
(
きんかいきん
)
の
發表前
(
はつぺうぜん
)
には四十八
弗
(
ドル
)
二
分
(
ぶん
)
の一となつた。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
“騰貴”の意味
《名詞》
騰 貴(とうき)
物価や相場が上がること。高騰。
(出典:Wiktionary)
騰
常用漢字
中学
部首:⾺
20画
貴
常用漢字
小6
部首:⾙
12画
“騰”で始まる語句
騰
騰上
騰波
騰落
騰波鼓浪
騰下
騰昇
騰母
騰竜
騰驤磊落