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恐縮
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きょうしゅく
ふりがな文庫
“
恐縮
(
きょうしゅく
)” の例文
山男は、大へん
恐縮
(
きょうしゅく
)
したように、頭をかいて立って
居
(
お
)
りました。みんなはてんでに、自分の農具を取って、森を出て行こうとしました。
狼森と笊森、盗森
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「
先生
(
せんせい
)
のおっしゃることを、よく
聞
(
き
)
いて、
頭
(
あたま
)
に
入
(
い
)
れなければならぬと、
家
(
うち
)
ではいいきかせているのですが。」と、
母親
(
ははおや
)
は、
恐縮
(
きょうしゅく
)
しました。
天女とお化け
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
小初のきつい眼から
涙
(
なみだ
)
が二三
滴
(
てき
)
落ちた。貝原は身の置場所もなく
恐縮
(
きょうしゅく
)
した。小初は涙を拭いた。そして今度はすこし優しい声音で云った。
渾沌未分
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
房枝は、道子夫人に、あずかっていた
草履
(
ぞうり
)
の片っ方をかえした。夫人は、たいへん
恐縮
(
きょうしゅく
)
していたが、結局よろこんで、それをもらいうけた。
爆薬の花籠
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「関東のしめしを
統
(
す
)
べる管領たるわたくしに、その力がなく、四隣御多事のなかを、遠く御援軍を仰ぎ、
恐縮
(
きょうしゅく
)
にたえませぬ」
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
喧嘩
(
けんか
)
なら
相撲取
(
すもうとり
)
とでもやってみせるが、こんな
大僧
(
おおぞう
)
を四十人も前へ
並
(
なら
)
べて、ただ一
枚
(
まい
)
の舌をたたいて
恐縮
(
きょうしゅく
)
させる手際はない。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
こちとらのような駈出しは、口を利くせえかっちけねえ——という意で、心得たもの、固くなって
恐縮
(
きょうしゅく
)
している。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
そして、みんなが
居
(
い
)
ずまいを正し、
恐縮
(
きょうしゅく
)
しているような顔を、にこにこしながら見まわしたあと、すぐ室を出た。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
恐縮
(
きょうしゅく
)
ながらこれだけは申上げておきます——もしあなたが、この上また宅へお見え下さるようなことがあったら、わたしはあなたを窓からほうり出しますよ。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
家来で毎晩ここにいならぶのは正三君ただ一人、光栄とも
恐縮
(
きょうしゅく
)
とも考えているところである。お殿様はこの機会を利用してお子様がたと親しくお語らいになる。
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「何とお詫びしてええやら」すらすら彼は言葉が出て、種吉とお辰はすこぶる
恐縮
(
きょうしゅく
)
した。
夫婦善哉
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
ぼくにはよく解らないながら、川北氏の一言一句はネルチンスキイの
肺腑
(
はいふ
)
に
染
(
し
)
み
渡
(
わた
)
るとみえ、彼はいかにも
恐縮
(
きょうしゅく
)
した様子で、「I'm sorry.」を
繰返
(
くりかえ
)
しては
頷
(
うなず
)
いていました。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
今日はわざわざ御遠路のところをお運びくださいまして……(ええと?)じつは……その誠に
恐縮
(
きょうしゅく
)
なことで……そのじつは父が四五日前から止むを得ない自分自身(オッといけねエ)……ええ
地球儀
(新字新仮名)
/
牧野信一
(著)
こんな
複雑
(
こみい
)
った
事柄
(
ことがら
)
を、
私
(
わたくし
)
の
拙
(
つたな
)
い
言葉
(
ことば
)
でできる
丈
(
だけ
)
簡単
(
かんたん
)
にかいつまんで
申上
(
もうしあ
)
げましたので、さぞお
判
(
わか
)
りにくい
事
(
こと
)
であろうかと
恐縮
(
きょうしゅく
)
して
居
(
い
)
る
次第
(
しだい
)
でございますが、わたくしの
言葉
(
ことば
)
の
足
(
た
)
りないところは
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
今日
止
(
や
)
むを得ません主命で、主人も少々現金の必要に迫られましたものですから止むを得ず期限通りにお願い致しまする次第で、何の
御猶予
(
ごゆうよ
)
も致しませんで、誠に
恐縮
(
きょうしゅく
)
致しておる次第でござります。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
