“姐御:あねご” の例文
“姐御:あねご”を含む作品の著者(上位)作品数
野村胡堂6
林不忘5
海野十三3
長谷川時雨2
吉川英治2
“姐御:あねご”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語0.9%
文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆0.1%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
「どうしたい姐御あねご、バカに息を切らしてさ! 陽気の変り目で、ちいっと心浮き浮き、てえところじゃねえのかね?」ときた。
グリュックスブルグ王室異聞 (新字新仮名) / 橘外男(著)
「文藝春秋」できかれた「姐御あねごぶり」といふものは、勢ひさうした見方からいつて、およそ、わたしのきらひなものだ。
凡愚姐御考 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
「親分、寒かったでしょうね、——その女は橋番所に引渡して大急ぎで帰りましょう。姐御あねごは一本付けて待ってますぜ」
「ただの女芸人と思っているのかい。これでも江戸では、丹頂のお粂といわれた姐御あねごだよ。さあ、立派に殺してもらいましょう」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「そう水を向けちゃあいけませんやあねえ。姐御あねご、姐御は苦労人だ。辛気しんき臭くちゃ酒がまずいや、ねえ?」
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
姐御あねご、どうぞあちらの御用をごゆっくりと。——手前はお手数をかけずに、ここで頂戴いたしていることにする」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「そうか、じゃあ、けえるまで、またせて貰おうか——実は、ちっと、姐御あねごと、折り入って、話があってな——」
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
市松お六といって、深川の羽織上はおりあがり、神保造酒の妻ともめかけともつかず、この道場を切り廻している大姐御あねごなのだ。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
明かせば、いまだに左膳へ対して抱いている恋心こいごころから、姐御あねごは、さっそく左膳のほうへ味方みかたをするにきまっている。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「よせよせ、手前なんかに歯の立つ姐御あねごじゃねえ。器用な仕事に免じて、こちとら旗あ巻くのが上分別よ」
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)
合点スカーシェだ! だが姐御あねご、声が可笑おかしいやね、心浮き浮きてえところじゃねえのかね?」
グリュックスブルグ王室異聞 (新字新仮名) / 橘外男(著)
「オ! 姐御あねご! これあまア、おめずらしいところで。イヨウ! 死んだと思ったお藤さんとは、ヘヘヘ、丹下の旦那でも気がつくめえッてネ」
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
お尻の軽いことこの上なしという野郎だから、お藤の姐御あねごが先月から家をあけているのと折柄の好天気を幸いに、そそくさとわらじの紐をはきしめて
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
それを気に病んでゐるのは帝劇の尾上梅幸で、菊五郎に遭ふといつも姐御あねごのやうな世馴れた口調で、
葉子は姐御あねごのようなふうをして、炉側ろばた片膝かたひざを立てて坐っていたが、
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「勘なら、姐御あねごなんざ大したものだぜ、あっしの腹の中から、財布の中まで見透しだ」
「親分がまた腕を組んだ、この双六すごろくも上がりが近いぜ。ね、お静さん——おっと姐御あねご、この秋は少し遠走りして、湯治にでも行こうじゃありませんか」
「親分が又腕を組んだ、この雙六すごろくも上がりが近いぜ。ね、お靜さん——おつと姐御あねご、この秋は少し遠つ走りして、湯治たうぢにでも行かうぢやありませんか」
ここを日本のメロドラマでゆくと、委細いさいみ込んだ姐御あねごが、湯上りの身体を鏡台の前にえて諸肌もろはだ脱いで盛大な塗立工事にかかろうというところ。
戦雲を駆る女怪 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
姐御あねごも女は女、とかく、癇癪かんしゃくで、気短かで、やべえものさ。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
「あ、こりゃ姐御あねごでしたかえ」と洞門の権右衛門はちょっと足を止めて、
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
職工長「ところがそうじゃないとよ。だから本職の姐御あねごが怒っていたよ」
諜報中継局 (新字新仮名) / 海野十三(著)
知らずのお絃は——お絃流の、なに、そんなものはないが、とにかく、喧嘩の真中まんなかへ割り込んで、えん然にっこり名たんかを切ろうという物凄ものすご姐御あねご
