トップ
>
無造作
>
むざうさ
ふりがな文庫
“
無造作
(
むざうさ
)” の例文
私は彼の口から、彼の幸福さうな赤い顔に似合しいやうな浮々した言葉が、
無造作
(
むざうさ
)
に浴びせかけられることを思ふと
堪
(
たま
)
らない気がされた。
イボタの虫
(新字旧仮名)
/
中戸川吉二
(著)
馬
(
うま
)
に
乘替
(
のりかへ
)
させ先の者どもへ見せつけて遣んとおもふ心なり其所は其
許
(
もと
)
の
胸
(
むね
)
一ツ何卒兩人夫婦にさせては
呉
(
くれ
)
まいかと
無造作
(
むざうさ
)
に
頼
(
たの
)
めば
與惣次
(
よそうじ
)
承知なしお專を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
見ると、樓の内には、
噂
(
うはさ
)
に聞いた通り、幾つかの
屍骸
(
しがい
)
が、
無造作
(
むざうさ
)
に棄てゝあるが、火の光の及ぶ
範圍
(
はんゐ
)
が、思つたより狹いので、
數
(
かず
)
は幾つともわからない。
羅生門
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
、なんぼ自分の
所有
(
もの
)
だといつて、さうぽん/\と
無造作
(
むざうさ
)
に取上げられたんぢや、全くやりきれやしない。
新らしき祖先
(新字旧仮名)
/
相馬泰三
(著)
平次は
無造作
(
むざうさ
)
に笑い飛ばして、縁側に
後
(
うし
)
ろ手を突いたまゝ、空の
碧
(
あを
)
さに見入るのでした。
七夕
(
たなばた
)
も近く天氣が定まつて、毎日々々クラクラするやうなお天氣續きです。
銭形平次捕物控:124 唖娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
頭髪
(
かみ
)
は
項
(
うなじ
)
の
辺
(
あたり
)
で
切
(
き
)
って
背後
(
うしろ
)
に
下
(
さ
)
げ、
足
(
あし
)
には
分厚
(
ぶあつ
)
の
草履
(
ぞうり
)
を
突
(
つ
)
かっけ、すべてがいかにも
無造作
(
むざうさ
)
で、どこをさがしても
厭味
(
いやみ
)
のないのが、むしろ
不思議
(
ふしぎ
)
な
位
(
くらい
)
でございました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
紙片
(
かみきれ
)
は
果
(
はた
)
して
横罫
(
よこけい
)
の
西洋紙
(
せいやうし
)
で、
其
(
それ
)
が
拡
(
ひろ
)
げて
見
(
み
)
ると、四五
通
(
つう
)
もある。
孰
(
いづれ
)
もインキでノート
筆記
(
ひつき
)
やうの
無造作
(
むざうさ
)
な
字体
(
じたい
)
で、
最初
(
さいしよ
)
の一
通
(
つう
)
が一
番
(
ばん
)
長
(
なが
)
く、
細字
(
さいじ
)
で三
頁半
(
ページはん
)
にも
亘
(
わた
)
つてゐる。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
既に解剖した屍體をすら平氣で而も
巧
(
たくみ
)
に縫合はせる位であるから、其が
假
(
よし
)
何樣
(
どん
)
な屍體であツても、屍體を取扱ふことなどはカラ
無造作
(
むざうさ
)
で、鳥屋が鳥を絞めるだけ苦にもしない。
解剖室
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
踊子
(
をどりこ
)
を
誘
(
さそ
)
ふ
太鼓
(
たいこ
)
の
音
(
おと
)
は
夜
(
よ
)
を
待
(
ま
)
ち
兼
(
か
)
ねて
鳴
(
な
)
り
出
(
だ
)
した。
勘次
(
かんじ
)
は
其
(
そ
)
の
夜
(
よ
)
蚊燻
(
かいぶ
)
しの
支度
(
したく
)
もしないで
紺
(
こん
)
の
單衣
(
ひとへ
)
へぐる/\と
無造作
(
むざうさ
)
に三
尺帶
(
じやくおび
)
を
卷
(
ま
)
いて、
雨戸
(
あまど
)
をがら/\と
閉
(
た
)
て
始
(
はじ
)
めた。さうして
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
太古
(
たいこ
)
の
日本家屋
(
にほんかおく
)
は、
匠家
(
せうか
)
のいはゆる
天地根元宮造
(
てんちこんげんみやづくり
)
と
稱
(
しやう
)
するもので
無造作
(
むざうさ
)
に
手
(
て
)
ごろの
木
(
き
)
を
合掌
(
がつしやう
)
に
縛
(
しば
)
つたのを
地上
(
ちじやう
)
に
立
(
た
)
てならべ
棟木
(
むなぎ
)
を
以
(
もつ
)
てその
頂
(
いたゞき
)
に
架
(
か
)
け
渡
(
わた
)
し、
草
(
くさ
)
を
以
(
もつ
)
て
測面
(
そくめん
)
を
蔽
(
おほ
)
うたものであつた。
日本建築の発達と地震
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
新しい葉が出来ると
無造作
(
むざうさ
)
に落ちる
ゆづり葉
(新字旧仮名)
/
河井酔茗
(著)
ジアン・クリストフの中に、クリストフと同じやうにベエトオフエンがわかると思つてゐる俗物を書いた一節がある。わかると云ふ事は世間が考へる程、
無造作
(
むざうさ
)
に出来る事ではない。
雑筆
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
N君は
無造作
(
むざうさ
)
に返事をした。
野人生計事
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
“無造作”の意味
《名詞》
無造作(むぞうさ)
造作ないさま。容易いさま。気軽なさま。
(出典:Wiktionary)
無
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
造
常用漢字
小5
部首:⾡
10画
作
常用漢字
小2
部首:⼈
7画
“無造作”で始まる語句
無造作裡