“かわら”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
53.2%
17.9%
河原17.5%
川原6.7%
1.6%
1.2%
伽和羅0.4%
瓦礫0.4%
0.4%
0.4%
訶和羅0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
伴蔵は海音如来のお守を抜きとると、其のあとへ持って来ていたかわらで作った不動様の像を押しこんで、もとのように神棚へあげた。
円朝の牡丹灯籠 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
河が少し開けてかわらに下り立つと、水の流れた跡が箒で掃いたように残っている砂地には、鹿や羚羊かもしかの足跡が無数に印せられている。
渓三題 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
私はあの日、ここの河原かわらで、言語に絶する人間の苦悩を見せつけられたのだが、だが、今、川の水は静かに澄んで流れているのだ。
廃墟から (新字新仮名) / 原民喜(著)
拾玉しゅうぎょく集』に「すごきかな、加茂かも川原かわらの河風にみのげ乱れてさぎたてるめり」。為家ためいえの歌に「ゐる鷺のおのが蓑毛も片よりに、岸の柳を春風ぞふく」
蓑のこと (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
どすっ——と、かわらのうえに、首がころげ落ちた。韓福の顔だった。あたりの部下は胆をひやして、われがちに赤兎馬のひづめから逃げ散った。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かわらの上から、淋しい人通りを覗いている時分でした。
『日本紀』五に彦国葺ひこくにぶく武埴安彦たけはにやすびこを射殺した時、賊軍怖れ走ってくそはかまより漏らしよろいを脱いで逃げたから、甲を脱いだ処を伽和羅かわらといい、屎一件の処を屎褌くそばかまという。
その犬とも狼ともつかないものが振返った方角から、ぼろを頭の上からかぶった男がひとり、散乱さんらんした円柱や瓦礫かわらの間を縫って、杖をたよりにとぼとぼと近づいてきた。
霊魂第十号の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
あるいは例の消極的修養に必要な道具かも知れない。むかし或る学者が何とかいう智識をうたら、和尚おしょう両肌を抜いでかわらしておられた。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
かわらと呼ばれる敷木しきの上へ、ピッタリ指先を押しあてた。
名人地獄 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ここに河の邊に伏し隱れたる兵、彼廂此廂あなたこなた一時もろともに興りて、矢刺して流しき。かれ訶和羅かわらさきに到りて沈み入りたまふ。