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けいがん
ふりがな文庫
“
烱眼
(
けいがん
)” の例文
然
(
しか
)
れども彼は一方においては事物の真相を察する
烱眼
(
けいがん
)
あるに
係
(
かかわ
)
らず、いわゆる天下の大勢を既に
来
(
きた
)
れるに
攫
(
つか
)
み、
未
(
いま
)
だ至らざるに察し
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
深入りした徳川勢は、たしかに、危険は危険な行き方であったが、
烱眼
(
けいがん
)
な家康が、みずから全局の急所に打った一石だった。
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
けれども注意と
烱眼
(
けいがん
)
とをもって、彼はついにそれらの幽霊に肉を与え、それらの生きながらの死人をよみがえらすに至った。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
そういって、この
烱眼
(
けいがん
)
なる記者は、ドレゴと水戸の手をかわるがわる握ってこの困難なる仕事への
再発足
(
さいほっそく
)
を激励し合った。
地球発狂事件
(新字新仮名)
/
海野十三
、
丘丘十郎
(著)
おどろきながら小者が、不審にたえないといったように首をかしげましたものでしたから、早くもその
烱眼
(
けいがん
)
のピカピカとさえたものは名人右門です。
右門捕物帖:13 足のある幽霊
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
▼ もっと見る
これが多分ニュートンの最初の疑問ではなかったのでしょうか。つまり月を問題にしたところに、ニュートンの人並みすぐれた
烱眼
(
けいがん
)
があったのです。
ニュートン
(新字新仮名)
/
石原純
(著)
「いや、奴、ナカ/\
烱眼
(
けいがん
)
だ。その時は気の毒がっていたが、此方へ来てから申込んだら、否と言えば又この二階から飛び下りるかい? と言やがった」
負けない男
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
烱眼
(
けいがん
)
よく人世必要の機微をとらえ、学者、文人、思想家を、店員なみに見なすような巨豪になったとはいえ、その成功はみな書物の貴さによってだった。
大橋須磨子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
僕は今更ながら先生の
烱眼
(
けいがん
)
に驚かざるを得なかった。先生の前には、「虚偽」はつねに頭を下げざるを得ない。
闘争
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
そして、こっそりと観客の中にまぎれ込んでいたのを、法水の
烱眼
(
けいがん
)
が観破したのではないだろうか……。
オフェリヤ殺し
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
「国民之友」
曾
(
か
)
つて之を新題目として詩人に勧めし事あるを記憶す、
寔
(
まこと
)
に格好なる新題目なり、彼の記者の常に
斯般
(
しはん
)
の事に
烱眼
(
けいがん
)
なるは吾人の
私
(
ひそか
)
に畏敬する所なれど
国民と思想
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
唯杯酒の間に於て交情を温めしのみ。而も彼の
烱眼
(
けいがん
)
は早くより平八郎の豪傑なるを看取せり。古賀溥卿は嘗て平八郎が江戸に来りしとき恐るべき人物なりとして遇ふことを許さゞりき。
頼襄を論ず
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
京畿に生れたらば五十万石七十万石の大名には
屹度
(
きっと
)
成って居たに疑無い立派な人物だが、其
烱眼
(
けいがん
)
は早くも梵天丸の其様子を衆人の批難するのを排して、イヤイヤ、末頼もしい
和子
(
わこ
)
様である
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
大村の
肝煎
(
きもい
)
りで朝鮮の幾人かの文人達と一席を設けたところ、その席上で三十分もせぬ中に彼が玄竜の中に朝鮮人全部を見てとったのは、さすがに鋭い芸術家の
烱眼
(
けいがん
)
だと讃嘆して附け加えた。
天馬
(新字新仮名)
/
金史良
(著)
恁
(
か
)
うして
漁師
(
れふし
)
は
烱眼
(
けいがん
)
を
以
(
もつ
)
て
獲物
(
えもの
)
を
過
(
あやま
)
たぬ
道
(
みち
)
を
波
(
なみ
)
の
間
(
あひだ
)
に
窮
(
きは
)
めて
居
(
ゐ
)
るのである。
僅
(
わづか
)
な
村落
(
むら
)
の
内
(
うち
)
で
毎日
(
まいにち
)
凡
(
すべ
)
ての
目
(
め
)
に
熟
(
じゆく
)
して
居
(
ゐ
)
る
女
(
をんな
)
の
所在
(
ありか
)
を
覘
(
ねら
)
ふことは、
蛸壺
(
たこつぼ
)
を
沈
(
しづ
)
めるやうな
其麽
(
そんな
)
寧
(
むし
)
ろあてどもないものではない。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
平次の
烱眼
(
けいがん
)
が、早くも此事件の底の不合理さを見出したのです。
銭形平次捕物控:303 娘の守袋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
やとい主は
烱眼
(
けいがん
)
むるいだ。こんな女なぞはやとってくれない。
新版 放浪記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
けだし蕪村の
烱眼
(
けいがん
)
は早くこれに注意したるものなるべし。
俳人蕪村
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
「軍司令官閣下の
烱眼
(
けいがん
)
には驚きました。」
将軍
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
宇内
(
うだい
)
の大勢を
揣摩
(
しま
)
し、欧洲の活局を洞観するの
烱眼
(
けいがん
)
に到りては、その同時の諸家、彼に及ぶもの
鮮
(
すく
)
なし、いわんや松陰においてをや。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
で、
烱眼
(
けいがん
)
な曹操はすぐ、この城を陥す攻め口はここと、肚のうちでは決めているに違いないのです。——そこで彼は次の日から、西門に主力を
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかし法水が、最初から死者の世界にも、詮索を怠らなかったことは、さすがに
烱眼
(
けいがん
)
であると云えよう。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
あの鋭い
烱眼
(
けいがん
)
