かわら)” の例文
下には黄金色きんいろをしたかわらいてすこしの塵もなかった。老嫗は青年を伴れて遊廊かいろうを通って往った。遊廊の欄干も皆宝石であった。
賈后と小吏 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
どすっ——と、かわらのうえに、首がころげ落ちた。韓福の顔だった。あたりの部下は胆をひやして、われがちに赤兎馬のひづめから逃げ散った。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
が、何百年もの風雨にさらされているので、かわらと磚とのあいだには草が生え、土がくずれ、小鳥が巣をつくり、その壁面はかなり荒れている。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
店内の小狭い土間は凸字形になっていて支那風のかわらで埋めてあった。客用の腰掛が三つ四つ不愛嬌に備えてある。
なぜ注意したといえば、あそこは逆茂木さかもぎの柵も古く、城壁も修理したばかりで、かわらは古いのと新しいのと不揃いに積み畳まれている。……要するに、防塁の弱点が見えるのです
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)