規模きぼ)” の例文
あの作品の規模きぼの大きさから云っても、画面的に描き出す手腕から云っても、明治時代無二の作家と云ってもよいと思うのです。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
ここの大局では、戦場の規模きぼ、戦いのかけひき、雲泥うんでいのちがいです。すべて堂上方のみでなく、世上の武士も、ちと楠木の名を
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それと同時どうじ津浪つなみともなふことが其特色そのとくしよくである。これにはんして局部性きよくぶせい大地震おほぢしん規模きぼ狹小きようしようであるが、おほ陸地りくちおこるがために震動しんどう性質せいしつ急激きゆうげきである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
しからば北歐羅巴きたようろつぱ方面はうめんはどうかと見遣みやるに、この方面はうめんついてはわたしあまおほらぬが、えうするに幼稚えうちきはまるものであつて、規模きぼきはめてちいさいやうである。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
規模きぼ術略吾胸中に定りて、是を發するとき、千仞に坐して圓石を轉ずるが如きは、其勢といふべし。事に關かるものは、理勢を知らずんばあるべからず。
遺訓 (旧字旧仮名) / 西郷隆盛(著)
つまり古今集こきんしゆう時分じぶんには、うたはかういふものだとちひさな標準ひようじゆんをきめてかゝつて、それにあてはまるものをあつめたから、規模きぼちひさい、方向ほうこうあやまつたものが、おほたわけであります。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
ひとわけけてむため、自動車じどうしやをもう一だいたのむことにして、はゞけんとなふる、規模きぼおほきい、びたまちあたらしい旅館りよくわん玄関前げんくわんまへ広土間ひろどま卓子テーブルむかつて、一やすみして巻莨まきたばこかしながら
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
思ったより、爆発の規模きぼが小さいんだ。
超人間X号 (新字新仮名) / 海野十三(著)
なんとすばらしいしろだろう。その規模きぼの大きなこと、ローマの古城こじょうをもしのぐであろうし、その工芸美こうげいび結構けっこうはバビロンの神殿しんでんにもおとりはしない。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
西暦せいれき千七百五十五年せんしちひやくごじゆうごねん十一月一日じゆういちがついちにちのリスボンの大地震だいぢしん規模きぼすこぶ廣大こうだいなものであつて、感震區域かんしんくいき長徑ちようけい五百里ごひやくりわたり、地動ぢどう餘波よはによつて、スコットランド
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
しかし、この規模きぼと、またそれのよく行われてゆく実力とをみて、いまは九州の各地にひっそくしていた武士もみな出て来て、尊氏の軍門へくだった。
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
非局部性ひきよくぶせい大地震だいぢしんおほ太平洋側たいへいようがは海底かいていり、地震ぢしん規模きぼ廣大こうだいなると陸地りくち震原しんげんからとほいために、はたまた海底地震かいていぢしん性質せいしつとして震動しんどう大搖おほゆれであるが、しかしながら緩漫かんまんである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
規模きぼの大、構想の斬新ざんしん、それは誰の設計でもなく、彼の創作によるものだった。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さすがにその規模きぼは義貞が私邸にもらった二条烏丸からすま古館ふるやかたの比ではない。
事実、規模きぼの雄大なことは想像を絶していた。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)