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眞鍮
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しんちう
ふりがな文庫
“
眞鍮
(
しんちう
)” の例文
新字:
真鍮
黄表紙
(
きべうし
)
を讀んでゐた平次は、起き上がると煙草盆を引寄せて、こればかりはよく磨いた
眞鍮
(
しんちう
)
の煙管と共に八五郎の方に押しやるのです。
銭形平次捕物控:170 百足屋殺し
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
卯平
(
うへい
)
は
其
(
そ
)
の
薄暗
(
うすぐら
)
い
家
(
うち
)
の
中
(
なか
)
に
只
(
たゞ
)
煙草
(
たばこ
)
を
吹
(
ふ
)
かしては
大
(
おほ
)
きな
眞鍮
(
しんちう
)
の
煙管
(
きせる
)
で
火鉢
(
ひばち
)
を
叩
(
たゝ
)
いて
居
(
ゐ
)
た。
卯平
(
うへい
)
と
勘次
(
かんじ
)
とは
其
(
そ
)
の
間
(
あひだ
)
碌
(
ろく
)
に
口
(
くち
)
も
利
(
きか
)
なかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
上段
(
じやうだん
)
づきの
大廣間
(
おほひろま
)
、
正面
(
しやうめん
)
一段
(
いちだん
)
高
(
たか
)
い
處
(
ところ
)
に、
疊
(
たゝみ
)
二疊
(
にでふ
)
もあらうと
思
(
おも
)
ふ、
恰
(
あたか
)
も
炎
(
ほのほ
)
の
池
(
いけ
)
の
如
(
ごと
)
き
眞鍮
(
しんちう
)
の
大火鉢
(
おほひばち
)
、
炭火
(
たんくわ
)
の
烈々
(
れつ/\
)
としたのを
前
(
まへ
)
に
控
(
ひか
)
へて、
唯
(
たゞ
)
見
(
み
)
る
一個
(
いつこ
)
の
大丈夫
(
だいぢやうぶ
)
。
麦搗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「其代り、これだけは隱さずに話してくれ、——近頃お前のところへ行つて、
眞鍮
(
しんちう
)
の簪二本に銀流しを掛けさした女があるだらう」
銭形平次捕物控:004 呪ひの銀簪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
核
(
たね
)
までがり/\
噛
(
かぢ
)
つちやつたな、
奇態
(
きたい
)
だよそんだが
桃
(
もゝ
)
噛
(
かぢ
)
つてつと
鼻
(
はな
)
ん
中
(
なか
)
さ
埃
(
ほこり
)
へえんねえかんな、
俺
(
お
)
れが
齒
(
は
)
ぢや
誰
(
た
)
れでも
魂消
(
たまげ
)
んだから
眞鍮
(
しんちう
)
の
煙管
(
きせる
)
なんざ
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
▼ もっと見る
私
(
わたし
)
の
眞鍮
(
しんちう
)
の
迷子札
(
まひごふだ
)
を
小
(
ちひ
)
さな
硯
(
すゞり
)
の
蓋
(
ふた
)
にはめ
込
(
こ
)
んで、
大切
(
たいせつ
)
にしたのを、
幸
(
さいは
)
ひに
拾
(
ひろ
)
つて、これを
袂
(
たもと
)
にした。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
蒔繪
(
まきえ
)
も何んにもなく、
眞鍮
(
しんちう
)
やニツケルを使つた精巧な出來は、その頃九州や
堺
(
さかひ
)
の鍛冶が打つた武骨——だが豪勢な感じのする日本出來の鐵砲ではなく
銭形平次捕物控:155 仏像の膝
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
眞鍮
(
しんちう
)
の
茶釜
(
ちやがま
)
の
白鳥
(
はくてう
)
、
出居
(
いでゐ
)
の
柱
(
はしら
)
に
行燈
(
あんどう
)
掛
(
か
)
けて、
燈
(
ともしび
)
紅
(
あか
)
く、おでん
燗酒
(
かんざけ
)
、
甘酒
(
あまざけ
)
もあり。
婦人十一題
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
商人
(
あきんど
)
は
卸
(
おろ
)
した四
角
(
かく
)
なぼて
笊
(
ざる
)
から
眞鍮
(
しんちう
)
の
皿
(
さら
)
と
鍵
(
かぎ
)
が
吊
(
つる
)
された
秤
(
はかり
)
を
出
(
だ
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
平次がさう言ひ乍ら、懷から取出したのは、
眞鍮
(
しんちう
)
の迷子札が一枚、
後閑
(
こが
)
武兵衞の手の屆きさうもないところへ置いて、上眼使ひに、そつと見上げるのでした。
銭形平次捕物控:051 迷子札
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次が帳場格子の前にしやがむと、品吉は
埋
(
うづ
)
み火の煙草盆を押しやつて、自分も
眞鍮
(
しんちう
)
の煙管を取上げました。
銭形平次捕物控:233 鬼の面
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
金の鈴、銀の鈴、
眞鍮
(
しんちう
)
の鈴、
銅
(
あか
)
の鈴、——
足結
(
あゆひ
)
の鈴、手の鈴、
釧
(
くしろ
)
の鈴、大刀の鈴、
鈴鏡
(
すゞかゞみ
)
。さては犬の鈴、
鷹
(
たか
)
の鈴、凡そ鈴と名の付くものなら何でもある——鈴は要りませんかな——
銭形平次捕物控:008 鈴を慕う女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
血染の匕首と
眞鍮
(
しんちう
)
の火箸を持つて、八五郎は轉がるやうに梯子を降りて來ました。
銭形平次捕物控:257 凧糸の謎
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「錢の外に膝の下に、
眞鍮
(
しんちう
)
の花形になつた變なものを持つて居るだらう」
銭形平次捕物控:250 母娘巡礼
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
小判形には出來て居ますが、よく見ると
眞鍮
(
しんちう
)
の迷子札で
銭形平次捕物控:051 迷子札
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
眞
部首:⽬
10画
鍮
漢検1級
部首:⾦
17画
“眞鍮”で始まる語句
眞鍮磨
眞鍮臺
眞鍮扉錠
眞鍮鑄鋲