召上めしあが)” の例文
太夫たゆう、お待遠まちどおさまでござんしょうが、どうかこちらへおいでなすって、おちゃでも召上めしあがって、おちなすっておくんなまし」
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
召上めしあがれ』とふのだから此程これほど結構けつこうなことはないが、悧巧りこうちひさなあいちやんは大急おほいそぎでれをまうとはしませんでした。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
御安心下さい、皆さんは変な顔をしておいでですが、今晩召上めしあがった料理は、極めて正統派的なもので、決してそんな悪食趣味のものではありません
竹で死体をいたら、ペロリと血だらけの模型卵をいた。此頃一向卵が出来ぬと思ったら、此先生が毎日召上めしあがってお出でたのだ。青大将の死骸しがい芥溜ごみために捨てた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
ややもすると合戦でも起しかねまじき語気をしめすと、法王は大いに恐れて小心翼々よくよくとして心配をせられ、御膳ごぜんさえろくに召上めしあがらず日夜心を悩まされたそうですが
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
もつとも外へ出ますと夜鷹蕎麦よたかそばでもなんでもありますから貴所方あなたがたのおあし御勝手ごかつて召上めしあがりまして。
黄金餅 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
さあ、口塞くちふさげに、白いおじさんにももう一杯……。(重兵衛に酌をする。)あたし達ばかり勝手なことを云って飲んでいちゃあ、それこそ失礼だわ。(旅人に。)さあ、あんたも召上めしあがれ。
影:(一幕) (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
『お衣服めしをお着更きかへになつてから召上めしあがつたら如何いかゞ御座ございます。』とふさは主人の窮屈さうな様子を見て、恐る/\言つた。御気慊ごきげんを取るつもりでもあつた。何故なぜ主人が不気慊ふきげんであるかもほゞ知つて居るので。
節操 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
つきそひのをんなかゆぜん持來もちきたりて召上めしあがりますかとへば、いや/\とかぶりをふりて意氣地いくぢもなくはゝひざよりそひしが、今日けふわたし年季ねんあきまするか、かへこと出來できるで御座ござんしやうかとてひかけるに
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
旦那樣だんなさま、もうビールを召上めしあがります時分じぶんでは御座ござりませんか。』
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
「何もありませんが、どぞ召上めしあがって下さい」
骸骨島の大冒険 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
「そんなに召上めしあがって——」
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
今度こんどは『召上めしあがれ』といた貼紙はりがみがありませんでしたが、それにもかゝはらずあいちやんはせんいてたゞちにくちびるてがひました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
旦那様だんなさま、もうビールを召上めしあがります時分じぶんでは御座ござりませんか。』
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
今度こんど其上そのうへちひさなびんが一ぽんありました、(『たしかにまへには此處こゝかつた』とあいちやんがひました)びんくびには、『召上めしあがれ』と美事みごとだい字でつた貼紙はりがみむすびつけてありました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)