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金粉
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きんぷん
ふりがな文庫
“
金粉
(
きんぷん
)” の例文
そうしてその葉が、峰と峰との
裂
(
さ
)
け
目
(
め
)
から
渓合
(
たにあ
)
いへ
溢
(
あふ
)
れ込む光線の中を、ときどき
金粉
(
きんぷん
)
のようにきらめきつつ水に落ちる。
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
金粉
(
きんぷん
)
の日をあびて小鳥が飛びかい、樹上に胸をふくらまして千
囀
(
てん
)
百
囀
(
てん
)
する。万物がみないきいきとよみがえったのだ。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
時々、ヘッドライトに照された
羽虫
(
はむし
)
の群が、
窓外
(
そうがい
)
に
金粉
(
きんぷん
)
のように散るほか、何んの変った様子もなかった。
鉄路
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
利助
(
りすけ
)
の
陶器
(
とうき
)
の
特徴
(
とくちょう
)
は、その
繊細
(
せんさい
)
な
美妙
(
びみょう
)
な
感
(
かん
)
じにありました。
彼
(
かれ
)
は
薄手
(
うすで
)
な、
純白
(
じゅんぱく
)
な
陶器
(
とうき
)
に
藍
(
あい
)
と
金粉
(
きんぷん
)
とで、
花鳥
(
かちょう
)
や、
動物
(
どうぶつ
)
を
精細
(
せいさい
)
に
描
(
えが
)
くのに
長
(
ちょう
)
じていたのであります。
さかずきの輪廻
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
と思うと、その煙の向うにけたたましく何か
爆
(
は
)
ぜる音がして、
金粉
(
きんぷん
)
のような
火粉
(
ひのこ
)
がばらばらと
疎
(
まば
)
らに空へ舞い上りました。私は気の違ったように妻へ
獅噛
(
しが
)
みつきました。
疑惑
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
薄寒い二月の夜、月が
町家
(
ちょうか
)
の屋根の上から出かかって、
四方
(
あたり
)
は
金粉
(
きんぷん
)
を
撒
(
ま
)
いたような光が
薫
(
くん
)
じます。
銭形平次捕物控:048 お藤は解く
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
高瀬で造り出した
奇応丸
(
きおうがん
)
は、木曾山でとれる
熊
(
くま
)
の
胆
(
い
)
を土台にして、それにシナ朝鮮のほうから来る
麝香
(
じゃこう
)
やにんじんなぞを用い、形もごく小粒な飲みいい丸薬として
金粉
(
きんぷん
)
をかけたものですが
力餅
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
無論
(
むろん
)
それは
言
(
い
)
わば
刀
(
かたな
)
の
精
(
せい
)
だけで、
現世
(
げんせ
)
の
刀
(
かたな
)
ではないのでございましょうが、しかしいかに
査
(
しら
)
べて
見
(
み
)
ても、
金粉
(
きんぷん
)
を
散
(
ち
)
らした、
濃
(
こ
)
い
朱塗
(
しゅぬ
)
りの
装具
(
つくり
)
といい、
又
(
また
)
それを
包
(
つつ
)
んだ
真紅
(
しんく
)
の
錦襴
(
きんらん
)
の
袋
(
ふくろ
)
といい
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
世界に降らす
金粉
(
きんぷん
)
。
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
金粉
(
きんぷん
)
の
塵
(
ちり
)
に音なき
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
私
(
わたし
)
は、
利助
(
りすけ
)
の
作
(
さく
)
がたまらなく
好
(
す
)
きだ。まあ、この
藍色
(
あいいろ
)
の
冴
(
さ
)
えていてみごとなこと。
金粉
(
きんぷん
)
の
色
(
いろ
)
もその
時分
(
じぶん
)
とすこしも
変
(
か
)
わらない。
上等
(
じょうとう
)
のものを
使
(
つか
)
っていたとみえる。
さかずきの輪廻
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
薄寒い二月の夜、月が町家の屋根の上から出かゝつて、四方は
金粉
(
きんぷん
)
を撒いたやうな光が
薫
(
くん
)
じます。
銭形平次捕物控:048 お藤は解く
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
二人
(
ふたり
)
ののぞく
頭
(
あたま
)
のあいだから、
太陽
(
たいよう
)
ものぞくように、
光
(
ひかり
)
はかんの
中
(
なか
)
へ
射
(
い
)
こんで、
金魚
(
きんぎょ
)
のからだが、さんらんとして、
真紅
(
しんく
)
に
金粉
(
きんぷん
)
をちらすがごとくもえるのでした。
夢のような昼と晩
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「きっと、
金粉
(
きんぷん
)
を
塗
(
ぬ
)
ったのだろう。そうでなかったら、
重
(
おも
)
くて、けいこなんか、できやしない。」
日月ボール
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
後
(
あと
)
には、ただ、
永久
(
えいきゅう
)
に、
青
(
あお
)
い
空
(
そら
)
の
色
(
いろ
)
が
澄
(
す
)
んでいました。そして、たなの
中
(
なか
)
には、ねずみを
描
(
か
)
いた、
金粉
(
きんぷん
)
の
光
(
ひかり
)
の
淡
(
あわ
)
い
利助
(
りすけ
)
のさかずきが、どんよりとした
光線
(
こうせん
)
の
中
(
なか
)
にまどろんでいるのでした。
さかずきの輪廻
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
“金粉”の意味
《名詞》
(きんぷん、きんこ)金または金色の合金の粉末。
(きんこ)いかさま賭博に使う中に金粉を入れ、特定の目が出るように細工したさいころ。
(出典:Wiktionary)
金
常用漢字
小1
部首:⾦
8画
粉
常用漢字
小5
部首:⽶
10画
“金粉”で始まる語句
金粉繕
金粉酒
金粉煙草
金粉玉屑