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墓原
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はかはら
ふりがな文庫
“
墓原
(
はかはら
)” の例文
墓原
(
はかはら
)
へ出たのは十二時
過
(
すぎ
)
、それから、ああして、ああして、と
此処
(
ここ
)
まで
来
(
き
)
た
間
(
あいだ
)
のことを心に繰返して、
大分
(
だいぶん
)
の時間が
経
(
た
)
ったから。
星あかり
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ただ眼は
大勢
(
おおぜい
)
の見物の向うの、
天蓋
(
てんがい
)
のように枝を張った、
墓原
(
はかはら
)
の松を眺めている。その内にもう役人の一人は、おぎんの縄目を
赦
(
ゆる
)
すように命じた。
おぎん
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
夜は
更
(
ふ
)
けたり。雪は霙と変わり霙は雪となり降りつ止みつす。
灘山
(
なだやま
)
の
端
(
は
)
を月はなれて雲の海に光を包めば、古城市はさながら乾ける
墓原
(
はかはら
)
のごとし。
源おじ
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
振向いて見たが
何
(
な
)
んにも居ないから、
墓原
(
はかはら
)
へ立帰って見たが、墓には何も変りがない、はて何じゃろうと段々探すと、山の根方の藪ん中に大きな
薯蕷
(
やまいも
)
が一本あったのじゃ
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
侍童 (傍を向きて)こんな
墓原
(
はかはら
)
に
一人
(
ひとり
)
立
(
た
)
ってゐるのは
怖
(
こは
)
らしい、が、ま、やって
見
(
み
)
よう。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
▼ もっと見る
星明りに透かしてみると
墓原
(
はかはら
)
らしい処は一面の竹籔となって、数百年の大
銀杏
(
いちょう
)
が真黒い巨人のように切れ切れの天の河を押し上げ、本堂の屋根に生えたペンペン草、紫苑のたぐいが
名娼満月
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
眞面目
(
まじめ
)
に色
褪
(
さ
)
めた
墓原
(
はかはら
)
を過る時
太陽の子
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
墓原
(
はかはら
)
へ
出
(
で
)
たのは十二
時過
(
じすぎ
)
、それから、あゝして、あゝして、と
此處
(
こゝ
)
まで
來
(
き
)
た
間
(
あひだ
)
のことを
心
(
こゝろ
)
に
繰返
(
くりかへ
)
して、
大分
(
だいぶん
)
の
時間
(
じかん
)
が
經
(
た
)
つたから。
星あかり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
じょあん
孫七
(
まごしち
)
を始め三人の
宗徒
(
しゅうと
)
は、村はずれの
刑場
(
けいじょう
)
へ引かれる途中も、恐れる
気色
(
けしき
)
は見えなかった。刑場はちょうど
墓原
(
はかはら
)
に隣った、石ころの多い空き地である。
おぎん
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
一度江戸へ立帰らんと思い立ち、
日数
(
ひかず
)
を経て、八月三日江戸表へ
着
(
ちゃく
)
いたし、
先
(
ま
)
ず谷中の三崎村なる新幡随院へ参り、主人の墓へ
香花
(
こうげ
)
を
手向
(
たむ
)
け水を上げ、
墓原
(
はかはら
)
の前に両手を突きまして
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
松原の中に一町四方ばかりの
墓原
(
はかはら
)
がある。
空を飛ぶパラソル
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
寂しい
墓原
(
はかはら
)
の松のかげに、末は「いんへるの」に
堕
(
お
)
ちるのも知らず、はかない極楽を夢見ている。
おぎん
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
戸
(
と
)
を
敲
(
たた
)
いて、開けておくれと言えば、何の
造作
(
ぞうさ
)
はないのだけれども、
止
(
よ
)
せ、と
留
(
と
)
めるのを
肯
(
き
)
かないで、
墓原
(
はかはら
)
を夜中に
徘徊
(
はいかい
)
するのは
好
(
いい
)
心持
(
こころもち
)
のものだと、二ツ三ツ
言争
(
いいあらそ
)
って
出
(
で
)
た、いまのさき
星あかり
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ひたと
冷
(
つめた
)
い
汗
(
あせ
)
になつて、
眼
(
め
)
を
睜
(
みひら
)
き、
殺
(
ころ
)
されるのであらうと
思
(
おも
)
ひながら、すかして
蚊帳
(
かや
)
の
外
(
そと
)
を
見
(
み
)
たが、
墓原
(
はかはら
)
をさまよつて、
亂橋
(
みだればし
)
から
由井
(
ゆゐ
)
ヶ
濱
(
はま
)
をうろついて
死
(
し
)
にさうになつて
歸
(
かへ
)
つて
來
(
き
)
た
自分
(
じぶん
)
の
姿
(
すがた
)
は
星あかり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
聲
(
こゑ
)
を
懸
(
か
)
けて、
戸
(
と
)
を
敲
(
たゝ
)
いて、
開
(
あ
)
けておくれと
言
(
い
)
へば、
何
(
なん
)
の
造作
(
ざうさ
)
はないのだけれども、
止
(
よ
)
せ、と
留
(
と
)
めるのを
肯
(
き
)
かないで、
墓原
(
はかはら
)
を
夜中
(
よなか
)
に
徘徊
(
はいくわい
)
するのは
好心持
(
いゝこゝろもち
)
のものだと、
二
(
ふた
)
ツ
三
(
み
)
ツ
言爭
(
いひあらそ
)
つて
出
(
で
)
た、いまのさき
星あかり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
墓
常用漢字
小5
部首:⼟
13画
原
常用漢字
小2
部首:⼚
10画
“墓”で始まる語句
墓
墓地
墓所
墓石
墓場
墓参
墓詣
墓穴
墓標
墓碣