さかえ)” の例文
新字:
まだその頃は汝等のウッチェルラトイオもモンテマーロにまさらざりき——今そのさかえのまさるごとく、この後おとろへもまたまさらむ 一〇九—一一一
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
めんは人並外れに綺麗だつたところで、あれぢや長いさかえはありません。高慢で強情で、我儘で淫亂いんらんで、男の顏を見ると、ニタニタして精一杯の愛嬌を振りまくんですもの。
あのづるへんわが故國ここくでは今頃いまごろさだめて、都大路みやこおほぢ繁華はんくわなるところより、深山みやまをくそま伏屋ふせやいたるまで、家々いへ/\戸々こゝまる國旗こくきひるがへして、御國みくにさかえいわつてことであらう。
医学士大久保さかえ君が一昨年此処ここの病院で腸窒扶斯チブスで亡くなつたことや、此処ここで亡くなつた日本人の遺骨が数日ぜんペエル・ラセエズの墓の棚の上に置かれてあつたのを見たことやを聯想れんさうして
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
かみ使つかひであつたらう、このとりがないと、民子たみこをつとにもへず、看護みとり出來できず、つやがて大尉たいゐ昇進しようしんした少尉せうゐさかえることもならず、與曾平よそべい喜顏よろこびがほにも、再會さいくわいすることが出來できなかつたのである。
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
さかえの宮は今
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
まことに我は牝熊めぐまの仔なりき、わがうえには財寶たからをこゝには己をふくろに入るゝに至れるもたゞひたすら熊の仔等のさかえを希へるによりてなり 七〇—七二
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
劍舞けんぶするのもある。なか一團いちだん七八にん水兵等すいへいらは、なみ突出つきだされたるいそうへむつましくをなして、はるかに故國こゝくてんのぞみつゝ、ふしおもしろくきみ千代八千代ちよやちよさかえ謳歌おうかしてるのであつた。
あゝラチオびとさかえよ——汝によりて我等の言葉その力のきはみをあらはせり——あゝわが故郷ふるさと永遠とこしへの實よ 一六—一八
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
あゝ人力のさかえむなし、衰へる世の來るにあはずばそのいたゞきの縁いつまでか殘らむ 九一—九三
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)