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寵愛
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ちようあい
ふりがな文庫
“
寵愛
(
ちようあい
)” の例文
「親分、——お紋に氣をつけて下さい、あの人は若樣の御
寵愛
(
ちようあい
)
を受けて居りました。そして、——當屋敷には、それを怨む者があつたのです」
銭形平次捕物控:186 御宰籠
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その祖父は
曾
(
かつ
)
て孫を此上なく
寵愛
(
ちようあい
)
して、
凡
(
およ
)
そ祖父の孫に対する愛は、
遺憾
(
ゐかん
)
なく尽して居つたにも
拘
(
かゝは
)
らず、その死の床には
侍
(
はべ
)
つて居るものが一人も無いとは!
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
お
高
(
たか
)
とよびて夫婦の
寵愛
(
ちようあい
)
限
(
かぎ
)
りなく
讀書
(
よみかき
)
は
勿論
(
もちろん
)
絲竹
(
いとたけ
)
の道より
茶湯
(
ちやのゆ
)
活花等
(
いけばなとう
)
に至るまで師を
撰
(
えら
)
みて習はせしに
取分
(
とりわけ
)
書を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
元二
(
げんじ
)
の
順
(
じゆん
)
に
杯
(
さかづき
)
も
𢌞
(
まは
)
つて
來
(
き
)
た
時
(
とき
)
、
自分
(
じぶん
)
國許
(
くにもと
)
の
事
(
こと
)
に
懲
(
こ
)
りて
仔細
(
しさい
)
あつて、
世
(
よ
)
を
忍
(
しの
)
ぶ
若
(
わか
)
ものが
庄屋
(
しやうや
)
の
屋敷
(
やしき
)
に
奉公
(
ほうこう
)
して、
其
(
そ
)
の
妻
(
つま
)
と
不義
(
ふぎ
)
をする、なかだちは、
婦
(
をんな
)
が
寵愛
(
ちようあい
)
の
猫
(
ねこ
)
で
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
国詰でありながら召されてしばしば江戸へ出府するくらい、藩主
美濃守信邦
(
みののかみのぶくに
)
にも
寵愛
(
ちようあい
)
されている。
夜明けの辻
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
▼ もっと見る
殿様の
寵愛
(
ちようあい
)
を奪はれたからといつて、相手に斬りつけたのは兄さんの間違ひではなかつたか。
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
自分は
王侯
(
わうこう
)
の
寵愛
(
ちようあい
)
に依ツて馬車に乗ツてゐる
狆
(
ちん
)
よりも、
寧
(
むしろ
)
自由に野をのさばツて歩くむく
犬
(
いぬ
)
になりたい。自分は自分の力によツて自分の存立を保證する。自體自分には親が無い。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
子爵
(
ししやく
)
の
寵愛
(
ちようあい
)
子
(
こ
)
よりも
深
(
ふか
)
く、
兩親
(
おや
)
なき
妹
(
いもと
)
の
大切
(
たいせつ
)
さ
限
(
かぎ
)
りなければ、
良
(
よ
)
きが
上
(
うへ
)
にも
良
(
よ
)
きを
撰
(
え
)
らみて、
何某家
(
なにがしけ
)
の
奧方
(
おくがた
)
とも
未
(
ま
)
だ
名
(
な
)
をつけぬ十六の
春風
(
はるかぜ
)
、
無慘
(
むざん
)
や
玉簾
(
たますだれ
)
ふき
通
(
とほ
)
して
此初櫻
(
このはつざくら
)
ちりかヽりし
袖
(
そで
)
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
父母は姫君を
寵愛
(
ちようあい
)
した。しかしやはり昔風に、進んでは誰にもめあはせなかつた。誰か云ひ寄る人があればと、心待ちに待つばかりだつた。姫君も父母の教へ通り、つつましい朝夕を送つてゐた。
六の宮の姫君
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
文藏と呼て夫婦の
寵愛
(
ちようあい
)
言
(
いふ
)
ばかりなく
蝶
(
てふ
)
よ花よと
育
(
そだ
)
てけるに
早
(
はや
)
文藏も三歳になりし
頃
(
ころ
)
父の文右衞門
不※
(
ふと
)
風
(
かぜ
)
の心地にて
打臥
(
うちふし
)
けるが次第に病氣
差重
(
さしおも
)
り
種々
(
いろ/\
)
養生
(
やうじやう
)
手
(
て
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
相澤半之丞、弓の折を取つて立上がると、三年越
寵愛
(
ちようあい
)
した自分の妾の
肉塊
(
しゝむら
)
を、ピシリ、ピシリと叩きます。
銭形平次捕物控:022 名馬罪あり
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
子の無い処の孫であるから、祖父祖母の
寵愛
(
ちようあい
)
は
一方
(
ひとかた
)
ではなく、一にも孫、二にも孫と畳にも置かぬほどにちやほやして、その寵愛する様は、
他所目
(
よそめ
)
にも
可笑
(
をか
)
しい程であつたといふ。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
も久八と附て夫婦の
寵愛
(
ちようあい
)
淺
(
あさか
)
らず養育しけるに一日々々と
智慧
(
ちゑ
)
付
(
つく
)
に
隨
(
したが
)
ひ
他所
(
よそ
)
の兒に
優
(
まさ
)
りて
利發
(
りはつ
)
なるにより
末
(
すゑ
)
頼母敷
(
たのもしき
)
小兒
(
せうに
)
なりと
慈
(
いつく
)
しみける中月立年暮て早くも七歳の春を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
二三日前町内の女隱居が『
寵愛
(
ちようあい
)
の猫の子が殺されたから、下手人を搜して敵を討つて下さい』
銭形平次捕物控:056 地獄から来た男
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
寵愛
(
ちようあい
)
度を越しては居ても、死んで仕舞つては、葬式をしてやる氣も無かつたのでせう。
銭形平次捕物控:295 万両息子
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“寵愛”の意味
《名詞》
寵 愛 (ちょうあい)
かわいがって愛すること。
(出典:Wiktionary)
“寵愛”の解説
寵愛
(出典:Wikipedia)
寵
漢検準1級
部首:⼧
19画
愛
常用漢字
小4
部首:⼼
13画
“寵愛”で始まる語句
寵愛無双
寵愛物