で、じろじろ小さな義少年の次郎松を見ながめていましたが、そのとき——ふと名人の目に強く映ったものは、いぶかしや次郎松少年の腰のところに
右門捕物帖:15 京人形大尽
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
……ホーテンスは、さすがに
烱眼
(
けいがん
)
で、いい狙いをつけているよ。彼は、燃えるソ連船ゼムリヤ号の焔の中に飛びこむ代りに、七つの海の中からその前日までのゼムリヤ号の消息を
地球発狂事件
(新字新仮名)
/
海野十三
、
丘丘十郎
(著)
けだし蕪村の
烱眼
(
けいがん
)
は早くこれに注意したる者なるべし。
俳人蕪村
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
「そりゃ君ほど
烱眼
(
けいがん
)
じゃないが。」
路上
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
二 スコーフレール親方の
烱眼
(
けいがん
)
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
論より証拠、今日においてはわが邦の人民はみな生まれながら
烱眼
(
けいがん
)
活溌なる貿易者となり、生まれながらにして波濤の健児とならんものを。
将来の日本:04 将来の日本
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
「おそろしい
烱眼
(
けいがん
)
だ。これまで敵地の木戸や関門を通って来る間にも、それ程までに、わしを見抜いた者はなかった」
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
さらにいでてさらに重なる不審な事実に、三たびうちおどろきながら、じっと鋭くまなこを注いでいましたが、——せつな! まことにいつもながらの古今に無双なその
烱眼
(
けいがん
)
は
右門捕物帖:16 七化け役者
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
将来のことに至りてはいかなる達識
烱眼
(
けいがん
)
の人といえどもただ推測するの一あるのみ。しかして吾人今日の位地はこれを推測することすら容易ならず。
将来の日本:04 将来の日本
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
だから信玄とその直属部隊が、山の手の要撃隊のほうにあるか、この野戦待機隊にあったかは、いかに謙信の
烱眼
(
けいがん
)
でもまだ分明していないわけである。
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
たいていの者が恐れ入るべきはずでしたが、このくちびる赤き毒の花は、あくまでも、われらの捕物名人むっつり右門の
烱眼
(
けいがん
)
をおおいくらまそうとしたものか、反対に食ってかかりました。
右門捕物帖:12 毒色のくちびる
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
孫策の
烱眼
(
けいがん
)
と、太史慈の信義に感じて、先に疑っていた諸将も、思わず双手を打ちふり、歓呼して彼を迎えた。
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
天下の民みな
覇政
(
はせい
)
の
沢
(
たく
)
に沈酔し、一旅を以て天下を争わんとしたる
幾多
(
いくた
)
の猛将
梟漢
(
きょうかん
)
の子孫が、
柳営
(
りゅうえい
)
の
一顰
(
いっぴん
)
一笑
(
いっしょう
)
に
殺活
(
さっかつ
)
せられつつある際に、彼の
烱眼
(
けいがん
)
は、早くも隣国の形勢に注げり。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
烱眼
(
けいがん
)
はやぶさのごとき名人が見すごしするはずはないのです。
右門捕物帖:29 開運女人地蔵
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
また、あなたの
烱眼
(
けいがん
)
をもって、この小城に、わずか七百の兵を擁し、織田家の二万五千の大軍に対し、最後まで守りきれるなどともお考えにはならないでしょう。
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
あるいは仏国革命の張本人ともいうべき
烱眼
(
けいがん
)
なるヴォルテールのごとき
将来の日本:04 将来の日本
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
甲館の
主
(
あるじ
)
、
機山大居士
(
きざんだいこじ
)
とは、おそるべき
烱眼
(
けいがん
)
の持主であると、常日頃から伺っておりましたが、今のおたずねは、子どもの持っている菓子をあやして奪うような御質問で
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「孔明の
烱眼
(
けいがん
)
には、まったく
胆
(
きも
)
をつぶされました。あながち、きょうばかりではありませんが」
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
自分も
疾
(
と
)
くより考えているし、主君信長様の
烱眼
(
けいがん
)
が将来の計を
怠
(
おこた
)
っておらるるはずもない。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかし、慈円僧正が、身にひきうけてとまでいいきって、官へ
印可
(
いんか
)
をとりにやったのは一朝の決断ではなかった。先刻からの座談のうちに、
烱眼
(
けいがん
)
、はやくも、十八公麿の
挙止
(
きょし
)
を見て
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
尾張八郡の将来を、その
烱眼
(
けいがん
)
で見こしていた上の承諾であることはいうまでもない。
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それとて日本左衛門の
烱眼
(
けいがん
)
にさえ、少しも怪しげに見えなかったくらいなものです。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
烱眼
(
けいがん
)
明察、彼のごとき者を、呉の陣中に養っておくことは、呉の内情や軍の機密を、思いのまま探ってくれと、こちらから頼んで、保護してやっているようなものである——と思った。
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ご
烱眼
(
けいがん
)
も届きませぬか。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
烱眼
(
けいがん
)
な藤孝は
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
烱
漢検1級
部首:⽕
11画
眼
常用漢字
小5
部首:⽬
11画
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烱眼家
烱眼洞察