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使者
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つかい
ふりがな文庫
“
使者
(
つかい
)” の例文
道すがらはまたお
使者
(
つかい
)
で、金剛石のこの
襟飾
(
えりかざり
)
、宝玉のこの指環、(嬉しげに見ゆ)
貴方
(
あなた
)
の御威徳はよく分りましたのでございます。
海神別荘
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それも
神様
(
かみさま
)
のお
使者
(
つかい
)
や、
大人
(
おとな
)
ならば
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
も、
斯
(
こ
)
うした
小供
(
こども
)
さんの
場合
(
ばあい
)
には、いかにも
手持無沙汰
(
てもちぶさた
)
で
甚
(
はなは
)
だ
当惑
(
とうわく
)
するのでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
花咲かば告げんと云いし山里の、
使者
(
つかい
)
は来たり馬に鞍……と、鞍馬天狗の
謡
(
うたい
)
である。能の催しでもあると見え、凛々として聞こえて来る。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「いや、よろしい。承知しました。川島の御隠居にそういってください、浪は今日引き取るから、御安心なさい。——お
使者
(
つかい
)
御苦労じゃった」
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
甲必丹
(
カピタン
)
オルフェルト・エリアス殿並に館員御一同として一通、吉雄幸左衛門宛に一通、西善三郎へ一通、手早く
認
(
したた
)
めて
使者
(
つかい
)
に持たせて出してやり
平賀源内捕物帳:長崎ものがたり
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
▼ もっと見る
米国の
灰
(
はい
)
になり米国の土になった彼女は、
真
(
しん
)
に日本が米国に
遣
(
つか
)
わした無位無官の本当の平和の
使者
(
つかい
)
の一人であったと。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
それは兎も角、鬼瓦の方から碁の客が来ているからと小僧を寄越すこともあれば句会があるからと言って愚迂多羅兵衛の方から僕が
使者
(
つかい
)
に行くこともある。
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「今日も少し
使者
(
つかい
)
の来るのが遅かったら、好かったんだが、……
明日
(
あす
)
でも自分で社に行くと可い。」と言う。
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
あの大胆な落ち着きぶりと、あの名優以上ともいうべき巧妙な表情によって、J・I・Cから選抜されて、私を一杯喰わせに来た「死の
使者
(
つかい
)
」でなければならぬ。
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
くりかえさせるのだ。そんな
甘手
(
あまて
)
にのって戻るような
使者
(
つかい
)
か使者でないか、よう眼で見ろっ。貴様の云い訳は、きのうまでは通用したが、きょうはもうその手では吾々を
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかし釈尊の弟子ともあろうものが、ただ、形式の見舞いの
使者
(
つかい
)
では物足らなくあります。
仏教人生読本
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
相手の言うままに
認
(
したた
)
めた上、自分もあちらの方面に所用があるから、何なら私が届けて進ぜましょう、御返事があるようならまた
房路
(
もどり
)
にと、うまく言って
使者
(
つかい
)
まで請合ってきた。
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
「我は左京之進殿の
使者
(
つかい
)
じゃ、左京を神にして祭るとなれば、喜んで受けられる」
八人みさきの話
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
使者
(
つかい
)
も電報もないのだ。四日過ぎた。それでも熟んだでも潰れたでもないので、痺れを切らしたマクドオナルド夫人は、心配の余り、意を決して自分のほうから倫敦へ駈けつけたのだが——。
消えた花婿
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
合点長屋と近江屋とは髪結甚八を通して相当
昵懇
(
じっこん
)
の仲、そこで近江屋から
使者
(
つかい
)
が立って、藤吉親分へ事を分けての願掛けとなった次第、頼まれなくてもここは一つ釘抜の出幕だ、親分さっそく
釘抜藤吉捕物覚書:05 お茶漬音頭
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
何処からか、救いのお
使者
(
つかい
)
がありそうなものだ。
子をつれて
(新字新仮名)
/
葛西善蔵
(著)
今までそこにふンぞり反って、暴れていた床屋の職人が、その人の
使者
(
つかい
)
だというお夏さんを、たとい親だって好くいおうか。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
『あんな
鹿爪
(
しかつめ
)
らしい
顔
(
かお
)
をしているくせに、その
心
(
こころ
)
の
中
(
なか
)
は
何
(
なん
)
という
可愛
(
かわい
)
いものであろう! これなら
神様
(
かみさま
