席上せきじやう)” の例文
成程なるほどいてれば、わたくしおもあたふしいでもない。また、海賊船かいぞくせん海蛇丸かいだまる一條いちじやうについては、席上せきじやういろ/\なはなしがあつた。
ごろでは不廉ふれんさけ容易ようい席上せきじやうへははこばれなくつてたのでしたがつて他人たにんつたのでもみなひかにするやうつてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
広津ひろつと知つたのは、廿にぢう一年の春であつたか、少年園せうねんゑん宴会ゑんくわい不忍池しのばず長酡亭ちやうだていつて、席上せきじやう相識ちかづきつたのでした、其頃そのころ博文館はくぶんくわん大和錦やまとにしきふ小説雑誌を出して
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
宗助そうすけくるまなかそのひと名前なまへ番地ばんち手帳てちやうめた。さうしてつぎ同僚どうれう手紙てがみつてわざ/\まはみちをして訪問はうもん出掛でかけた。宗助そうすけふところにした書状しよじやうそのをり席上せきじやうしたゝめてもらつたものであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
先日こなひだ横山大観氏が席上せきじやう揮毫きがうで、画絹ゑきぬ書損かきそこなひをどつさりこしらへて、神戸の富豪ものもちの胆を潰させた事を書いたが、人間の胆といふものは、大地震おほぢしん大海嘯おほつなみの前には平気でゐて、かへつて女の一寸したくさみ
婚姻こんいん席上せきじやうではさけあとにはながつながるやうといふ縁起えんぎいはうて、ひとつには膳部ぜんぶ簡單かんたんなのとで饂飩うどんもてなすのである。蕎麥そばみじかれるとて何處どこでもいとうた。どんな婚姻こんいんでもそれをわかしゆもらひにく。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)