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折節
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おりふし
ふりがな文庫
“
折節
(
おりふし
)” の例文
もう来そうなものだと待ち兼ねている光景で、
折節
(
おりふし
)
飯時分になった、それにつけて来るのが遅いことである、ということである。
俳句はかく解しかく味う
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
久さんのおかみは、
詫
(
わ
)
び心に婆さん宅の
竈
(
へっつい
)
の下など
焚
(
た
)
きながら、喧嘩の
折節
(
おりふし
)
近くに居合わせながら
看過
(
みすぐ
)
した隣村の甲乙を思うさま罵って居た。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
折節
(
おりふし
)
年末の
煤払
(
すすはら
)
いして屋根裏を改めると、
棟木
(
むなぎ
)
の間より
杉原紙
(
すぎはらがみ
)
の一包みを捜し出し、見るにかの年玉金なり。全く鼠が盗み隠したと分ったとあり。
十二支考:11 鼠に関する民俗と信念
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
これは、これまで幾度か同志に示したはずであるが、
折節
(
おりふし
)
列席のない方もあったから、再び申し告げることにする。つまり、部署についてのことだ。
『七面鳥』と『忘れ褌』
(新字新仮名)
/
佐藤垢石
(著)
旧幕府の末年に神田
孝平
(
たかひら
)
氏が府下本郷通を散歩の
折節
(
おりふし
)
、
偶
(
たまた
)
ま聖堂裏の露店に最と古びたる写本のあるを認め、手に取りて見れば
紛
(
まぎ
)
れもなき蘭学事始にして
蘭学事始再版之序
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
▼ もっと見る
折節
(
おりふし
)
千々岩は不在なりしを同僚の
某
(
なにがし
)
何心なく見るに、高利貸の名高き
何某
(
なにがし
)
の貸し金督促状にして、しかのみならずその金額要件は特に朱書してありしという。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
それは震災
前
(
ぜん
)
新橋の芸者家に出入していたと云う車夫が今は一見して人殺しでもしたことのありそうな、人相と
風体
(
ふうてい
)
の悪い
破落戸
(
ならずもの
)
になって、
折節
(
おりふし
)
尾張町辺を
徘徊
(
はいかい
)
し
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
即ち十月一日より隔時観測を始めたり、
折節
(
おりふし
)
天候不穏の
兆
(
ちょう
)
ありしを以て、翌日剛力ら一同を下山せしめしため、予はいよいよ俊寛も
宜
(
よろ
)
しくという境遇となり、全く孤独の身となれり
寒中滞岳記:(十月一日より十二月廿一日に至る八十二日間)
(新字新仮名)
/
野中至
(著)
おせんも
年頃
(
としごろ
)
、
好
(
す
)
きなお
客
(
きゃく
)
の
一人
(
ひとり
)
くらいはあろうかと、
折節
(
おりふし
)
のお
母
(
っか
)
さんの
心配
(
しんぱい
)
も、あたしの
耳
(
みみ
)
には
上
(
うわ
)
の
空
(
そら
)
。
火
(
ひ
)
あぶりで
死
(
し
)
んだお七が
羨
(
うらや
)
ましいと、あたしゃいつも、
思
(
おもい
)
い
続
(
つづ
)
けてまいりました。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
今年九十三歳になって中風の気味で郷里福岡の
片傍
(
かたほと
)
りの伯父の家に寝ているのであるが、これをこの間久方振りに帰郷した時見舞いに行って見ると、
折節
(
おりふし
)
伯父伯母は下女を残して外出の留守で
謡曲黒白談
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
遠州秋葉の山奥などには、山男と云ふものありて
折節
(
おりふし
)
出づることあり。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
老「左様さ、獣も
折節
(
おりふし
)
来ますが、第一泥坊が多いので困るでがす」
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
それを
折節
(
おりふし
)
鳴って来た鐘が人に警告を与えて、あの時雨の音を聞きもらすまいぞよ、とそう言ったものとも取れぬことはない。
俳句はかく解しかく味う
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
折節
(
おりふし
)
一群の顧客噂に高い奇畜を見に来り、ダヴッド大恐悦の余り何の気も付かず欄辺に案内し、皆さんこれまでこんな活き物を御覧にならないでしょうというと
十二支考:10 猪に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
始終
(
しじゅう
)
居合刀を所持して、大阪の藩の倉屋敷に居るとき、又緒方の塾でも、
折節
(
おりふし
)
はドタバタ
遣
(
やっ
)
て居ました。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
二枚書けば
忽
(
たちまち
)
筆渋りて
癇癪
(
かんしゃく
)
ばかり起り申候間まづ/\当分は
養痾
(
ようあ
)
に事寄せ何も書かぬ覚悟にて唯
折節
(
おりふし
)
若き頃
読耽
(
よみふけ
)
りたる
書冊
(
しょさつ
)
埒
(
らち
)
もなく読返して
僅
(
わずか
)
に
無聊
(
ぶりょう
)
を慰めをり候次第に御座候。
雨瀟瀟
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
折節
(
おりふし
)
地震がゆった、その地震もそう烈しい地震ではなかった、野沢の水は春になって一面に
充
(
み
)
ち溢れているというのである。
俳句はかく解しかく味う
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
その時の
有様
(
ありさま
)
を申せば、江戸に居た書生が
折節
(
おりふし
)
大阪に来て学ぶ者はあったけれども、大阪から
態々
(
わざわざ
)
江戸に学びに行くと云うものはない。行けば
則
(
すなわ
)
ち教えると云う方であった。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
折節
(
おりふし
)
に聞く
浄瑠璃
(
じょうるり
)
の
一節
(
ひとふし
)
にも
人事
(
ひとごと
)
ならぬ暗涙を催す事が度々であった。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
日名子
(
ひなこ
)
氏が案内にたって大分市の元町にある
磨崖
(
まがい
)
の石仏を見に行くことになった。
折節
(
おりふし
)
同宿している五十嵐
播水
(
ばんすい
)
君も共に。
別府温泉
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
所でメールアイランドと云う処は町でないものですから、
折節
(
おりふし
)
今日は
桑港
(
サンフランシスコ
)
に来いと
云
(
いっ
)
て誘う。
夫
(
そ
)
れから船に
乗
(
のっ
)
て行くと、ホテルに案内して饗応すると云うような事が毎度ある。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
旧幕府の末年に神田孝平氏が府下本郷通を散歩の
折節
(
おりふし
)
、
偶
(
たまた
)
ま聖堂裏の露店に
最
(
い
)
と古びたる写本のあるを認め、手に取りて見れば
紛
(
まぎ
)
れもなき蘭学事始にして、
然
(
し
)
かも
鷧斎
(
いさい
)
先生の親筆に係り
蘭学事始再版序
(新字旧仮名)
/
福沢諭吉
(著)
折節
(
おりふし
)
ロンドンの
子女
(
しじょ
)
は春のさかりの
梨
(
なし
)
の花や日本から移された桜の花の咲いておる中に三々五々歩を運んでおりましたが、その光景が日本の花の盛りに見る感じとはどことなく違っておりました。
俳句への道
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
折
常用漢字
小4
部首:⼿
7画
節
常用漢字
小4
部首:⽵
13画
“折”で始まる語句
折
折角
折檻
折々
折柄
折敷
折鞄
折助
折悪
折曲