散亂さんらん)” の例文
新字:散乱
彼等かれら幾夜いくよをどつて不用ふようしたときには、それが彼等かれらあるいたみちはたほこりまみれながらいたところ抛棄はうきせられて散亂さんらんしてるのをるのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
なにたかとひながらも、を四はうくばつてると、掘出ほりだしたかひは、一々いち/\ふるひふるつて、かひかひだけとして、やまごとんである。破片はへん其所此所そこここ散亂さんらんしてる。むね土器々々どき/\である。
ところが大森驛おほもりえき附近ふきんにおいて線路せんろうへしろ貝殼かひがらおほ散亂さんらんしてゐるのをつけまして、これはきっと石器時代せつきじだい貝塚かひづかがあるのにちがいないとおもひ、それからもなくこの大森おほもり發掘はつくつかけました。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
息のほてりや、汗のほけ、烟となつて散亂さんらん
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
しろけて其處そこぢうおびたゞしく散亂さんらんした。煙管きせるとりからさらつよ戸口とぐちしきゐつてにはつちとまつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
田畑たはた表面ひようめん石器せつき土器どき散亂さんらんしてゐるところがあります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
疾風しつぷうかなら落葉おちば散亂さんらんせしめて、とほえながらはしるにしても、片々へんぺんたる落葉おちばひろ區域くゐきことごとおもかげをもとゞめないで消滅せうめつしてしまはねばらぬのであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)