天道てんだう)” の例文
くみまゐりし者は當時は拙者弟子なれども元は師匠ししやう天道てんだうが弟子にてかれは師匠が未だ佐渡さど淨覺院じやうがくゐんの持主たりし時門前にて有しを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
(四二)あるひいはく、(四三)天道てんだうしんく、つね善人ぜんにんくみすと。伯夷はくい叔齊しゆくせいごときは、善人ぜんにんものか。じんおこなひいさぎようし、かくごとくにして餓死がしせり。
大井川の棒杭ぼうぐひにしがみついて、天道てんだうさまを、うらんでゐたんぢや、意味ないよ。あ、ひとり在るよ。日本にも、勇敢なやつが、ひとり在つたぞ。あいつは、すごい。知つてるかい?
富嶽百景 (新字旧仮名) / 太宰治(著)
ひゞきで、いまところへ、熱湯ねつたう湧出わきだいた。ぢやがさ、天道てんだうひところさずかい。生命いのちだけはたすかつても、はうまうの分別ふんべつなんだところ温泉をんせんさかつてたで、うやら娑婆しやばかたちつた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ましてや神々しきをうやまへ霊威れいゐある冥々めい/\天道てんだうは人の知を以てはかりしるべからず。
水のあわと成ましたと語るに一座の者共夫はどう詮議せんぎ爲樣しやうは無事哉と云ば九助はイヱ夫に就て御話が御座ります天道てんだうと云者はあらそはれぬもので正直しやうぢきかうべ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
言問こととひ曲角まがりかどで、天道てんだうか、また一組ひとくみこれまた念入ねんいりな、旦那樣だんなさま洋服やうふく高帽子たかばうしで、して若樣わかさまをおあそばし、奧樣おくさま深張ふかばり蝙蝠傘かうもりがさすまして押並おしならあとから、はれやれおひとがついてぶらなり。
弥次行 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
もしくは所謂いはゆる天道てんだうか。
取出し御身分の委細ゐさいこれに相認め御座候と差出さしいだす伊豆殿請取うけとつて開き見らるゝに佐州さしう相川郡あひかはごほり尾島村をじまむら淨覺院じやうかくゐんの門前に御墨附に御短刀相添てすて是有これありしを淨覺院先住せんぢう天道てんだう是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)