トップ
>
拍手
>
かしわで
ふりがな文庫
“
拍手
(
かしわで
)” の例文
お
宮
(
みや
)
というものは、あれはただお
賽銭
(
さいせん
)
を
上
(
あげ
)
げて、
拍手
(
かしわで
)
を
打
(
う
)
って、
首
(
かうべ
)
を
下
(
さ
)
げて
引
(
ひ
)
きさがる
為
(
た
)
めに
出来
(
でき
)
ている
飾物
(
かざりもの
)
ではないようでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
こうした蔭口を、時には
故意
(
わざ
)
と聞えよがしに云うのを耳にしながら、平然として告別式に列席し、納骨式に
拍手
(
かしわで
)
を
拍
(
う
)
って
祝詞
(
のりと
)
を
捧
(
あ
)
げる彼だ。
むかでの跫音
(新字新仮名)
/
大倉燁子
(著)
かつて自分の手で
拍手
(
かしわで
)
を打ったことも、自分の足を寺内へ踏みこませたこともないという徹底した無信心で、そのためにも評判を悪くした。
無月物語
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
その部屋に神棚はなかったから、安物の布袋様の軸のかかっている床の間へ、とりあえず供えて、ポンポンと
拍手
(
かしわで
)
を打った。
寄席
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
朝陽
(
あさひ
)
は土いちめんにこぼれている。すたすたと本丸の奥の丘へ上ってゆく。
一叢
(
ひとむら
)
の林のなかに、古い神社がある。ほがらかな
拍手
(
かしわで
)
の音が
谺
(
こだま
)
する。
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
旦那は立上ってうやうやしく神前に額ずき、ぱんぱんと
拍手
(
かしわで
)
をうって大漁の祈願をこめた。漁夫たちもそれにならった。
鰊漁場
(新字新仮名)
/
島木健作
(著)
神さびた境内にたたずんで、夜山をかけた参詣の道者が、神前に額ずいての
拍手
(
かしわで
)
を聞きながら、「日本の山には、名工の建築があるからいいなあ」
不尽の高根
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
甚しきに至つては出発に先立つて先祖の位牌にぬかづき神前に
拍手
(
かしわで
)
打ちならして戦勝を祈願しお守を腹巻に縫ひこんで女房よ笑顔で送れなどと言ふ。
総理大臣が貰つた手紙の話
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
目ばかり光って、
碧額
(
へきがく
)
の
金字
(
こんじ
)
を仰いだと思うと、
拍手
(
かしわで
)
のかわりに——片手は利かない——
痩
(
や
)
せた胸を三度打った。
貝の穴に河童の居る事
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
暫くすると多くもない
見物
(
けんぶつ
)
が皆出て行ってしまって、僕一人になった。それでも辛抱して立っていますとね。首なし男が、ポンポンと
拍手
(
かしわで
)
を打ったのです。
陰獣
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
つと擦れ違うと社前へ行き、
拍手
(
かしわで
)
をポンポンと拍ったものである。八重梅何気なく振り返って見た。と、どうしたのかその娘、ニッと笑うと小手招きをした。
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
拍手
(
かしわで
)
を打つてをがんで、
退
(
ど
)
いてもらつてから、水へおりるんだつて。そんな氣味の惡い顏、見ててくれる?
夏の夜
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
自分も縁側へ出て新しく水を入れた
手水鉢
(
ちょうずばち
)
で手洗い口すすいで霊前にぬかずき、わが名を申上げて
拍手
(
かしわで
)
を打つと花瓶の
檜扇
(
ひおうぎ
)
の花びらが落ちて葡萄の上にとまった。
祭
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
六十前後の老衰した神官が
拍手
(
かしわで
)
を打って、「下田安子の
命
(
みこと
)
が千代の住家と云々」と祭詞を読んだ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
拍手
(
かしわで
)
の音清く響かし一切成就の
祓
(
はらい
)
を終るここの
光景
(
さま
)
には引きかえて、源太が家の
物淋
(
ものさび
)
しさ。
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
それから静かに鈴をふり、
拍手
(
かしわで
)
をして、つつましく頭をたれた。その瞬間、どうしたわけか、ふと、はっきり彼の眼に浮かんで来た人の顔があった。それは宝鏡先生の顔だった。
次郎物語:03 第三部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
ここに百両あります、これをもとでに千両かせいでごらんなさい、と差し出せば、またひとりの顔役は、もっともらしい顔をして桝を
神棚
(
かみだな
)
にあげ、ぱんぱんと
拍手
(
かしわで
)
を打ち、えびす大黒にお願い申す
新釈諸国噺
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
社家へ声をかけると、守人も来て、神前に
菅莚
(
すがむしろ
)
を
展
(
の
)
べ、
母子
(
おやこ
)
の坐った端へ、自分も共に坐って、
拍手
(
かしわで
)
をうち鳴らした。
剣の四君子:03 林崎甚助
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
雨続きだし、石段が
辷
(
すべ
)
るだの、お前さんたち、蛇が
