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川原
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かわら
ふりがな文庫
“
川原
(
かわら
)” の例文
かれは、それに
喜
(
よろこ
)
びを
感
(
かん
)
じながらも、ここへは、いつまたこられるだろうかと
思
(
おも
)
うと、なんとなく、
川原
(
かわら
)
にわかれるのが、おしまれたのでした。
雲のわくころ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
『
拾玉
(
しゅうぎょく
)
集』に「すごきかな、
加茂
(
かも
)
の
川原
(
かわら
)
の河風にみのげ乱れて
鷺
(
さぎ
)
立
(
たて
)
るめり」。
為家
(
ためいえ
)
の歌に「ゐる鷺のおのが蓑毛も片よりに、岸の柳を春風ぞふく」
蓑のこと
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
都会ではぎっしり詰まった満員電車の乗客でも
川原
(
かわら
)
の石ころどうしのように黙ってめいめいが自分の事を考えている。
田園雑感
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
そのとき、背の皇子のあまりに歎かせらるる有様を見て……あれはその……なんと言つたかな……さう、
川原
(
かわら
)
ノ
史
(
ふひと
)
・
満
(
まろ
)
……その満が奉つた歌だつた。
春泥:『白鳳』第一部
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
二杯たべて出がけにもう一本
正宗
(
まさむね
)
の
罎
(
びん
)
を
熱燗
(
あつかん
)
につけさせたのを手に
提
(
さ
)
げながら饂飩屋の亭主がおしえてくれた渡し場へ出る道というのを
川原
(
かわら
)
の方へ下って行った。
蘆刈
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
▼ もっと見る
一方には
安
(
やす
)
の
川原
(
かわら
)
、
天
(
あめ
)
の
長田
(
おさだ
)
という類の、地名らしきものも生まれているが、こちらは山か空か、どの辺にあるのかも考えられず、そうしてまた語義も明らかでない。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
やぶの中のおじいさんのそばにお
墓
(
はか
)
があるよ。
川原
(
かわら
)
から、おとうさんが、このくらいのまるい石をひろってきて立ててある、それがアキコのお墓さ、まだ子どもだもんね。
うた時計
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
そして
家
(
うち
)
には帰らず、直ぐ
田甫
(
たんぼ
)
へ出た。止めようと思うても涙が止まらない。
口惜
(
くやし
)
いやら情けないやら、前後夢中で川の岸まで走って、
川原
(
かわら
)
の草の中に
打倒
(
ぶったお
)
れてしまった。
画の悲み
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
徳川家康のエライところはたくさんありますけれども、諸君のご承知のとおり彼が子供のときに
川原
(
かわら
)
へ行ってみたところが、子供の二群が
戦
(
いくさ
)
をしておった、
石撃
(
いしぶち
)
をしておった。
後世への最大遺物
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
媛
(
ひめ
)
のおうちは、
狹井川
(
さいがわ
)
という川のそばにありました。そこの
川原
(
かわら
)
には、やまゆりがどっさり咲いていました。天皇は、媛のおうちへいらしって、ひと晩とまってお帰りになりました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
其の頃は開けませんから、湯場も鶴の湯と
川原
(
かわら
)
の湯と二ヶ所で、宿屋もあります。
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
浅間
(
せんげん
)
の
社
(
やしろ
)
で、
釜
(
かま
)
で甘酒を売る茶店へ休んだ時、鳩と
一所
(
いっしょ
)
に
日南
(
ひなた
)
ぼっこをする婆さんに、
阿部川
(
あべかわ
)
の
川原
(
かわら
)
で、桜の頃は土地の人が、毛氈に
重詰
(
じゅうづめ
)
もので、花の
酒宴
(
さかもり
)
をする、と言うのを聞いた。
雛がたり
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
誰も居ない
川原
(
かわら
)
です。種々と妻を詰問しましたが、
如何
(
どう
)
しても実を
吐
(
は
)
きません。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
晩
(
ばん
)
になると、えのきの
木
(
き
)
の
下
(
した
)
に、
縁台
(
えんだい
)
を
出
(
だ
)
して、三
人
(
にん
)
は、
腰
(
こし
)
をかけて、
涼
(
すず
)
みながら、おじさんから、
田舎
(
いなか
)
で
釣
(
つ
)
りにいった
話
(
はなし
)
や、また、
夜
(
よる
)
川原
(
かわら
)
に
火
(
ひ
)
をたいて、
魚
(
さかな
)
を
寄
(
よ
)
せて
子供の床屋
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
二股
(
ふたまた
)
の道を右へ取り、六田の淀の橋の上へ来て、吉野川の
川原
(
かわら
)
の
景色
(
けしき
)
を眺めたものである。
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
それが
門
(
かど
)
・
辻
(
つじ
)
・
川原
(
かわら
)
等に、別に臨時の
台所
(
だいどころ
)
を特設した理由であり、子どもはまた
触穢
(
しょくえ
)
の
忌
(
いみ
)
に対して成人ほどに敏感でないと考えられて、特に接待掛りの任に当ったものと思われる。
こども風土記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
温泉は川岸から
湧出
(
わきだ
)
しまして、石垣で積上げてある所を
惣湯
(
そうゆ
)
と申しますが、追々
開
(
ひら
)
けて、当今は
河中
(
かわなか
)
の湯、
河下
(
かわしも
)
の湯、
儘根
(
まゝね
)
の湯、
下
(
しも
)
の湯、
南岸
(
みなみぎし
)
の湯、
川原
(
かわら
)
の湯、
薬師
(
やくし
)
の湯と
七湯
(
しちとう
)
に分れて
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
つぎに天皇は、
昔
(
むかし
)
お兄上とお二人で
大和
(
やまと
)
からお
逃
(
に
)
げになる途中で、おべんとうを
奪
(
うば
)
い取った、あのしし
飼
(
かい
)
の老人をおさがし出しになって
大和
(
やまと
)
の
飛鳥川
(
あすかがわ
)
の
川原
(
かわら
)
で
死刑
(
しけい
)
にお行ないになりました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
「さあ、このへんから、
川原
(
かわら
)
へはいるのだが、
石
(
いし
)
ころがあってあぶないから、よく
気
(
き
)
をつけておいで。」と、おじさんは、
先
(
さき
)
になって、ささやぶの
間
(
あいだ
)
をわけてすすみました。
雲のわくころ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
川
常用漢字
小1
部首:⼮
3画
原
常用漢字
小2
部首:⼚
10画
“川原”で始まる語句
川原事
川原崎
川原田
川原町
川原粥
川原剛太郎