)” の例文
〔評〕兵をして對抗たいかうし、互に勝敗しようはいあり。兵士或は負傷ふしやう者のじやうを爲す、故に之を診察しんさつす。兵士初め負傷者とならんことを惡む。
瑞仙は痘をすることの難きを説いて、「数百之弟子でし無能熟得之者よくじゅくとくせるものなし」といい、晋を賞して、「而汝能継我業しこうしてなんじよくわがぎょうをつぐ」といっている。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
世に、延喜えんぎ天暦てんりやくと申し上げるのであるが、この頃漸く萌したのは、藤原氏の横暴であつた。
二千六百年史抄 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
浪子の病すでに二月ふたつきに及びてはかばかしくせず、叔母の機嫌きげんのいよいよしきを聞きし四月の末、武男はあらず、執事の田崎も家用を帯びて旅行せしすきをうかがい
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
額に巠骨けいこつなく、眼に守睛しゅせいなく、鼻に梁柱りょうちゅうなく、また、脚に天根てんこんなく、腹に三じんなし。もし私が官吏になったら身を敗るのみです。かず、泰山にあって、鬼をすべし。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
やくといふは、たとへば骰子さいかどがあり、ますにはすみがあり、ひとには關節つぎふしはうには四すみのあるごとく、かぜはうよりけば弱く、すみよりふけば強く、やまひうちより起ればしやすく
に居てらんを忘れざるは長久の道、榮華の中に沒落を思ふも、たゞに重盛が杞憂のみにあらじ
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
異様な臭気しゅうきがした。驚いて二階へ上り、戸を開けた。団扇でパタパタそこらをあおった。医者を呼んだ。それで蝶子は助かった。新聞に出た。新聞記者はに居て乱を忘れなかったのだ。
夫婦善哉 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
それで胃病がせぬなら、それは既に活力が消耗してゐる證據で有るから致方は無いが、大抵の人は活力消耗して病癒ゆる能はざる場合に立つて居るのでは無くて、自己の生活状態を新にせぬが爲に
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
五百の眼病が荏苒じんぜんとしてせぬので、矢島周禎の外に安藤某をいて療せしめ、数月すうげつにして治することを得た。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
〔譯〕三軍和せずば、以てたゝかひを言ひがたし。百官和せずば、以てを言ひ難し。書に云ふ、いんを同じうしきようあは和衷わちゆうせよやと。唯だ一の和字、治亂ちらん一串いつくわんす。
矢作平やはぎだいらの水害をせられたり、莫大な私財を投じて、よろいふちを埋め立てて良田と化し、黄金堤おうごんづつみを築いて、渥美あつみ八千石の百姓を、凶作のうれいから救い、塩田のわざをおすすめあそばすなど、どれほど
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
太祖のを思うのりょも遠く、皇孫を愛するの情もあつしという可し。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
ふしより起ればしがたし。
姉安は柔和に過ぎて決断なく、その夫宗右衛門は早世した兄の家業をいでから、酒を飲んで遊んでいて、自分の産をすることをさえ忘れていたのである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
〔譯〕唐虞たうぐは只是れ情の一字なり。極めて之を言へば、萬物一體も情のすゐに外ならず。
いにしえから観るに、きわまれば乱を生じ、乱きわまるとき治に入ること、申すもおろかでありますが、現代はいかにというに、光武の治より今にいたるまで二百余年、平和をつづけて、近頃ようやく
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
第三にはを求むるはなはだ速やかなることの三条を言えり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
にいてらんを忘れず、の共感なのかもしれなかった。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)