)
のお
使者
(
つかい
)
としてお
役
(
やく
)
に
立
(
た
)
つ
筈
(
はず
)
じゃ……。』
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
「深夜ご苦労にござります」儒者風の
使者
(
つかい
)
はこういって気の毒そうに会釈したが、「駕籠を釣らせて参りましてござる。いざお乗りくだされますよう」
大鵬のゆくえ
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
成程
使者
(
つかい
)
が丁度向に行った頃が十二時時分であったろうから、主筆も編輯長もまだ出社せぬというのは、そうであろう。が、「その金は渡すこと相成り難く候。」とあるのは
可怪
(
おかし
)
い。
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
喜平氏は親友湊屋仁三郎の
使者
(
つかい
)
として同業の水野が、白足袋などを
穿
(
は
)
いて改まって来たので、何事か知らんと思って座敷に上げた。ちょうど時分がよかったので
午餐
(
ごさん
)
まで出して一本
燗
(
つ
)
けた。
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
伊賀の暴れん坊……柳生源三郎の
使者
(
つかい
)
。
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「いや、それは何でもない。かねて小林から頼まれていた品が見つかった。いずれ近日持主同道で持参するからよろしくというだけだ。いずれ茶器か何かのことだろうよ。だが、貴公は何にも知らない
体
(
てい
)
で、ただ
使者
(
つかい
)
に来たようにしておいた方がいい」
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
白昼凝って、
尽
(
ことごと
)
く太陽の黄なるを包む、
混沌
(
こんとん
)
たる雲の
凝固
(
かたまり
)
とならんず
光景
(
ありさま
)
。万有あわや死せんとす、と忌わしき
使者
(
つかい
)
の早打、しっきりなく走るは
鴉
(
からす
)
で。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
わずかに日頃
好
(
よし
)
みある岩村の城主に
使者
(
つかい
)
を遣わし、事の次第を知らせたばかりで、兵を出そうとさえしなかった。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
この
方
(
かた
)
がこちらの
世界
(
せかい
)
で
私
(
わたくし
)
を
指導
(
しどう
)
してくださる
産土神
(
うぶすながみ
)
のお
使者
(
つかい
)
だったのでございました……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
そのため
使者
(
つかい
)
を
遣
(
つか
)
わして、今晩参って話し合うよう、その市之丞まで申し入れましたところ、その者は来ずに代りとして、あなたがお見えになられたような次第
名人地獄
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
其処
(
そこ
)
へですよ、奥深く居て顔は見せない、娘の
哥鬱賢
(
こうつけん
)
から、
妼
(
こしもと
)
が一人
使者
(
つかい
)
で出ました……
印度更紗
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
饑
(
う
)
えた城下の人々は、毎日あらわれるこの二人を、神の
使者
(
つかい
)
とも思っていた。そして二人の姿が見えると皆一斉に手を合わせて、念仏や題目を唱えるのであった。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
が、陸軍病院の慰安のための見物がえりの、四五十人の一行が、白い
装
(
よそおい
)
でよぎったが、霜の
使者
(
つかい
)
が通るようで、宵過ぎのうそ寒さの再び春に返ったのも、更に
寂然
(
せきぜん
)
としたのであった。
みさごの鮨
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
おっつけ殿からの
使者
(
つかい
)
が来て、
芽出度
(
めでた
)
く帰参が適うものと、
確
(
かた
)
く信じて居るからでござるよ
村井長庵記名の傘
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
(おう、ようしてござれ。)お
使者
(
つかい
)
が
ピストルの使い方:――(前題――楊弓)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
さらに奥方よりは澄江に対して、守袋と金一封をさえ、
使者
(
つかい
)
を以て下された。
剣侠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
それにもう一つ紋兵衛は、五千石の旗本で、駿河守には実の舎弟、森家へ養子に行ったところから、森
帯刀
(
たてわき
)
と呼ばれるお方から、密々に
使者
(
つかい
)
を
戴
(
いただ
)
いていたので、上京しなければならないのであった。
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
こういって
使者
(
つかい
)
は辞し去った。
北斎と幽霊
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
“使者”の解説
使者(ししゃ)とは、命令・依頼を受けて、それを伝達する者。特に戦国時代、上級者の書状と共に相手先に赴いた人物。
(出典:Wikipedia)
使
常用漢字
小3
部首:⼈
8画
者
常用漢字
小3
部首:⽼
8画
“使者”で始まる語句
使者番
使者等
使者神
使者屋橋
使者神指杖