睡眠すゐみん)” の例文
御米およねはさも心地好こゝちよささうにねむつてゐた。ついこのあひだまでは、自分じぶんはうられて、御米およね幾晩いくばん睡眠すゐみん不足ふそくなやまされたのであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
うして凝然ぢつとしてることをも勘次かんじ僂麻質斯レウマチスなやましてるのだとはらないで、むし老人らうじん通有つういう倦怠けんたいともな睡眠すゐみんむさぼつてるのだらうぐらゐるのであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
ロレ 人聲ひとごゑがする。……こりゃひめよ、ま、はやてござれ、そこは疫癘えきれい無理むり睡眠すゐみん宿やどぢゃほどに。人間以上にんげんいじゃうちからため折角せっかく計畫はかりごとみなやぶれた、さ、はやうござれ。
疲勞ひらう睡眠すゐみん不足ふそくとに、Kあをざめてひげさへばしてゐた。
彼女こゝに眠る (旧字旧仮名) / 若杉鳥子(著)
醫者いしやはモルヒネの注射ちうしやをしてわづか睡眠すゐみん状態じやうたいたもたせて苦痛くつうからのがれさせようとした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
おい苦勞くらうち、苦勞くらう宿やどところには兎角とかく睡眠すゐみん宿やどらぬものぢゃが、こゝろきずなうわだかまりのないわかものは、手足てあしよこにするやいなや、心持こゝろもちねむらるゝはずぢゃに、かうはやきさしゃったは
つぎおつたはまたた。おつたは自分じぶん無意識むいしきたねいた昨夜さくやさわぎをつてるはずがないので、昨日きのふごと威勢ゐせいがよかつた。勘次かんじ睡眠すゐみん不足ふそくからさら餘計よけい不快ふくわいしかめた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)