眼界がんかい)” の例文
カンテラのひかりためかへつ眼界がんかいせばめられた商人あきんど木陰こかげやみかられば滑稽こつけいほどえずしかめつゝそとやみすかしてさわがしい群集ぐんしふる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
眼界がんかいたつするかぎ煙波えんぱ渺茫べうぼうたる印度洋インドやうちうに、二人ふたり運命うんめいたくするこの小端艇せうたんていには、く、かひく、たゞなみのまに/\たゞよつてるばかりである。
両側りょうがわにはしじゅうぶどう畑ばかりを見て来たのが、ふと、それはあたかも目をさえぎっていた窓かけがぱらりと落ちたように、眼界がんかいが自由に開けた。
しかしおたがいにもっと眼界がんかいを広くして、もっと大きいところから見なければいけない。日本ぜんたいから見ると国家の役に立つ人間が一番えらい。
苦心の学友 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
忘れもしない、眼界がんかいの其の突当つきあたりが、昨夜ゆうべまで、我あればこそ、電燭の宛然さながら水晶宮の如く輝いた劇場であつた。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
眼界がんかいから消えてゆく。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
る/\うちに、大陸たいりくかげ名殘なごりなく、眼界がんかいそとせてしまうと、其内そのうちかぜはだん/\はげしくなつてて、はては印度洋インドやうで、著名なだい颶風タイフンかはつてしまつた。
親仁おやぢ差心得さしこゝろえたものとえる、きツかけに手綱たづないたから、うまはすた/\と健脚けんきやく山路やまぢげた、しやん、しやんしやん、しやんしやん、しやんしやん、——眼界がんかいとほざかる。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
此邊このへん印度洋インドやう眞中たゞなかで、眼界がんかいたつするかぎ島嶼たうしよなどのあらうはづはない、ましてやくぷん間隙かんげきをもつて發射はつしやする火箭くわぜんおよ星火榴彈せいくわりうだん危急存亡きゝふそんぼうぐる難破船なんぱせん夜間信號やかんしんがう