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
かくて駕籠と大八車とが押並んで、駕籠の中のキンキンする姐御あねごと、大八車の梶棒にしがみついた精悍せいかんなる小冠者とが、そぐわない調子を、つとめて合わせながらの物語。
大菩薩峠:30 畜生谷の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
一葉は、あの細っこい体で、一文菓子いちもんがしの仕入れにも行くのだそうだが、客好きで、眉山びざんなどから聞くと不断ふだんは無口だが、文学談になると姐御あねごのようになる。
田沢稲船 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
姐御あねご真実まったくだ、たまらぬ。
処方秘箋 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
その警戒を見てとって、お藤姐御あねごはニッコリ、
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
縁起棚の下に、さっき弾きあきたらしい三味線が一ちょう、投げだしてあるきり、まことに夏向きの、ガランとした家で、花がるたを散らしに貼った地ぶくろも、いかさまお藤姐御あねごの住まいらしい。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「ヘエ——、姐御あねごがさぞ気が揉めるだろうな」
もう小娘ではない。何やかや指図して大の男を使いこなしている様子は天晴あっぱ姐御あねごであったが、そういうこの人は私の心を動かさなかった。私は笑いを追いつづけた。それはひどく高潔だった。
篠笹の陰の顔 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
姐御あねごはこっちに腰掛けたら……」
新版 放浪記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
十長、機関、鳶、巻車、らっぱなどという消防関係の男たちがしじゅう植峰に出入りしていたがみんな意気振れば意気ぶるだけ田舎者ばかりで、ほんとに話せないねえとお八重はすっかり姐御あねご気取りで考えていた。
舞馬 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
亭主が死んでも彼女は姐御あねごです。
乞はない乞食 (新字旧仮名) / 添田唖蝉坊(著)
ここをのがれても都の空の方角さえ見当つかず、女はこうなると度胸がよい、ままよと観念して、夫には優しくされ手下の者たちには姐御あねごなどと言われてかしずかれると、まんざら悪い気もせず、いつとはなしに悪にそまり
新釈諸国噺 (新字新仮名) / 太宰治(著)
姐御あねご、って、商売だ」
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
姐御あねごが待っているぜ」
こうしてお由は娘から忽ち姐御あねごへと変り、あられもない「白蛇のお由」と自分から名乗って伝法でんぽうを見習うようになったが、若いに似ずよく親分の世話をして、執念深くうかがいよる男共は手痛い目にあわされるという評判がもっぱらであった。
白蛇の死 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「ヘッ、そんなつまらない話じゃねえ。——ところでお静さん、——いや姐御あねごって言うんだっけ——、親分の顔を当るのはよいが、右から左からいい男っ振りを眺めてばかりいちゃ、り上げないうちに、後から後から生揃はえそろって来ますぜ、ヘッヘッヘッ」
『おまえさん、きっと出来るかえ』と、お大とおもよが念を押すと、おとくはきっと出来ると強情を張ったので、いわば行きがかりの意地ずくで、もしお前がほんとうにあの蛇のなかへ手を突っ込んで見せたらば、おまえをあたし達の仲間の姐御あねごにすると二人が云い出すと
半七捕物帳:34 雷獣と蛇 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「へツ、そんなつまらない話ぢやねえ。——ところでお靜さん、——いや姐御あねごつて言ふんだつけ——、親分の顏をあたるのはよいが、右から左からいゝ男つ振りを眺めてばかり居ちや、り上げないうちに、後から/\生揃はえそろつて來ますぜ、へツへツへツ」
茶舟ちゃぶねの船頭で五斗俵ごとびょうかつぐと云う程の力の人でございます、其処そこ姐御あねごは至極情け深い人で、う云う強い人の女房でございますから鬼の女房にょうぼ鬼神きじんたとえ、ものゝ道理の分った婦人で有りますから、お筆を可愛がって居ります。
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
母がぱっぱという出任でまかせのわが子に対しても見境いない憎悪の言葉を耳にとがめて、反射的にたしなめるそのことが一時の忠義立てや侠気きょうきす業にしても、も一つその底の慾には朝夕虐げられつけている母に向って一ときでも立優った気持になり姐御あねごになり度いのでございましょう。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
「そうか。僕は二時頃まで、ちょいと寝たいんだ、あとからウンとおごってやるから大目おおめに見るんだぜ。それからお富姐御あねごすまないけれど、その時間になったら、コックの留公に用が出来るんだから、どこにも行かずに待たせて置いとくれ。もう二時まで、なんにも口をきかないからな、話しかけても駄目だぜ」
国際殺人団の崩壊 (新字新仮名) / 海野十三(著)