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遠退
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とほの
ふりがな文庫
“
遠退
(
とほの
)” の例文
段々
(
だん/\
)
村
(
むら
)
が
遠退
(
とほの
)
いて、お
天守
(
てんしゆ
)
が
寂
(
さび
)
しく
成
(
な
)
ると、
可怪
(
あやし
)
可恐
(
おそろし
)
い
事
(
こと
)
が
間々
(
まゝ
)
有
(
あ
)
るで、あの
船
(
ふね
)
も
魔
(
ま
)
ものが
漕
(
こ
)
いで
焼
(
や
)
くと、
今
(
いま
)
お
前様
(
めえさま
)
が
疑
(
うたが
)
はつせえた
通
(
とほ
)
り……
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
白
(
しろ
)
い
筋
(
すぢ
)
を
縁
(
ふち
)
に
取
(
と
)
つた
紫
(
むらさき
)
の
傘
(
かさ
)
の
色
(
いろ
)
と、まだ
褪
(
さ
)
め
切
(
き
)
らない
柳
(
やなぎ
)
の
葉
(
は
)
の
色
(
いろ
)
を、
一歩
(
いつぽ
)
遠退
(
とほの
)
いて
眺
(
なが
)
め
合
(
あ
)
はした
事
(
こと
)
を
記憶
(
きおく
)
してゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「広岡さん、貴方が何ぞといつてはお叱りになるもんですから、つい皆さんの足が
遠退
(
とほの
)
くんでせうよ。」
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
私は
遠退
(
とほの
)
いてゆく
燭光
(
あかり
)
をじつと見まもつてゐた。彼は極めて靜かに廊下を
過
(
よぎ
)
り、出來るだけ音をたてないやうに階段室の
扉
(
ドア
)
を開けて後を
閉
(
とざ
)
した。それで
燈火
(
あかり
)
の最後の光も消えてしまつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
ちやうどいいくらゐに程遠くで、さうして現実よりは夢幻的で、夢幻よりは現実的で、その上雨の濃淡によつて、或る時にはそれが彼の方へ
稍
(
やや
)
近づいて、或る時にはずつと
遠退
(
とほの
)
いて感じられた。
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
▼ もっと見る
海はまた
遠退
(
とほの
)
いて
行
(
ゆ
)
く。
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
けれども、その
俎
(
まないた
)
下駄は、
足音
(
あしおと
)
の
遠退
(
とほの
)
くに従つて、すうと
頭
(
あたま
)
から
抜
(
ぬ
)
け
出
(
だ
)
して消えて仕舞つた。さうして
眼
(
め
)
が覚めた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
此困難は約一年許りで
何時
(
いつ
)
の
間
(
ま
)
にか漸く
遠退
(
とほの
)
いた。代助は
昨夕
(
ゆふべ
)
の
夢
(
ゆめ
)
と此困難とを比較して見て、妙に感じた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
蘇生
(
よみがへ
)
つた
樣
(
やう
)
にはつきりした
妻
(
さい
)
の
姿
(
すがた
)
を
見
(
み
)
て、
恐
(
おそ
)
ろしい
悲劇
(
ひげき
)
が一
歩
(
ぽ
)
遠退
(
とほの
)
いた
時
(
とき
)
の
如
(
ごと
)
くに、
胸
(
むね
)
を
撫
(
な
)
で
卸
(
おろ
)
した。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
其内
(
そのうち
)
何時
(
いつ
)
となく、
二人
(
ふたり
)
の
間
(
あひだ
)
に
挾
(
はさ
)
まつてゐた
影
(
かげ
)
の
樣
(
やう
)
なものが、
次第
(
しだい
)
に
遠退
(
とほの
)
いて
程
(
ほど
)
なく
消
(
き
)
えて
仕舞
(
しま
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
遠
常用漢字
小2
部首:⾡
13画
退
常用漢字
小6
部首:⾡
9画
“遠”で始まる語句
遠
遠方
遠慮
遠近
遠江
遠山
遠音
遠眼鏡
遠路
遠州