トップ
>
女主人
>
おんなあるじ
ふりがな文庫
“
女主人
(
おんなあるじ
)” の例文
彼
(
かれ
)
は
捕
(
とら
)
えられて
家
(
いえ
)
に
引返
(
ひきかえ
)
されたが、
女主人
(
おんなあるじ
)
は
医師
(
いしゃ
)
を
招
(
よ
)
びに
遣
(
や
)
られ、ドクトル、アンドレイ、エヒミチは
来
(
き
)
て
彼
(
かれ
)
を
診察
(
しんさつ
)
したのであった。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
私は、その女の勤めていた先の
女主人
(
おんなあるじ
)
に会うために、
上京
(
かみぎょう
)
の方から十一時過ぎになって、
花見小路
(
はなみこうじ
)
のその家に出かけて往った。
霜凍る宵
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
奥の一と間には、線香の匂を棚引かせて、番頭の弥八が妹娘のお信や、下女のお六に指図をしながら、
女主人
(
おんなあるじ
)
のお兼の新仏姿を調えて居りました。
銭形平次捕物控:233 鬼の面
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
女主人
(
おんなあるじ
)
は抽斎の四女
陸
(
くが
)
で、長唄の師匠
杵屋勝久
(
きねやかつひさ
)
さんがこれである。既に
記
(
き
)
したる如く、大正五年には七十歳になった。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
この
家
(
や
)
の
女主人
(
おんなあるじ
)
——殺害された
鷺江
(
さぎえ
)
ゆき女という者は、いつ頃から当家へ移って参ったのか、それからの事情を細かに話してもらいたいものだが、どうじゃ
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
「……そう、それじゃ、いよいよ私の家じゃありません、私の家には、今お取次した、婆やより他に、婢を置いたことがありません」と、
女主人
(
おんなあるじ
)
は云いきった。
水魔
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
暖簾
(
のれん
)
に焼鳥金兵衛としるした家で、その
女主人
(
おんなあるじ
)
は二十余年のむかし、わたくしが宗十郎町の芸者家に起臥していた頃、向側の家にいた名妓なにがしというものである。
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
之
(
これ
)
は此の春頃から、其まで人の
出入
(
ではいり
)
さへ余りなかつた
上
(
かみ
)
の薬屋が
方
(
かた
)
へ、一
人
(
にん
)
の美少年が来て
一所
(
いっしょ
)
に居る、
女主人
(
おんなあるじ
)
の
甥
(
おい
)
ださうで、
信濃
(
しなの
)
のもの、
継母
(
ままはは
)
に
苛
(
いじ
)
められて家出をして
処方秘箋
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
一人娘のために
住居
(
すまい
)
の外見などにもみすぼらしさがないようにと、りっぱな体裁を保って暮らしていたのであるが、子を失った
女主人
(
おんなあるじ
)
の
無明
(
むみょう
)
の日が続くようになってからは
源氏物語:01 桐壺
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
写真屋も商売となると技術よりは客扱いが肝腎だから、女の方がかえって
愛嬌
(
あいきょう
)
があって客受けがイイという話、ここの写真屋の
女主人
(
おんなあるじ
)
というは
後家
(
ごけ
)
さんだそうだが相応に儲かるという
咄
(
はなし
)
二葉亭余談
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
私の記憶に残っている
女主人
(
おんなあるじ
)
のおてつは、もう四十位であったらしい。眉を落して歯を染めた小作りの
年増
(
としま
)
であった。
聟
(
むこ
)
を貰ったがまた別れたとかいうことで、十一、二の男の
児
(
こ
)
を持っていた。
二階から
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
鴻の巣の宿屋では
女主人
(
おんなあるじ
)
が清藏の帰りの遅いのを心配いたして
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
お后、
女主人
(
おんなあるじ
)
の昔からの席にまたお
就
(
つき
)
になるからは
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
が、それもこれも
直
(
じき
)
に
