トップ
>
濕
>
うるほ
ふりがな文庫
“
濕
(
うるほ
)” の例文
新字:
湿
遠
(
とほ
)
くから
南
(
みなみ
)
へ
廻
(
まは
)
らうとして
居
(
ゐ
)
る
日
(
ひ
)
は
思
(
おも
)
ひの
外
(
ほか
)
に
暖
(
あたゝ
)
かい
光
(
ひかり
)
で一
帶
(
たい
)
に
霜
(
しも
)
を
溶
(
と
)
かしたので、
何處
(
どこ
)
でも
水
(
みづ
)
を
打
(
う
)
つたやうな
濕
(
うるほ
)
ひを
持
(
も
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
私は私の勝手な場所を見付けて、煙草に火を點け、口を
濕
(
うるほ
)
し、そして新聞を取上げた。外に相客といふものは無かつた。
所謂今度の事:林中の鳥
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
起す松
唐松
(
からまつ
)
杉檜
森々
(
しん/\
)
として雨ならずとも
樹下
(
このした
)
は
濕
(
うるほ
)
ひたり
此間
(
このあひだ
)
に在りて始めて人間の氣息
緩
(
ゆるや
)
かなるべきを
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
主婦は六十餘とも覺しき老婆なり、一椀の
白湯
(
さゆ
)
を乞ひて
喉
(
のんど
)
を
濕
(
うるほ
)
し、何くれとなき
浮世話
(
うきよばなし
)
の末、瀧口
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
はやわが
額
(
ひたひ
)
には、ドイツの岸を棄てし後ダヌービオの
濕
(
うるほ
)
す國の冠かゞやきゐたり 六四—六六
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
▼ もっと見る
此層の如きは、これを下層に比するときは、猶晴やかなる
房
(
へや
)
と稱すべきならん。
濕
(
うるほ
)
ひて
菌
(
きのこ
)
を生じたる床は、
逈
(
はるか
)
に溝渠の水面の下にあり。あはれ、此房の壁は
幾何
(
いくばく
)
の人の歎息と叫喚とを聞きつる。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
頬邊
(
ほつぺた
)
を
削
(
こそ
)
げるやうに冷たく
濕
(
うるほ
)
してゆく。
地方主義篇:(散文詩)
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
さしぐむ
目
(
まみ
)
の
濕
(
うるほ
)
ひに
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
茶釜
(
ちやがま
)
がちう/\と
少
(
すこ
)
し
響
(
ひゞき
)
を
立
(
た
)
てゝ
鳴
(
な
)
り
出
(
だ
)
した
時
(
とき
)
卯平
(
うへい
)
は
乾
(
ひから
)
びたやうに
感
(
かん
)
じて
居
(
ゐ
)
た
喉
(
のど
)
を
濕
(
うるほ
)
さうとして
懶
(
だる
)
い
臀
(
しり
)
を
少
(
すこ
)
し
起
(
おこ
)
して
膳
(
ぜん
)
の
上
(
うへ
)
の
茶碗
(
ちやわん
)
へ
手
(
て
)
を
伸
(
のば
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
倒
(
さかさ
)
まに落すが如し
衣袂
(
いべい
)
皆な
濕
(
うるほ
)
ひてそゞろ
寒
(
さぶ
)
きを覺ゆれば
見分
(
けんぶん
)
確かに相濟んだと車夫の手を拂ひて車に乘ればまたガタ/\とすさまじき
崖道
(
がけみち
)
を押し上り押し
下
(
くだ
)
し夜の十時過ぎ
須原
(
すはら
)
の
宿
(
やどり
)
へ着き車夫を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
この時大なる
鷙鳥
(
してう
)
ありて、さと落し來たりしに、その翼の前なる湖を撃ちたるとき、飛沫は我等が面を
濕
(
うるほ
)
しき。雲の上にて、鋭くも水面に浮びたる大魚を見付け、矢を射る如く來りて
攫
(
つか
)
みたるなり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
後
(
うしろ
)
の
竹
(
たけ
)
の
林
(
はやし
)
はべつたりと
俛首
(
うなだ
)
れた。
冬
(
ふゆ
)
のやうにさら/\と
潔
(
いさぎよ
)
い
落
(
おち
)
やうはしないで、
濕
(
うるほ
)
ひを
持
(
も
)
つた
雪
(
ゆき
)
は
竹
(
たけ
)
の
梢
(
こずゑ
)
をぎつと
攫
(
つか
)
んで
放
(
はな
)
すまいとして
居
(
ゐ
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
翌朝ネピを發してテルニイに
抵
(
いた
)
りぬ。こは伊太利
疆内
(
きやうない
)
にて最も美しく最も大なる瀑布ある處なり。われは
案内者
(
あないじや
)
と共に、騎して市を出で、暗く茂れる
橄欖
(
オリワ
)
の林に入りぬ。
濕
(
うるほ
)
ひたる雲は
山巓
(
さんてん
)
に棚引けり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
濕
(
うるほ
)
す人々戯れて休まんとする時には
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
濕
部首:⽔
17画
“濕”を含む語句
濕氣
濕々
濕地
陰濕
生濕
薄濕
濕布
濕生
千本濕地
迦濕彌羅
濕雜巾
濕衾
濕臭
濕聲
打濕
濕熱
半濕
濕地蕗
濕地熱
卑濕
...