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閉切
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しめき
ふりがな文庫
“
閉切
(
しめき
)” の例文
その間をば一同を載せた舟が
小舷
(
こべり
)
に
漣
(
さざなみ
)
を立てつつ
通抜
(
とおりぬ
)
けて行く時、中にはあわてふためいて障子の
隙間
(
すきま
)
をば
閉切
(
しめき
)
るものさえあった。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
ピッタリと
閉切
(
しめき
)
ったその障子の内側の
黒檀縁
(
こくたんぶち
)
の炉の
傍
(
そば
)
に、花鳥模様の長崎
毛氈
(
もうせん
)
を敷いて、二人の若い女が、白い、ふくよかな両脚を長々と投出しながら
名君忠之
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
悲鳴するような
叫喚
(
さけび
)
が、山に反響して
雑然
(
ざわざわ
)
と
如何
(
いか
)
にも物凄く
聞
(
きこ
)
えてくるので、乗客は恐ろしさに
堪
(
た
)
えず、皆その窓を
閉切
(
しめき
)
って、震えながらに通ったとの事である。
大叫喚
(新字新仮名)
/
岩村透
(著)
真昼間
(
まっぴるま
)
、向う側から
密
(
そっ
)
と
透
(
すか
)
して見ると、窓も
襖
(
ふすま
)
も
閉切
(
しめき
)
つて、空屋に等しい暗い中に、
破風
(
はふ
)
の
隙
(
ひま
)
から、
板目
(
いため
)
の
節
(
ふし
)
から、
差入
(
さしい
)
る日の光
一筋
(
ひとすじ
)
二筋
(
ふたすじ
)
、
裾広
(
すそひろ
)
がりにぱつと
明
(
あかる
)
く
処方秘箋
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
雨でも降るとスッカリ雨戸を
閉切
(
しめき
)
ツて親子
四
(
よ
)
人
微暗
(
ほのぐら
)
い
裡
(
なか
)
に何がなしモゾクサしていじけ込むてゐる。天気の好い日でも格子戸の方の雨戸だけは
閉切
(
しめき
)
ツて、臺所口から出入してゐる。
昔の女
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
▼ もっと見る
居間の前へくると杉戸がぴったりと
閉切
(
しめき
)
ってあった。室内では
死面
(
デスマスク
)
をとっているのであった。次の室にも多くの人がいた。手前の控室のようなところには
紅蓮洞
(
ぐれんどう
)
氏がしきりに
気焔
(
きえん
)
をあげていた。
松井須磨子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
幾日も障子襖を
閉切
(
しめき
)
つたまゝ炭の火で無暗と暖める爲めであらう、室内の空氣は多量の炭酸瓦斯を含んで重く沈滯してゐる。
新帰朝者日記
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
黙っていろよ、何んにも言うな、きっと誰にも
饒舌
(
しゃべ
)
るでねえぞ、と言い続けて、
内
(
うち
)
へ帰って、
納戸
(
なんど
)
を
閉切
(
しめき
)
って暗くして、お
仏壇
(
ぶつだん
)
の前へ
筵
(
むしろ
)
を敷いて、
其処
(
そこ
)
へざくざくと
装上
(
もりあ
)
げた。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
この風と共に寒さは日にまし強くなって
閉切
(
しめき
)
った家の戸や
障子
(
しょうじ
)
が
絶間
(
たえま
)
なくがたりがたりと悲しげに動き出した。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
翌日
(
あくるひ
)
は
一日
(
いちにち
)
寝てござった。
午
(
ひる
)
すぎに女中が二人ついて、この
御堂
(
みどう
)
へ参詣なさった
御新姐
(
ごしんぞ
)
の姿を見て、私は
慌
(
あわ
)
てて、客人に知らさぬよう、暑いのに、
貴下
(
あなた
)
、この障子を
閉切
(
しめき
)
ったでございますよ。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
この風と共に寒さは日にまし強くなつて
閉切
(
しめき
)
つた家の戸や
障子
(
しやうじ
)
が
絶間
(
たえま
)
なくがたり/\と悲しげに動き出した。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
湯
(
ゆ
)
に
行
(
い
)
つた
留守
(
るす
)
か、もの
越
(
ごし
)
、
氣勢
(
けはひ
)
もしないが、
停車場
(
ステイシヨン
)
から
俥
(
くるま
)
で
走
(
はし
)
らした三
人
(
にん
)
の
客
(
きやく
)
、
其
(
そ
)
の三
人
(
にん
)
が
其處
(
そこ
)
に、と
思
(
おも
)
つて、
深
(
ふか
)
く
注意
(
ちうい
)
した、——
今
(
いま
)
は
背後
(
うしろ
)
に
成
(
な
)
つた——
取着
(
とツつ
)
きの
電燈
(
でんとう
)
を
裡
(
うち
)
に
閉切
(
しめき
)
つた、
障子
(
しやうじ
)
の
前
(
まへ
)
へ
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
昨夜のままに電燈のついている
閉切
(
しめき
)
った座敷の中の蒸暑さが
一際
(
ひときわ
)
胸苦しく、我ながら寐臭い
匂
(
にお
)
いに頭が痛くなるようなので、君江は夜具の上から
這
(
は
)
い出して窓の雨戸を明けようとした。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
春は
閉切
(
しめき
)
った
家
(
うち
)
の中までも陽気におとずれて来たのである。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
春は
閉切
(
しめき
)
つた
家
(
うち
)
の中までも陽気におとづれて来たのである。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
閉
常用漢字
小6
部首:⾨
11画
切
常用漢字
小2
部首:⼑
4画
“閉”で始まる語句
閉
閉籠
閉口
閉塞
閉場
閉鎖
閉門
閉込
閉伊
閉出