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おのおの
ふりがな文庫
“
各〻
(
おのおの
)” の例文
九郎右衛門の居間たるや、四方厚い石壁で、
各〻
(
おのおの
)
の四隅に戸口はあったが、石壁の色と紛らわしく、発見することは不可能であった。
名人地獄
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
そしてそれらは
各〻
(
おのおの
)
昔に較べては研究され改良されているのであるが、まだまだそれも殆ど手がついたばかりと言わなければならない。
雪
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
「こりゃ、手当ては後にして、先に銀五郎の体を見えぬ所へ運んでおけ。そして、
各〻
(
おのおの
)
もしばらくの間、姿の見えぬようにしているがよい」
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
独りこれを
我
(
わが
)
東京専門学校に求むるのみならず、又広くこれを官私の学校に求め、これをして
各〻
(
おのおの
)
政党の以外に独立せしめ
祝東京専門学校之開校
(新字新仮名)
/
小野梓
(著)
然らば諸王も
亦
(
また
)
発駕奔喪
(
はつがほんそう
)
の際に於て、半途にして
擁遏
(
ようかつ
)
せらるゝの不快事に会う無く、
各〻
(
おのおの
)
其
(
その
)
封に於て
哭臨
(
こくりん
)
して、他を責むるが如きこと無かるべきのみ。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
唱歌終りて葉石の答礼あり、それより酒宴は開かれ、
各〻
(
おのおの
)
歓を尽して帰路につきたるは、
頓
(
やが
)
て
点燈頃
(
ひともしごろ
)
なりき。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
曾て周囲の女人達に吹きこまれていた天下第一の身の貫禄を、安宿の自然の態度の中に見出して、その
各〻
(
おのおの
)
が、より高く、みたされることが出来るのであった。
道鏡
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
国民が
各〻
(
おのおの
)
個人的の最良なる利益を
図
(
はか
)
ったならば、その結果はおそらく社会と国家との利益になることであろう。僕はことさら最良なる利益なる文字に力をいれて言う。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
(五八)
子
(
し
)
曰
(
いは
)
く、『
道
(
みち
)
同
(
おな
)
じからざれば
相爲
(
あひた
)
めに
謀
(
はか
)
らず』と。
亦
(
また
)
各〻
(
おのおの
)
其志
(
そのこころざし
)
に
從
(
したが
)
ふ
也
(
なり
)
。
故
(
ゆゑ
)
に(又 )
曰
(
いは
)
く
(五九)
『
富貴
(
ふうき
)
如
(
も
)
し
求
(
もと
)
む
可
(
べ
)
くんば、
執鞭
(
しつべん
)
の
士
(
し
)
と
雖
(
いへど
)
も
吾
(
われ
)
亦
(
ま
)
た
之
(
これ
)
を
爲
(
な
)
さん。 ...
国訳史記列伝:01 伯夷列伝第一
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
これらの
各〻
(
おのおの
)
の要因をとってみても、それ自身が極めて複雑で、たとえば個人的な対立といっても、能力や財産の不平等からくることもあれば、思想や性格の差からくることもあり
政治学入門
(新字新仮名)
/
矢部貞治
(著)
両方とも
各〻
(
おのおの
)
存在するには存在すべき理由があって存在しているのである。殊に教育を受ける諸君の如きものに向って規則をなくしたらとても始末が付かない。また兵式体操なども出来ない。
模倣と独立
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
部屋の一方にテーブルと椅子と二列にならべた席があって、切符を買って入場した者は
各〻
(
おのおの
)
その席を占領し、ときどきそこで休みながら、他人の踊るのを見物するような仕組になっているのでしょう。
痴人の愛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
かくまで御憂慮あらせらるる
上様
(
うえさま
)
のお心になって、一同、いかようにも、あなたの御方針にそい、この際の御苦境と難問題の解決に、
各〻
(
おのおの
)
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
古井の諸氏は
松卯
(
まつう
)
、
妾
(
しょう
)
は
原平
(
はらへい
)
に宿泊し、その他の諸氏も
各〻
(
おのおの
)
旅宿を定め、数日間は
此処
(
ここ
)
の招待、
彼処
(
かしこ
)
の宴会と日夜を分たざりしが、郷里の歓迎上都合もある事とて
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
各隊の人数は百人ずつで、いずれも決死の覚悟をもって
各〻
(
おのおの
)
の任務についたのである。
加利福尼亜の宝島:(お伽冒険談)
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
いわば、男女
各〻
