澁々しぶ/\)” の例文
新字:渋々
暫時しばしと止め種々さま/″\請勸ときすゝめしゆゑ澁々しぶ/\ふみ取上てふう押切おしきりよむしたがひ小夜衣は少しも知らぬ眞心まごころえ伯父長庵が惡事をなげき我身を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
船長閣下せんちやうかくかたまへ、難破船なんぱせんがある! 難破船なんぱせんがある!』とさけぶと、此時このとき船長せんちやうすで寢臺ベツドうへよこたはつてつたが、『んですか。』とばかり澁々しぶ/\起上おきあがつてドーアひらいた。わたくしはツトすゝ
何事なにごとらず改革奉行かいかくぶぎやう命令めいれいそむさふらふまじく、いづれも杢殿もくどの手足てあしとなりて、相働あひはたらき、忠勤ちうきんはげ可申候まをすべくさふらふと、澁々しぶ/\血判けつぱんして差上さしあぐれば、御年役おんとしやく一應いちおう御覽ごらんうへ幸豐公ゆきとよぎみまゐらせたまへば、讀過どくくわ一番いちばん
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
澁々しぶ/\ながら首肯うなづく。)
能因法師 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
まだそれほどふかくもなしおむかひもいままゐらんゆるりなされと好遇もてなさるゝほど猶更なほさらどくがたくなりて何時いつまでちてもえませねばはゞかりながらくるまひとねがひたしと婢女はしため周旋しうせんのほどたのればそれはなん造作ざうさもなきことなれどつひちがひにおむかひのまゐるまじともまをされず今少いますこしおまちなされてはと澁々しぶ/\にいふは
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
風呂敷ふろしきに包んで渡し今日は別段の事なれば金の入事の有るも知れねば用意に持參せよと澁々しぶ/\金一分を千太郎に渡し參會がすみ次第人にはかまはず先へ歸つて來れよと宛然さながら丁稚小僧でつちこぞう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
懸ねば此腹立はらだちは止難しと云れて宅兵衞は彌々いよ/\仰天ぎやうてん種々さま/″\とお兼をなだすかし然らば金五兩わたす間夫にて身輕みがるになり必ず沙汰さたなき樣にすべしとて澁々しぶ/\五兩の金をやりけるこそおろかなりける事どもなれ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)