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滅相
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めっそう
ふりがな文庫
“
滅相
(
めっそう
)” の例文
「
滅相
(
めっそう
)
もないこと、三彩獅子を
御覧
(
ごろう
)
ぜられて、将軍家の
御感
(
ぎょかん
)
一通
(
ひととお
)
りでなく、殿、御上府のせつは、偉い
面目
(
めんもく
)
をほどこしたそうでござる」
増長天王
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ア、これは、これは、
滅相
(
めっそう
)
なことをなされますな、私は公方様の悪口なんて、そんなことを申し上げた覚えはございません」
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
婦が言葉を尽して有難がる度に、爺は
滅相
(
めっそう
)
もないとばかり両手を振った。「うふふ、何を云いなさるだね……」そして目を据えて宙を
瞠
(
みつ
)
める。
土城廊
(新字新仮名)
/
金史良
(著)
「
何
(
なに
)
が
滅相
(
めっそう
)
なことじゃ、わらわがまいって、
浜村屋
(
はまむらや
)
の
病気
(
びょうき
)
を
癒
(
なお
)
して
取
(
と
)
らせるのじゃ。——
邪間
(
じゃま
)
だてせずと、そこ
退
(
の
)
きゃ」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
ロレ まゝゝ、
滅相
(
めっそう
)
なことをすまい。これ、
男
(
をとこ
)
ではないか?
姿
(
すがた
)
を
見
(
み
)
れば
男
(
をとこ
)
ぢゃが、
其
(
その
)
涙
(
なみだ
)
は
宛然
(
さながら
)
の
女子
(
をなご
)
ぢゃ。
狂氣
(
きちがひ
)
めいた
其
(
その
)
振舞
(
ふるまひ
)
は
理性
(
りせい
)
のない
獸類同然
(
けだものどうぜん
)
。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
▼ もっと見る
何をお武家様とお嬢様、
滅相
(
めっそう
)
もないことおっしゃいます。なんで私がそのような偉い人間でございますものか。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
いいえ、
滅相
(
めっそう
)
な。わたくし、そんなつもりで申しているのではございません。それはもう、貴方様のお手許で
躾
(
しつ
)
けていただけば、何よりでございましょうとも。
次郎物語:01 第一部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
郁之進 いやいや!
滅相
(
めっそう
)
な! 殿の一言一行こそは、善悪を超えて、そのまま人倫の大道と申すべきだ。もう言うな。加世がお側へ召されて、もう十日になる。
稲生播磨守
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「イヤ、どうしまして。ペテンにかけるなんて
滅相
(
めっそう
)
な。わたしの方も大切な取引ですからね。そのお得意様をだます様な不心得は致しませんよ。……では、どうか」
恐怖王
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
百合 あの、お代、何の?……お宝……ま、
滅相
(
めっそう
)
な。お茶代なぞ頂くのではないのでござんす。
夜叉ヶ池
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
いいえ
滅相
(
めっそう
)
もない。鍵は一つしか出ていまへん。そしてボーイに使わせるんやっても、時間は厳格にやっとりまんが、ことに昼からこっちずっと、お部屋の鍵はこの帳場で番を
蠅男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
滅相
(
めっそう
)
なこと
仰
(
おっ
)
しやりますな。病気なしの十年延命なら誰しもいやはございません、この頃のやうに痛み通されては一日も早くお迎への来るのを待つて居るばかりでございます。
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
打たれて佐助はひと縮みに縮み上り仮りにも御主のとうさんを
滅相
(
めっそう
)
なことでござります
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
あの夜われら十人のほか部屋に出入りした人は無し、小判が風に吹き飛んだという例も聞かず、まさかわれら腹黒くしめし合せ、あの夫婦をなぶりものにするなんてのは
滅相
(
めっそう
)
も無い事
新釈諸国噺
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
幸子坊円『
滅相
(
めっそう
)
な。空も大分曇って参りました。闇に松明は離せませぬ』
取返し物語
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
亥「えゝお頼み申します、亥太郎で、
滅相
(
めっそう
)
お暑くなりました」
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
と考えれば、辞職するなんて、
滅相
(
めっそう
)
もないことだ。
鉄路
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
「
滅相
(
めっそう
)
な」
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
『
滅相
(
めっそう
)
もない事。——やれやれ、御一党の晴れがましい
御引揚
(
おひきあ
)
げを見、郡兵衛も、
頂上至極
(
ちょうじょうしごく
)
、こんな欣ばしいことはござらぬ』
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「おやまァ
滅相
(
めっそう
)
な。そこへは
鼠
(
ねずみ
)
一
匹
(
ぴき
)
も
滅多
(
めった
)
に
入
(
はい
)
るこっちゃァないよ。——
何
(
な
)
んぞ
変
(
かわ
)
わったことでもおありかえ」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
「えゝ、
滅相
(
めっそう
)
な、お慈悲、慈悲でござります。山を越えて参ります。
歩行
(
ある
)
いて帰ります。」
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
滅相
(
めっそう
)
