“遺棄”の読み方と例文
読み方割合
いき100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
歩哨に注意された生きた敗残兵でなく、遺棄いき死体にぶつかった。堤の上の死体は日本兵が片づけたらしいが、こういうところのは忘れられているのだ。
いやな感じ (新字新仮名) / 高見順(著)
現場には同人どうにんのものらしき和服と二重まわしが脱ぎ捨てられてあったが、その外に何のため使用したか長い麻縄あさなわ遺棄いきされてあった。其の他に持ちものはない。
柿色の紙風船 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そしてここで埋伏まいふくの味方、苗木久兵衛父子の兵と合し、奈良井ならい附近ですこしばかり敵の抵抗もあったが、小合戦で終り、敵の遺棄いき死体四十余名を葬ったに過ぎなかった。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)