「僕の御馳走が、お気に召して
恐縮
(
きょうしゅく
)
だ」大蘆原軍医は、ウィスキーをつぎこんでも、一向赤くならない顔をあげていった。
恐しき通夜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「
今日
(
きょう
)
にも、
持
(
も
)
って
上
(
あ
)
がろうと
思
(
おも
)
っていたのでございます。たびたびお
出
(
で
)
かけを
願
(
ねが
)
って、まことに
恐縮
(
きょうしゅく
)
の
至
(
いた
)
りにぞんじます。」と、
主人
(
しゅじん
)
はいいました。
殿さまの茶わん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「いやこんにちは。お
招
(
まね
)
きにあずかりまして大へん
恐縮
(
きょうしゅく
)
です。」と云いました。みんなは山男があんまり
紳士風
(
しんしふう
)
で
立派
(
りっぱ
)
なのですっかり
愕
(
おど
)
ろいてしまいました。
紫紺染について
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
と、いかにも
恐縮
(
きょうしゅく
)
したようにいうと、荒田老は、黒眼鏡の顔をとぼけたようにそのほうに向けて答えた。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
挨拶
(
あいさつ
)
をするとへえと
恐縮
(
きょうしゅく
)
して頭を下げるから気の毒になる。学校へ出てうらなり君ほど大人しい人は居ない。めったに笑った事もないが、余計な口をきいた事もない。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「どういたしまして、この上そんなご
配慮
(
はいりょ
)
をわずらわせ申し上げてはますます
恐縮
(
きょうしゅく
)
でございます」
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
哄笑
(
こうしょう
)
を揺すりあげながら、言い合わしたように、皆じろりと小気味よさそうな一
瞥
(
べつ
)
を
末座
(
まつざ
)
へ投げると、いよいよ小さくなった神尾喬之助は、
恐縮
(
きょうしゅく
)
のあまり、今にも消え入りそうに
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
例によって子供たちの学資補助を仰いで
恐縮
(
きょうしゅく
)
であるという礼状が金五十円也という仮領収証と共に入っていた。
麻雀殺人事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「いいえ、けっして、お
光
(
みっ
)
ちゃんをしからんでください。
自分
(
じぶん
)
に、わけが
思
(
おも
)
い
出
(
だ
)
せないから、おききしたのです。」と、おばあさんも、とがめるつもりで、いったのでないと、
恐縮
(
きょうしゅく
)
しました。
お姉ちゃんといわれて
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「お早々と
恐縮
(
きょうしゅく
)
です。さあ、どうぞこちらへ」
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
牛丸はおだやかな小竹さんの態度にますます
恐縮
(
きょうしゅく
)
して、彼もまた一生けんめいになって破片を拾った。
少年探偵長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
監督
(
かんとく
)
は
恐縮
(
きょうしゅく
)
して、いまあった
事実
(
じじつ
)
を
答
(
こた
)
えました。
白い影
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
はっ、これは
恐縮
(
きょうしゅく
)
。で、その秘術は、かようでございます。只今申した極秘の電波を人造人間隊にかけますと、その人造人間隊は、たちまちソノー、主席はフットボールを
人造人間戦車の機密:――金博士シリーズ・2――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「いや、どうも。僕の方こそ、タクマ君にたいへん厄介をかけていまして、
恐縮
(
きょうしゅく
)
です」
海底都市
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「申訳がありませんです」栗原は、ひどく
恐縮
(
きょうしゅく
)
している
態
(
てい
)
で、ペコペコ頭を下げた。
夜泣き鉄骨
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
と、道子夫人は、つつましく、
恐縮
(
きょうしゅく
)
して、房枝の好意を辞退した。
爆薬の花籠
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「
仰有
(
おっしゃ
)
る通りです」と丘助手は
恐縮
(
きょうしゅく
)
した。
キド効果
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
と老人は
恐縮
(
きょうしゅく
)
した。
疑問の金塊
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
恐
常用漢字
中学
部首:⼼
10画
縮
常用漢字
小6
部首:⽷
17画
“恐縮”で始まる語句
恐縮千萬
恐縮至極