な! リヽーに会ひに来ましてんが。———」
猫と庄造と二人のをんな
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「槍の高名——
滅相
(
めっそう
)
なことじゃ」
大菩薩峠:04 三輪の神杉の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「
滅相
(
めっそう
)
もない。——久しぶりでお帰りなされたこと故、今夜は何をして慰めてやろうかというような話を、御隠家様に申し上げていたところです」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
滅相
(
めっそう
)
な! リヽーに会ひに来ましてんが。———」
猫と庄造と二人のをんな
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「ええ
滅相
(
めっそう
)
な。
左様
(
さよう
)
なことがおますかいな」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
「こりゃ
滅相
(
めっそう
)
な……」
大菩薩峠:38 農奴の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「
滅相
(
めっそう
)
もない。ただ、臣の
駑才
(
どさい
)
、何の功もなく、いたずらに侍側の栄を汚すのみに終らんことをおそれまする」
三国志:05 臣道の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
滅相
(
めっそう
)
な! リリーに会いに来ましてんが。———」
猫と庄造と二人のおんな
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「え、
滅相
(
めっそう
)
な」
大菩薩峠:22 白骨の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「死のうなどとは、
滅相
(
めっそう
)
もないご短慮です。関羽がおりますからには、いかなる大難が迫ろうとも、お心やすく遊ばしませ。まずその仔細をおはなし下されい」
三国志:05 臣道の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「いや、いや、
滅相
(
めっそう
)
もない。いぶかったわしこそ
浅慮
(
あさはか
)
でおざった。さても今どきにめずらしいご忠節」
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
滅相
(
めっそう
)
もない。悪くお取り下すッては、迷惑いたしまする。……元々、雨乞い祭りの夜、お
夫婦
(
ふたり
)
さまを
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
吹きゃアがって。イヤ
滅相
(
めっそう
)
もないこッてす。何で、あっしのような頓馬にそんな名器が扱えるものじゃございません。……ヘイ、それだけは、真ッ
平
(
ぴら
)
御免なすッて下さいまし
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
滅相
(
めっそう
)
もない。呂布の猛勇は尋常な者とはちがいます。滅多に
憐愍
(
れんびん
)
をかけてはなりません」
三国志:05 臣道の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お召しになる
巽丸
(
たつみまる
)
は、あれに着いておりますが、積荷よりは、お客様方のお越しのほうが、
滅相
(
めっそう
)
おはやく見えられましたので、船方衆にいいつけて、ただ今あわててお坐り場所を
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
滅相
(
めっそう
)
もない仰せ。いかでか私のような者が、そんな大事に当ることができましょう」
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
滅相
(
めっそう
)
もない。われらごときにあやかったら、
馬
(
うま
)
の
沓
(
くつ
)
を作らねばならぬぞ」
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「あっ、殿ッ。——
滅相
(
めっそう
)
もないっ。あなた様は」
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「いえ、
滅相
(
めっそう
)
もござりませぬ」
鳴門秘帖:04 船路の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「いいえ、
滅相
(
めっそう
)
もない事を」
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「め、
滅相
(
めっそう
)
もない仰せを」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「いいえ……
滅相
(
めっそう
)
もない」
柳生月影抄
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
滅相
(
めっそう
)
もないおことば」
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
滅相
(
めっそう
)
もないおことば」
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
『あっ!
滅相
(
めっそう
)
な……』
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「めっ、
滅相
(
めっそう
)
もない」
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
滅相
(
めっそう
)
もない」と
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
滅相
(
めっそう
)
もない!」
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
滅相
(
めっそう
)
もない」
茶漬三略
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“滅相”の意味
《名詞》
滅相(めっそう)
(仏教)四相の一つ。仏法が滅び現在から過去へ入る相。
《形容動詞》
とんでもない。
(出典:Wiktionary)
滅
常用漢字
中学
部首:⽔
13画
相
常用漢字
小3
部首:⽬
9画
“滅”で始まる語句
滅多
滅
滅入
滅法
滅茶滅茶
滅茶苦茶
滅亡
滅茶
滅茶々々
滅法界