同人どうにん)” の例文
私は、彼らの仲間で出している、『我等の主張』という同人どうにん雑誌の中に、「ラスコリニコーフのために」という感想文を彼が寄稿しているのを発見した。
誰が何故彼を殺したか (新字新仮名) / 平林初之輔(著)
したがって、園の出入口は、全く交通を途絶とぜつせられ、園内にさ迷い邪魔者じゃまものを気に掛ける必要もなく、猟奇の同人どうにん達は思うがままに遊び狂うことが出来るのだ。
地獄風景 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
他の二人の同人どうにんたちがいずれも云いあわせたように後の小説を書いてくれずになって、むなく涙をんで三ヶ月で科学大衆文芸運動の旗をくことにした。
『地球盗難』の作者の言葉 (新字新仮名) / 海野十三(著)
著者ちよしやはこれに氣附きづいたので、此數年間このすうねんかん其編纂そのへんさん腐心ふしんしてゐたが、東京帝國大學とうきようていこくだいがく地震學教室ぢしんがくきようしつける同人どうにん助言じよげんによつて、大正十五年たいしようじゆうごねんいたつてやうやこれおほやけにする程度ていどたつした。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
久米、田中、里見、吉井が同人どうにんである。高利貸から、金が借りられるまでになつてゐた。高利貸なんて、便利なものだから、ちよい/\、利用してゐると、強制執行が、時々きた。
父の陰謀の情を知つてゐた彦右衛門とは遠島ゑんたう、安田と杉山を剃髪させた同人どうにんの伯父、河内かはち大蓮寺たいれんじの僧正方しやうはう、西村の逃亡を助けた同人の姉婿あねむこ、堺の医師寛輔くわんぽの二にんとは追放になつた。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
発行所で今夜は、同人どうにん重立おもだつた人々に来てもらつて、今日までして居つた島木赤彦君の病気の経過を報告しようとしたのであつた。席には土屋文明君、橋本福松君もすでに見えてゐた。
島木赤彦臨終記 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
同人どうにん嘆息たんそくした。——いまでも金魚麩きんぎよぶはう辟易へきえきする……が、地震ぢしん四日よつか五日いつかめぐらゐまでは、金魚麩きんぎよぶさへ乾物屋かんぶつや賣切うりきれた。また「いづみ干瓢鍋かんぺうなべか。車麩くるまぶか。」とつてともだちは嘲笑てうせうする。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
右の通り書留かきとめ之有るにき越前守殿吉兵衞に向はれ其方むすめ島は當年何歳なんさいに成やと問るゝに吉兵衞ヘイ同人どうにんは當年廿一歳に相成ますと申ければ越前守殿しからば同人左のまゆの方に古疵ふるきずあとはなかりしやと申さるゝを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
現場には同人どうにんのものらしき和服と二重まわしが脱ぎ捨てられてあったが、その外に何のため使用したか長い麻縄あさなわ遺棄いきされてあった。其の他に持ちものはない。
柿色の紙風船 (新字新仮名) / 海野十三(著)
これより一説いつせつあるところなん大晦日おほみそかげたくせに、尊徳樣そんとくさまもないものだと、編輯へんしふ同人どうにんつておほいあざけるに、たじ/\となり、あへわが胸中きようちうたくはへたる富國經濟ふこくけいざいみちかず、わづかしろおもかげしるすのみ。
城の石垣 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
朝寝坊の同人どうにん達の中で、三谷少年丈けは例外の早起きであった。
地獄風景 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
同人どうにんせがれ四郎助しろすけ磯矢頼母いそやたのもの三人を呼び出した。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
同人どうにん家來給人きふにんかね目付めつけ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
同人どうにん家來けらい
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)