此儀このぎ)” の例文
領主 つね足下おぬしをばたゞしいそうしんじてをったわ。……ロミオのしもべ何處いずこにをる? れは此儀このぎたいしてなんまうすぞ?
彼者かのもの迷惑めいわくして、「つひに獻立こんだてつかまつりたるおぼえござなく、其道そのみちいさゝか心得候こゝろえさふらはねば、不調法ぶてうはふさふらふ此儀このぎ何卒なにとぞ餘人よじん御申下おんまをしくださるべし」とこうじたるさまなりけり。
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
持て我が寢所ねどころへ來りし故怪敷あやしくおも片蔭かたかげかくれてうかゝひしに夜着よぎの上より我をさし候樣子に付き取押とりおさへて繩をかけしなり此儀このぎ公邊おかみうつたへ此者を吟味ぎんみ致さんと云ひけるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
きらひて幼年なれば今四五年も相待あひまつべしととゞめ候故本意ほんいなくは思へども師匠の仰せ默止難もだしがたく是迄は打過うちすぎ候なり此度こそさいはひに日頃の宿願しゆくぐわんはたすべき時なり何卒此儀このぎ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
... 直々ぢき/\御訴訟ごそしようおそさふらふが、此儀このぎひら御免ごめんくださるべくさふらふ」と辭退じたいすれば、老公らうこう、「謙讓けんじやうもものにぞよる、きみよりめいぜられたる重荷おもにをば、してになはじとするはちうにあらず、 ...
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
此儀このぎ相違さうゐあらば、ベンヺーリオーがいのちされませう。
しかるべく存ずると申出たり一同此儀このぎしかるべしと評議一けつしければいそ此趣このおもむき和歌山おもて早飛脚はやびきやく
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
老公らうこうかさねて、「これよりのち汝等なんぢら一同いちどうもくしたがかれげんそむくことなかれ、此儀このぎしかと心得こゝろえよ」とおもひもらぬめいなれば、いづれも心中しんちうには不平ふへいながら、異議いぎとなふる次第しだいにあらねば
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)