(
おのおの
)
その処を得て、自由な心情を述べ歌い得た時代であり、歪められるところなく、人間の本然の姿がもとめられ、開発せられ、生活せられていただけのことなのである。
道鏡
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
孫子
(
そんし
)
分
(
わか
)
つて二
隊
(
たい
)
と
爲
(
な
)
し、
王
(
わう
)
の
寵姫
(
ちようき
)
二
人
(
にん
)
を
以
(
もつ
)
て
各〻
(
おのおの
)
隊長
(
たいちやう
)
と
爲
(
な
)
し、
皆
(
みな
)
戟
(
げき
)
を
持
(
も
)
たしむ。
之
(
これ
)
に
令
(
れい
)
して
曰
(
いは
)
く、『
汝
(
なんぢ
)
、
而
(
なんぢ
)
の
(三)
心
(
むね
)
と
(四)
左右
(
さいう
)
の
手
(
て
)
と
背
(
せ
)
とを
知
(
し
)
るか』と。
婦人
(
ふじん
)
曰
(
いは
)
く、『
之
(
これ
)
を
知
(
し
)
る』と。
国訳史記列伝:05 孫子呉起列伝第五
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
「かくさぬがいい。しかし、義平太の
苦衷
(
くちゅう
)
はうれしい。察しられる。すまぬのう……
各〻
(
おのおの
)
に、かような思いをさせて」
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
到底農家に来りて
馴
(
な
)
れぬ養蚕
機織
(
はたお
)
りの
業
(
わざ
)
を執り得べき身ならねば、一日も早く資金を造りて、
各〻
(
おのおの
)
長ずる道により、世に立つこそよけれと
悟
(
さと
)
りければ、再び両親に向かいて
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
各〻
(
おのおの
)
好む道へ行こう、お前は武者修行へ出るがよい、おれは本職の能役者へ帰ると、こういって親友の平手造酒と、黒門町で手を分かつと、麹町のやしきへ戻ろうと、彼はここまで来たのであった。
名人地獄
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「
各〻
(
おのおの
)
にも、日頃、お世話になったが、山本左右太は、きょう限り、お奉行からおいとまを申し渡された。……どうも、名残りおしいが、ぜひもない」
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「拙者、頼母めを背後より……
各〻
(
おのおの
)
方は正面から……」
血曼陀羅紙帳武士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
前に申した女たちは、その
妍
(
けん
)
なる美なる
楚々
(
そそ
)
なること、
各〻
(
おのおの
)
、
趣
(
おもむき
)
はちがっても、すべてみな
一様
(
いちよう
)
に肉愛の花々だ。この秀吉は、浮気な蝶々。蝶と花との関係にすぎぬ。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
久しく
田舎
(
でんしゃ
)
の
裡
(
うち
)
にひそみ、まだなにも
各〻
(
おのおの
)
の上に立って主君たるの修養も徳も積んでおりませぬ。
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「いらざる雑言を申すな。諸侯高官、国々の名将も、
各〻
(
おのおの
)
、謙譲の口をとじて、さし控えておるに、汝、一県令の部下として、身のほどをわきまえんか。僭上なやつだ。だまれっ」
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
……
各〻
(
おのおの
)
、百十ヵ村の百姓衆に代って、聞いてくれ。遺書にも
認
(
したた
)
めておいたが、五ヵ年の年月、さだめしこの与右衛門の
苛酷
(
かこく
)
を怨んでいたであろう。鞭で人の子を打った、人の親を打った。
鬼
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
素手
(
すで
)
にもひとしい小人数で、からめ捕ろうなどは、檻へ入って、虎と組むようなもの、
各〻
(
おのおの
)
が皆、死にたいという願いで、この漢へかまうなら知らぬこと、命知らずな真似はやめたらどうだ。
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
贓贖司
(
あがものつかさ
)
、
囚獄
(
しゅごく
)
司、
五衛府
(
このえふ
)
、
京職
(
きょうしき
)
、諸国司などの部局が、各構内にわかれ、
各〻
(
おのおの
)
、庁舎をかまえて、衣冠の官吏が、それらをつなぐ長い朱塗り青塗りの唐朝風な歩廊を、のんびりと、書類などかかえて
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして、
各〻
(
おのおの
)
身素姓
(
みすじょう
)
を名のり合う。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
各〻
(
おのおの
)
」
宮本武蔵:03 水の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
各
常用漢字
小4
部首:⼝
6画
〻
“各〻”で始まる語句
各〻方
各〻背
各〻頭
各〻薄傷