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此儀
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このぎ
領主
予は
常に
足下をば
正しい
僧と
信じてをったわ。……ロミオの
僕は
何處にをる?
彼れは
此儀に
對して
何と
申すぞ?
彼者迷惑して、「つひに
獻立を
仕りたる
覺えござなく、
其道は
聊も
心得候はねば、
不調法に
候、
此儀は
何卒餘人に
御申下さるべし」と
困じたる
状なりけり。
持て我が
寢所へ來りし故
怪敷思ひ
片蔭に
隱れて
窺ひしに
夜着の上より我を
刺候樣子に付き
取押へて繩を
掛しなり
此儀公邊へ
訴へ此者を
吟味致さんと云ひけるを
嫌ひて幼年なれば今四五年も
相待べしと
止め候故
本意なくは思へども師匠の仰せ
默止難く是迄は
打過候なり此度こそ
幸ひに日頃の
宿願を
果すべき時なり何卒
此儀を
...
直々御訴訟は
恐れ
入り
候が、
此儀は
平に
御免下さるべく
候」と
辭退すれば、
老公、「
謙讓もものにぞよる、
君より
命ぜられたる
重荷をば、
辭して
荷はじとするは
忠にあらず、 ...
此儀相違あらば、ベンヺーリオーが
命を
召されませう。
然るべく存ずると申出たり一同
此儀然るべしと評議一
決しければ
急ぎ
此趣き和歌山
表へ
早飛脚を
老公重ねて、「これより
後は
汝等一同杢に
從ひ
渠が
言に
背くこと
勿れ、
此儀しかと
心得よ」と
思ひも
寄らぬ
命なれば、いづれも
心中には
不平ながら、
異議を
稱ふる
次第にあらねば