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このぎ
持て我が
寢所へ來りし故
怪敷思ひ
片蔭に
隱れて
窺ひしに
夜着の上より我を
刺候樣子に付き
取押へて繩を
掛しなり
此儀公邊へ
訴へ此者を
吟味致さんと云ひけるを
嫌ひて幼年なれば今四五年も
相待べしと
止め候故
本意なくは思へども師匠の仰せ
默止難く是迄は
打過候なり此度こそ
幸ひに日頃の
宿願を
果すべき時なり何卒
此儀を
遣はし頼み入たるや
此義明白に
言上よと云るゝ故與惣次は奉行へ金十兩
其下役人へ十兩
贈りし段を