可恐
(
こわ
)
いのといって、失礼した。——今夜も心ばかりお鳥居の下まで行った——毎朝
拍手
(
かしわで
)
は打つが、まだお山へ上らぬ。
貝の穴に河童の居る事
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
泰文はでたらめな
箴言
(
しんげん
)
に勿体をつけるつもりか、
拍手
(
かしわで
)
をうって花世の
女陰
(
ほと
)
を拝んだり、
御幣
(
ごへい
)
で腹を撫でたり、たわけのかぎりをつくしていたが、おいおい夏がかってくると
無月物語
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
素朴な社殿にいくつかの
拍手
(
かしわで
)
を打ちならしたが、忽然と身を躍らすと目には見えない輪型の中へ跳び込んで、出鱈目千万な踊りを手を振り足を跳ね、泳ぐが如くに活躍して
黒谷村
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
毎日毎日
拍手
(
かしわで
)
を打って、神様を拝んで何んになるだよ、神様がご褒美をくれもしめえ、亭主のお前に遊んでいられて、どうして
生活
(
くらし
)
が立って行くかよ、道人様は偉かろうが
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
田圃道
(
たんぼみち
)
を東の方へ人の足音がした。やがてパチ/\と
拍手
(
かしわで
)
の音が
闇
(
やみ
)
に響く。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
よく響く
拍手
(
かしわで
)
で、今日様を礼拝して、今年十二歳の、学校行きの姉娘が、まだ台所でごてごてしている時分に、格二郎は、古女房の作ってくれた弁当箱をさげて、いそいそと木馬館へ出勤する。
木馬は廻る
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
何か小さな神社が
祀
(
まつ
)
ってある。そこにひざまずいて
拍手
(
かしわで
)
を打ち、朝礼を行う事は、彼の日課であった。次には、仏間に入って、先祖への朝の挨拶を営む。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一方にマルクスレーニン筋金入りの集団発狂あれば、一方に皇居前で
拍手
(
かしわで
)
をうつ集団発狂あり、左右から集団発狂にはさまれては、もはや日本は助からないという感じであった。
安吾の新日本地理:01 安吾・伊勢神宮にゆく
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
かつて自分の手で
拍手
(
かしわで
)
を打ったことも、自分の足を、寺内へ踏みこませたこともないという、徹底した無信心でおしとおしていたが、そのくせ侮辱にたいしてはおそろしく敏感で
無月物語
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
階
(
きざはし
)
を昇って
跪
(
ひざまず
)
いた時、言い知らぬ神霊に、
引緊
(
ひきしま
)
った身の、
拍手
(
かしわで
)
も堅く
附着
(
くッつい
)
たのが、このところまで
退出
(
まかんで
)
て、やっと
掌
(
たなそこ
)
の開くを覚えながら、岸に、そのお珊の
彳
(
たたず
)
んだのを見たのであった。
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
馬沓は、街道に向っている鳥居前の木に
括
(
くく
)
しつけ、
拍手
(
かしわで
)
を打って、一同はすぐ元の河原の
莚
(
むしろ
)
へ帰って来た。
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
納め手拭を
御手洗
(
みたらし
)
の柱へかけて、
社
(
やしろ
)
へちょっと
拍手
(
かしわで
)
をうち、茶屋の婆へ愛想よく声をかけてから、崖っぷちへ行って、雪晴れの空の下にクッキリと浮き出した筑波山の方を眺めていた……。
平賀源内捕物帳:萩寺の女
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
お蔦 (
拍手
(
かしわで
)
うつ。)
湯島の境内
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
禰宜
(
ねぎ
)
(神職)の振る鈴の
音
(
ね
)
、かすかな
燎火
(
にわび
)
、そして
拍手
(
かしわで
)
のひびきなど、遠くの兵たちにも
淡
(
あわ
)
くわかった。
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
馬鹿が
拍手
(
かしわで
)
を
拍
(
う
)
った。
茸の舞姫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その手で、伊織は、
拍手
(
かしわで
)
を打った。そして
俯
(
ふ
)
し拝みながら、心のなかで、じっと
宮本武蔵:07 二天の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして朝は、太陽へ
拍手
(
かしわで
)
を鳴らして拝む。
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
拍手
(
かしわで
)
を高く打って、願文を読んだ。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“拍手”の意味
《名詞》
拍 手(はくしゅ)
開いた手のひらをうちならすこと。賛成や賞賛などの意思表示や、神拝の際に行う。
(出典:Wiktionary)
“拍手”の解説
拍手(はくしゅ)は、興行等において感動を表現するため両手で叩くこと。
(出典:Wikipedia)
拍
常用漢字
中学
部首:⼿
8画
手
常用漢字
小1
部首:⼿
4画
“拍手”で始まる語句
拍手喝采