トップ
>
災
>
わざわ
ふりがな文庫
“
災
(
わざわ
)” の例文
災
(
わざわ
)
いが、どこにひそんでいるかわからぬ、といったような感じが、そんなことから、いつとはなしに、彼の胸に芽生えはじめていたのである。
次郎物語:01 第一部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
そしてそのなきがらを
埋
(
う
)
めたお
墓
(
はか
)
を
将軍塚
(
しょうぐんづか
)
といって、千
何年
(
なんねん
)
という
長
(
なが
)
い
間
(
あいだ
)
京都
(
きょうと
)
の
鎮守
(
ちんじゅ
)
の
神様
(
かみさま
)
のように
崇
(
あが
)
められて、
何
(
なに
)
か
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
に
災
(
わざわ
)
いの
起
(
お
)
こる
時
(
とき
)
には
田村将軍
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
「支那游記」一巻は
畢竟
(
ひっきょう
)
天の僕に恵んだ(或は僕に
災
(
わざわ
)
いした)Journalist 的才能の産物である。
「支那游記」自序
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
災
(
わざわ
)
いなことには、細君もまた彼の皮肉な眼からのがれなかった。彼女は親切で、活動的で、自分を役だたせたいと願い、いつも慈善事業にたずさわっていた。
ジャン・クリストフ:09 第七巻 家の中
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
人に
災
(
わざわ
)
いの起る前にはその音を聞いていると、ひとりでにわかることがあるのでございます……それでございますから、わたくしは、気にかかる物の音色は
大菩薩峠:19 小名路の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
左側に並んでいる私娼宿の壁へ、ピッタリと背中を平めかしてつけて、投げ落とされる丸太や礫や、火のついている棒の
災
(
わざわ
)
いから、巧みにのがれているのであった。
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
この日鼠を見た者には
災
(
わざわ
)
いがあると
謂
(
い
)
って、野外に出ることを慎しみ、もとは
丸
(
まる
)
一日田畠を鼠に解放するのみか、鼠という語を口にさえしなかったということである。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
『
琅邪
(
ろうや
)
代酔編』二に拠れば、董勛の元日を鶏、二日を猪などとなす説は、漢の
東方朔
(
とうぼうさく
)
の『占年書』に基づいたので、その日晴れればその物育ち、
陰
(
くも
)
れば
災
(
わざわ
)
いありとした。
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
今から七百六十年も前の都は、たとい王城の地といっても、今の人たちの想像以上に寂しいものであったらしい。ことにこの
戊辰
(
つちのえたつ
)
の
久安
(
きゅうあん
)
四年には、禁裏に火の
災
(
わざわ
)
いがあった。
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
ところが夜というやつは、とかく
災
(
わざわ
)
いの起りがちなものでね。まあ悪いことは言わないから、夜ぐうぐう
寝
(
ね
)
てないで、一生けんめい大きな眼をあけて、見張りをするんですね。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
もし御隠し遊ばすと王様の
御身
(
おみ
)
の上やこの国の行く末に容易ならぬ
災
(
わざわ
)
いが起りまするぞ
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
参木は昨夜のお柳の見幕を思い出すと、お杉の
災
(
わざわ
)
いがいよいよ自分に原因していることを感じて暗くなった。しかし、それにしても、お杉が自分の家から出て行こうとしない所が不思議であった。
上海
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
むなしく
災
(
わざわ
)
いの暴威と敵兵の
濶歩
(
かっぽ
)
におののくだけであった。
三国志:12 篇外余録
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
人生を生きる以上人生に深入りしないものは
災
(
わざわ
)
いである。
小さき者へ
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
それが
今夜
(
こんや
)
あなたに
限
(
かぎ
)
って、
殺生石
(
せっしょうせき
)
のそばに
夜
(
よ
)
を
明
(
あ
)
かしながら、
何
(
なん
)
にも
災
(
わざわ
)
いのかからないのはふしぎです。これはきっと
仏
(
ほとけ
)
さまの
道
(
みち
)
を
深
(
ふか
)
く
信
(
しん
)
じていらっしゃる
功徳
(
くどく
)
に
違
(
ちが
)
いありません。
殺生石
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
飢人地上に倒れし時、主上御宸襟を悩ませられ、
朕
(
ちん
)
不徳あらば朕一人を罪せよ、
黎民
(
れいみん
)
何んの
咎
(
とが
)
あるべき、しかるに天この
災
(
わざわ
)
いを下すと、ことごとく嘆き
思
(
おぼ
)
し召し、
朝餉
(
あさがれい
)
の
供御
(
くご
)
を止めさせらる。
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
南の島々の父神は
日輪
(
にちりん
)
であるが、その数ある
所生
(
しょせい
)
の中に、生まれそこないのふさわぬ子があって、
災
(
わざわ
)
いを人の世に及ぼす故に、小舟に載せて、これを大海に流すという点が、わが神代史の蛭子説話と
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
その
後
(
のち
)
旅
(
たび
)
の人が
殺生石
(
せっしょうせき
)
のそばを
通
(
とお
)
っても、もう
災
(
わざわ
)
いはおこらなかったそうです。
殺生石
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
今伝わっている
謡
(
うたい
)
の辞句も、表現がいかにも
素樸
(
そぼく
)
であって、室町期の気分が感じられるほかに、一方には寛永の頃、諸国に
疫癘
(
えきれい
)
の
災
(
わざわ
)
いがあり、鹿島の
神輿
(
みこし
)
を渡してその
患
(
うれ
)
いを除かんことを
祷
(
いの
)
った際に
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
きっと
災
(
わざわ
)
いをのがれることができますといいました。
殺生石
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
災
常用漢字
小5
部首:⽕
7画
“災”を含む語句
災難
災厄
災禍
大火災
罹災者
火災
天災
震災前
災殃
罹災
息災
震災
災害
大震災
罹災民
戦災
震災後
厄災
戦災者
息災延命
...