“迎(むかへ)” の例文
凡(およそ)雪九月末より降(ふり)はじめて雪中に春を迎(むかへ)、正二の月は雪尚(なほ)深(ふか)し。三四の月に至(いた)りて次第に解(とけ)、五月にいたりて雪全く消(きえ)て夏道(なつみち)となる。
毎日(まいにち)/\晨(あした)に星(ほし)を戴(いたゞ)いて大佐等(たいさら)と共(とも)に家(いへ)を出(い)で、終日(しうじつ)海底(かいてい)の造船所(ざうせんじよ)の中(なか)で汗水(あせみづ)を流(なが)して、夕暮(ゆふぐれ)靜(しづ)かな海岸(かいがん)を歸(かへ)つて來(く)ると、日出雄少年(ひでをせうねん)と猛犬(まうけん)の稻妻(いなづま)とは屹度(きつと)途中(とちう)まで迎(むかへ)に來(き)て居(を)る
美(うつくし)い婦(をんな)の木像(もくざう)さ又(また)遣直(やりなほ)すだね。えゝ、お前様(めえさま)、対手(あひて)が七六(しちむづ)ヶしいだけに張合(はりえゝ)がある……案山子(かゝし)ぢや成(な)んねえ。素袍(すはう)でも着(き)た徒(てあひ)が玉(たま)の輿(こし)持(も)つて、へい、お迎(むかへ)、と下座(げざ)するのを作(つく)らつせえ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
パリス おゝ、かりそめにも勤行(ごんぎゃう)のお妨(さまた)げをしてはならぬ!……ヂュリエットどの、木曜日(もくえうび)には朝(あさ)早(はや)うお迎(むかへ)に行(ゆ)きませうぜ。それまでは、おさらば。此(この)聖(きよ)い接吻(キッス)を保有(しま)っておいて下(くだ)され。
迎(むかへ)申しても祝盃(さかづき)さへも致さぬうち後家(ごけ)と爲(なす)のが最惜(いとほし)ければ此度の縁はなきものと思し絶念下(あきらめくだ)さるやと申して參れと長左衞門が吩咐(いひつけ)に依て態々(わざ/\)參りましたるが實(まこと)にお氣の毒の次第にてと言(いひ)たる儘(まゝ)に戸外(おもて)へ飛出(とびだ)し跡(あと)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)