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数奇
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すき
ふりがな文庫
“
数奇
(
すき
)” の例文
旧字:
數奇
十三絃
(
じゅうさんげん
)
を南部の
菖蒲形
(
しょうぶがた
)
に張って、
象牙
(
ぞうげ
)
に置いた
蒔絵
(
まきえ
)
の
舌
(
した
)
を
気高
(
けだか
)
しと思う
数奇
(
すき
)
も
有
(
も
)
たぬ。宗近君はただ漫然と
聴
(
き
)
いているばかりである。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
尤
(
もっと
)
もこの
界隈
(
かいわい
)
にはこう云う家も珍しくはなかった。が、「
玄鶴山房
(
げんかくさんぼう
)
」の額や塀越しに見える庭木などはどの家よりも
数奇
(
すき
)
を凝らしていた。
玄鶴山房
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
その時、寮のどこかに起こった怪火は、折りから暁の風になぶられて、みるみるうちに、
数奇
(
すき
)
をこらした建物をひとなめ……。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
手術
(
てわざ
)
が持ち前で好き
上手
(
じょうず
)
であるので、道楽半分、
数奇
(
すき
)
半分、
慾得
(
よくとく
)
ずくでなく、何か自分のこしらえたものをその時々の時候に応じ、場所に
適
(
は
)
めて
幕末維新懐古談:41 蘆の葉のおもちゃのはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
しかしながら、此のうら若い少女の細っそりとしたすがたをなすっていられる
菩薩像
(
ぼさつぞう
)
は、おもえば、ずいぶん
数奇
(
すき
)
なる運命をもたれたもうたものだ。
大和路・信濃路
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
▼ もっと見る
裏庭などは
数奇
(
すき
)
を凝らした一流の料亭のそれのようであり、屋敷の周囲には土塀さえ巡らし、所の名主甚兵衛様より、屋敷は立派だと云われていた。
剣侠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
平家づくりで、
数奇
(
すき
)
な
亭構
(
ちんがま
)
えで、
筧
(
かけひ
)
の流れ、吹上げの清水、藤棚などを景色に、四つ五つ構えてあって、通いは庭下駄で、おも屋から、その方は、山の根に。
古狢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ずつと晩年は
数奇
(
すき
)
者が依頼する秋成自著の中でも有名な雨月などの
謄写
(
とうしゃ
)
をしてその報酬で
乏
(
とぼ
)
しく暮して居た。
上田秋成の晩年
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
京
(
きょう
)
の
銀閣寺
(
ぎんかくじ
)
、
金閣寺
(
きんかくじ
)
の
庭園
(
ていえん
)
も
数奇
(
すき
)
の
限
(
かぎ
)
りを
尽
(
つく
)
した、
大
(
たい
)
そう
贅沢
(
ぜいたく
)
なものとかねてきき
及
(
およ
)
んで
居
(
お
)
りますので、
或
(
あ
)
る
時
(
とき
)
私
(
わたくし
)
はこちらからのぞいて
見
(
み
)
たことがございますが
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
数奇
(
すき
)
を凝らした尾彦楼の寮でさえも、
鳥渡見
(
ちょっとみ
)
だけだと、何処からか花鋏の音でも聴えて来そうであって……、如何さま富有な植木屋が朝顔作りとしか、思われない。
絶景万国博覧会
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
東山義政
(
ひがしやまよしまさ
)
の
数奇
(
すき
)
と風雅をこらした
苑
(
にわ
)
があった。
紫陽花
(
あじさい
)
色の夕闇に、灯に濡れた
苔
(
こけ
)
の露が光っていた。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
麓
(
ふもと
)
にも、芝生の上にも、泉水の
畔
(
ほと
)
りにも、
数奇
(
すき
)
を凝らした
四阿
(
あずまや
)
の中にも、モーニングやフロックを着た紳士や、華美な
裾
(
すそ
)
模様を着た夫人や令嬢が、
三々伍々
(
さんさんごご
)
打ち
集
(
つど
)
うているのだった。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
其れに湖は
未
(
ま
)
だ凍らずに
好
(
い
)
い
御納戸
(
おなんど
)
色を
湛
(
たゝ
)
へ、
最
(
も
)
う
遊客
(
いうかく
)
の帰つて
仕舞
(
しま
)
つた湖畔の別荘やホテルがいろいろに
数奇
(
すき
)
を凝らした美しい建築を静かに湖水に映して居たのは目も
覚
(
さ
)
める心地がした。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
さういふ時は草の上や、又は
数奇
(
すき
)
を凝した休憩所で辨当を食べて帰る。帰り道に馬車をゆるゆる
輓
(
ひ
)
かせて通ると、道の両側から、鳩の群に取り巻かれた、
牧場
(
まきば
)
帰りの男や女が礼をするのである。
クサンチス
(新字旧仮名)
/
アルベール・サマン
(著)
小さいながら
数奇
(
すき
)
を凝らした屋敷に住むようになっていたそうです
二重心臓
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
彼女は、かずかずの
数奇
(
すき
)
な運命に娘心を打たれたというふうで
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
よろづ
数奇
(
すき
)
を備へて粋士の住家とは
何人
(
なにびと
)
も見誤らぬべし。
秋窓雑記
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
食ってるのは情ない訳だ、君が特別に
数奇
(
すき
)
なものが無いから困難なんだよ。二個以上の物体を同等の程度で
好悪
(
こうお
)
するときは決断力の上に遅鈍なる影響を与えるのが原則だ
琴のそら音
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
スタスタと門をくぐって、
数奇
(
すき
)
をきわめた植えこみのあいだを、奥のほうへ——。
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「ああ僕のように忙がしいと文学などは
到底
(
とうてい
)
駄目さ。それに以前からあまり
数奇
(
すき
)
でない方だから」
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“数奇”の意味
《名詞:すうき》
数奇(すうき)
不運なこと。
《名詞:すき》
数奇(すき)
趣味や嗜好を極めること。一般に茶の湯、能楽等を指す。
(出典:Wiktionary)
“数奇(
数寄者
)”の解説
数寄者(すきしゃ)は、芸道に執心な人物の俗称。「数奇者」(すきもの)と書く場合もある。
現代では、本業とは別に茶の湯に熱心な人物、特に名物級の茶道具を所有する人物として用いられる。
(出典:Wikipedia)
数
常用漢字
小2
部首:⽁
13画
奇
常用漢字
中学
部首:⼤
8画
“数奇”で始まる語句
数奇者
数奇屋河岸
数奇不可思議