彼
(
かれ
)
を
疲労
(
つか
)
らしてしまう。
彼
(
かれ
)
はそこでふと
思
(
おも
)
い
着
(
つ
)
いた、
自分
(
じぶん
)
の
位置
(
いち
)
の
安全
(
あんぜん
)
を
計
(
はか
)
るには、
女主人
(
おんなあるじ
)
の
穴蔵
(
あなぐら
)
に
隠
(
かく
)
れているのが
上策
(
じょうさく
)
と。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
鈴木の
女主人
(
おんなあるじ
)
は次第に優に
親
(
したし
)
んで、立派な、気さくな
檀那
(
だんな
)
だといって褒めた。当時の優は黒い
鬚髯
(
しゅぜん
)
を蓄えていた。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
婆やらしい年とった女が取次に出て、その
後
(
あと
)
から二十五六に見える
円髷
(
まるまげ
)
の
女主人
(
おんなあるじ
)
が出て来た。
水魔
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
それにこの間の夜松井の
女主人
(
おんなあるじ
)
のところへたずねて往って会った時の話にも、こんど病気でいよいよ廃業する時にももう女の身に付いた借金というほどのものもなかったというし
霜凍る宵
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
小女が
階下
(
した
)
の
主
(
あるじ
)
に告げたのであろう、やがて、その
女主人
(
おんなあるじ
)
があいさつに見えた。三十ぐらいな
肌目
(
きめ
)
のよい美人である。武蔵がさっそく不審をただすと、その美人が笑って話すにはこうであった。
宮本武蔵:03 水の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
五十がらみの恐ろしい
金棒曳
(
かなぼうひき
)
、そのうえ
癇性
(
かんしょう
)
で
眼敏
(
めざと
)
いのを自慢にしている女ですから、この
女主人
(
おんなあるじ
)
に知れないように、二階から脱け出すことは、猫のような身軽さで、物干から飛降りない限りは
銭形平次捕物控:067 欄干の死骸
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
霧の濃くおりた朝、帰りをそそのかされて、
睡
(
ね
)
むそうなふうで
歎息
(
たんそく
)
をしながら源氏が出て行くのを、貴女の女房の中将が
格子
(
こうし
)
を一間だけ上げて、
女主人
(
おんなあるじ
)
に見送らせるために
几帳
(
きちょう
)
を横へ引いてしまった。
源氏物語:04 夕顔
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
今、どこの路地で無頼漢が
神祇
(
じんぎ
)
の礼を交していたとか、或は向の川岸で怪し気な女に
袖
(
そで
)
を
牽
(
ひ
)
かれたとか、
曾
(
かつ
)
てどこそこの店にいた女給が今はどこそこの
女主人
(
おんなあるじ
)
になっているとか云う
類
(
たぐい
)
のはなしである。
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
家主
(
いえぬし
)
の
女主人
(
おんなあるじ
)
の
処
(
ところ
)
に
見知
(
みし
)
らぬ
人
(
ひと
)
が
来
(
き
)
さえすればそれも
苦
(
く
)
になる。
門
(
もん
)
の
呼鈴
(
よびりん
)
が
鳴
(
な
)
る
度
(
たび
)
に
惴々
(
びくびく
)
しては
顫上
(
ふるえあが
)
る。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
なぜというに、保は鈴木の
女主人
(
おんなあるじ
)
に月二両の下宿代を払う約束をしていながら、学資の方が足らぬがちなので、まだ一度も払わずにいた。そこへ
遽
(
にわか
)
に三人の客を迎えなくてはならなくなった。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
「伜って、どなたですか」と、
女主人
(
おんなあるじ
)
は不審そうに云った。
水魔
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
私は何となく
女主人
(
おんなあるじ
)
の顔から眼をそらしながら
霜凍る宵
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
“女主人”の意味
《名詞》
一家や商店の女性のあるじ。女主。
(出典:Wiktionary)
女
常用漢字
小1
部首:⼥
3画
主
常用漢字
小3
部首:⼂
5画
人
常用漢字
小1
部首:⼈
2画
“女主人”で始まる語句
女主人公