トップ
>
相成
>
あいな
ふりがな文庫
“
相成
(
あいな
)” の例文
金博士は、このごろアルコールに不自由をしている上に、金にも困っていると見え、さてこそ
極限歎息
(
きょくげんたんそく
)
の
次第
(
しだい
)
と
相成
(
あいな
)
ったらしい。
毒瓦斯発明官:――金博士シリーズ・5――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
表
(
おもて
)
むきは
何處
(
どこ
)
までも
田舍書生
(
いなかじよせい
)
の
厄介者
(
やつかいもの
)
が
舞
(
ま
)
ひこみて
御世話
(
おせわ
)
に
相成
(
あいな
)
るといふこしらへでなくては
第
(
だい
)
一に
伯母御前
(
おばごぜ
)
が
御機嫌
(
ごきげん
)
むづかし
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「恐れながら、恐れながら
拙者
(
せっしゃ
)
とても、
片時
(
へんし
)
も早く、もとの人間に成りまして、人間らしく、
相成
(
あいな
)
りたう存じます。
峠
(
とうげ
)
を越えて戻ります。」
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「とにかく近頃の如く御馳走の食べ続けにては、さすがの小生も遠からぬうちに大兄の如く胃弱と
相成
(
あいな
)
るは
必定
(
ひつじょう
)
……」
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「鎧兜太刀などは武士の表道具、まして御先祖伝来の大切な品々、お前さまの御自由には
相成
(
あいな
)
りませぬ」
箕輪心中
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
芝居は
何日
(
なんか
)
の
間
(
あいだ
)
あるが、藩士たるものは決して立寄ることは
相成
(
あいな
)
らぬ、
住吉
(
すみよし
)
の
社
(
やしろ
)
の石垣より以外に行くことならぬと云うその布令の文面は、
甚
(
はなは
)
だ厳重なようにあるが
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
扨
(
さて
)
、小僧ますをとりて酒を入れ候に、酒は
事
(
こと
)
もなく入り、
遂
(
つい
)
に
正味
(
しょうみ
)
一斗と
相成
(
あいな
)
り候。山男
大
(
おおい
)
に
笑
(
わら
)
いて二十五文を
置
(
お
)
き、瓢箪をさげて立ち
去
(
さ
)
り候
趣
(
おもむき
)
、材木町
総代
(
そうだい
)
より
御届
(
おとど
)
け
有之
(
これあり
)
候。
紫紺染について
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
学校は必要のものには
無之
(
これなく
)
、職業のためむしろ欲のためとなると、学問といわんよりは、学校というものを卒業する事が必要に
相成
(
あいな
)
るべく、いずれにしても平凡人のせつなさに候う。
廃める
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
井生森又作という三十五歳に
相成
(
あいな
)
りましてもいまだ
身上
(
みのうえ
)
が
定
(
さだま
)
らず、怪しい
形
(
なり
)
で
柳川紬
(
やながわつむぎ
)
の
袷
(
あわせ
)
一枚で下にはシャツを着て居りますが、羽織も黒といえば
体
(
てい
)
が
好
(
い
)
いけれども、紋の所が黒くなって
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「なんとも、お察しする。悪事をする子ほど可愛いとは、俗にもいうことば、さだめし、ご愁心であろう。しかし、もう今日と
相成
(
あいな
)
っては、
如何
(
いかん
)
とも、いたし難い。お諦めが肝要であろう」
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
結局金博士の智慧を
験
(
た
)
めそうとした奴の蟇口の中身が
空虚
(
から
)
と
相成
(
あいな
)
って、思いもかけぬ
深刻
(
しんこく
)
な負けに終るのが不動の慣例だった。
今昔ばなし抱合兵団:――金博士シリーズ・4――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
御遠慮があってはならぬ——が、お身に合いそうな
着替
(
きがえ
)
はなしじゃ。……これは、一つ、亭主が
素裸
(
すはだか
)
に
相成
(
あいな
)
りましょう。それならばお心安い。
二、三羽――十二、三羽
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
私の流儀にすれば金がなければ使わない、
有
(
あっ
)
ても無駄に使わない、多く使うも、少なく使うも、
一切
(
いっさい
)
世間の人のお世話に
相成
(
あいな
)
らぬ、使いたくなければ使わぬ、使いたければ使う
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
何分にも
捗々
(
はか/″\
)
しく参りませんで、それに
就
(
つい
)
て誠にどうも……アヽ熱い、お國さま
先達
(
せんだっ
)
ては誠に御馳走様に
相成
(
あいな
)
りまして有難う、まだお礼もろく/\申上げませんで、へえ、アヽ熱い、誠に熱い
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
そのために、そこら中は水だらけと
相成
(
あいな
)
り、水は集り集って、
租界
(
そかい
)
を
洪水
(
こうずい
)
のように
浸
(
ひた
)
してしまった、本当の話ですよ。
時限爆弾奇譚:――金博士シリーズ・8――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「いや、安心は
相成
(
あいな
)
らぬ。が、かた/″\の
御心
(
ごしん
)
もじ、
御如才
(
おじょさい
)
はないかに存ずる。やがて、此の湖上にも白い姿が映るであらう。——水も、
夜
(
よ
)
も、さて
更
(
ふ
)
けた。——
武士
(
さむらい
)
。」
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
夫
(
そ
)
れから
楽書
(
らくがき
)
一切
(
いっさい
)
相成らぬ、壁や障子に楽書を禁ずるは
勿論
(
もちろん
)
、自分所有の
行灯
(
あんどう
)
にも机にも一切の品物に楽書は
相成
(
あいな
)
らぬと
云
(
い
)
うくらいの箇条で、
既
(
すで
)
に規則を
極
(
き
)
めた以上はソレを実行しなくてはならぬ。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
残念ながら、咄々先生の言葉は、これ以上録音することが不可能の事態とは
相成
(
あいな
)
った。なぜなれば、咄々先生の舌が、
一抹
(
いちまつ
)
の煙と化してしまったからである。
時限爆弾奇譚:――金博士シリーズ・8――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ぢやが、
海苔
(
のり
)
一
帖
(
じょう
)
、
煎餅
(
せんべい
)
の袋にも、
贈物
(
おくりもの
)
は心すべきぢや。すぐに其は
対手
(
あいて
)
に向ふ、当方の
心持
(
こころもち
)
の
表
(
しるし
)
に
相成
(
あいな
)
る。……将軍家へ
無心
(
むしん
)
とあれば、都鳥一羽も、城一つも同じ道理ぢや。
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
というわけで、今や醤買石は、
執念
(
しゅうねん
)
の火の玉と
化
(
か
)
し、喰うか喰われるかの公算五十パアセントの危険をおかしても
一矢
(
いっし
)
をむくわで置くべきかと、あわれいじらしきことと
相成
(
あいな
)
った。
戦時旅行鞄:――金博士シリーズ・6――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「半之丞が
失踪
(
しっそう
)
いたして、今日で何ヶ年に
相成
(
あいな
)
るかの」
くろがね天狗
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
相
常用漢字
小3
部首:⽬
9画
成
常用漢字
小4
部首:⼽
6画
“相成”で始まる語句
相成候
相成度
相成申
相成不申
相成樣
相成難
相成候上
相成可申
相成居候
相成申候