)” の例文
「豐葦原の千秋の長五百秋の水穗の國は、いたくさやぎてありなり」とりたまひて、更に還り上りて、天照らす大御神にまをしたまひき。
西行いよよ恐るる色もなく座をすすみて、君がらせ給ふ所は、人道のことわりをかりて六九慾塵よくぢんをのがれ給はず。遠く辰旦もろこしをいふまでもあらず。
かつて、山神のやしろ奉行ぶぎょうした時、うしとき参詣まいりを谷へ蹴込けこんだり、とった、大権威の摂理太夫は、これから発狂した。
茸の舞姫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
越え 千年ちとせる 宮居が址に なづさへば ひのことごと よろづ代に らすごと 仄暗ほのくらの 高どのぬちに くすしくも 光りいませる 救世くせのみほとけ
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
半紙七枚に鐵筆で細かく書いた「水上瀧太郎君に與ふ」といふ文章に次郎生と名つた人から難詰状を受取つた時に、ふと自分の腦裡に浮んだ安價なる詭辯である。
ラフカディオハーン——帰化して日本の名を小泉八雲と名った文豪の意見によると、人間の草木や小動物に対する愛情の有無というものは先天的な天性によるもので
愉快な教室 (新字新仮名) / 佐藤春夫(著)
下毛野しもつけぬ安蘇あそ河原かはらいしまずそらゆとぬよこころれ 〔巻十四・三四二五〕 東歌
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
少女をとめらにおのが名を
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
ここにその足名椎の神をしてりたまはく、「いましをば我が宮のおびとけむ」と告りたまひ、また名を稻田いなだ宮主みやぬし須賀すが八耳やつみみの神と負せたまひき。
そも四九保元ほうげん御謀叛ごむほん五〇あめかみの教へ給ふことわりにもたがはじとておぼし立たせ給ふか。又みづからの人慾にんよくより計策たばかり給ふか。つばららせ給へとまうす。
容顔が美麗なで、気後きおくれをするげな、この痴気たわけおやじと、媼はニヤリ、「鼻をそげそげ、思切って。ええ、それでのうては、こなじじい、人殺しの解死人げしにんのがれぬぞ、」とおどす。
神鷺之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
おのもおのものりたまひへて後に、その妹にりたまひしく、「女人をみな先立さきだち言へるはふさはず」とのりたまひき。然れども隱處くみどおこしてみこ水蛭子ひるこを生みたまひき
汝、六五家を出でてほとけいんし、六六未来みらい解脱げだつの利慾を願ふ心より、六七人道にんだうをもて因果いんぐわに引き入れ、六八堯舜げうしゆんのをしへを釈門しやくもんこんじてわれに説くやと、御声あららかにらせ給ふ。
さわぐな、おのれ——しづまれ、しづまれ。」とつてすやうであつた。
十六夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)