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野天
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のてん
ふりがな文庫
“
野天
(
のてん
)” の例文
にわかに隣り合った
野天
(
のてん
)
ばくちの小屋の者は、見ても無関心だった。第一、ここに立った碑にたいしてすら何の関心もないらしい。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
北支那の
市
(
まち
)
から市を渡って歩く
野天
(
のてん
)
の見世物師に、
李小二
(
りしょうじ
)
と云う男があった。
鼠
(
ねずみ
)
に芝居をさせるのを商売にしている男である。
仙人
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
カモは
野天
(
のてん
)
でねるほうがすきだったものですから、
庭
(
にわ
)
でねむっていたのですが、ニワトリたちがバタバタにげていく音に目をさましました。
ならずもの
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
たとえば
野獣
(
やじゅう
)
も
盗賊
(
とうぞく
)
もない国で、安心して
野天
(
のてん
)
や明け
放
(
はな
)
しの家で
寝
(
ね
)
ると、
風邪
(
かぜ
)
を引いて
腹
(
はら
)
をこわすかもしれない。○を
押
(
お
)
さえると△があばれだす。
蛆の効用
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
と
野天
(
のてん
)
藝人を一々立つて見た上、今度は足藝と
河童
(
かつぱ
)
、ろくろ首に大蛇の鹽漬、といつた小屋掛の見世物を覗いて、一
刻
(
とき
)
ばかり後には、鳥娘の
繪看板
(
ゑかんばん
)
の前に
銭形平次捕物控:031 濡れた千両箱
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
……どうぞ助けると思って僕を他の室に……エッ……室が満員なんですって? そんなら
野天
(
のてん
)
でも構いません。どうぞどうぞ後生ですから、僕を別の室に……。
狂人は笑う
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
ただこのときの伴蔵が傍らの志丈もあとで賞めるよう「悪いという悪い事は二、三の水出し、
遣
(
や
)
らずの
最中
(
もなか
)
、
野天
(
のてん
)
丁半の鼻ッ張り、ヤアの
賭場
(
とば
)
まで逐ってきたのだ」
我が円朝研究:「怪談牡丹灯籠」「江島屋騒動」「怪談乳房榎」「文七元結」「真景累ヶ淵」について
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
驛名を書いた
立札
(
たてふだ
)
の雨風に
晒
(
さら
)
されて黒く汚れたのが、雜草の生えた
野天
(
のてん
)
のプラツトフオームに立つてゐる
眞似事
(
まねごと
)
のやうな
停車場
(
ステーシヨン
)
を、汽車は一
聲
(
せい
)
の
汽笛
(
きてき
)
とゝもに過ぎ去つた。
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
側
(
そば
)
へ寄って見ると、そこには
小屋掛
(
こやがけ
)
もしなければ、
日除
(
ひよけ
)
もしてないで、
唯
(
ただ
)
野天
(
のてん
)
の
平地
(
ひらち
)
に親子らしいお
爺
(
じい
)
さんと男の子が立っていて、それが大勢の見物に取り巻かれているのです。
梨の実
(新字新仮名)
/
小山内薫
(著)
これを積み置く場所もなき有様でござりまする、
野天
(
のてん
)
へ投げ出して、せっかくの天物を
空
(
むな
)
しく風雨にさらし置くは
勿体
(
もったい
)
なきことの至りでござりまする、それがために尾張領ではただいま
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
野天
(
のてん
)
に
大釜
(
おおがま
)
をかけた
土竈
(
どべっつい
)
からは青々とした煙の立ち上るのも目につきました。
力餅
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
わたしが、ジョリクールといっしょに
宿
(
やど
)
に待っているあいだに親方がさかり場で一けん見世物小屋を見つけた。なにしろ
野天
(
のてん
)
で
興行
(
こうぎょう
)
するなんということはこの寒さにできない
相談
(
そうだん
)
であった。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
悪く行き合せると、田舎の事だから
牡丹餅
(
ぼたもち
)
をこしらえてる、
餡粉
(
あんこ
)
の草餅を揉んでる。まあまあ、どうぞお一つ、それやアお一つ、てこ盛りで、勧め方があくどいからね。それに
野天
(
のてん
)
は暑いし。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
トキワ館のそばに、岩をくんだ
野天
(
のてん
)
ぶろがあります。三人はまずそこへはいって、およいだり、お湯のかけっこをやったり、大はしゃぎをしたあとで、部屋にもどって、おいしい夕食をたべました。
天空の魔人
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
おゝ、ロミオ、
若
(
も
)
し
足下
(
おぬし
)
の
戀人
(
おてき
)
が、な、それ、
開放
(
あけっぱな
)
しの
何
(
なに
)
とやらで、そして
足下
(
おぬし
)
が
彼女
(
あれ
)
の
細長林檎
(
ほそながりんご
)
であつたなら! ロミオ、さらば。
野天
(
のてん
)
の
床
(
とこ
)
では
寒
(
さぶ
)
うて
寢
(
ね
)
られぬ、
下司床
(
げすどこ
)
で
臥
(
ね
)
よう。さ、
往
(
ゆ
)
かうか?
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
「家の中よりは、広々とした
野天
(
のてん
)
に寝る方が気楽でよいからのう」
キンショキショキ
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
低い雲は
野天
(
のてん
)
を覆つてゐる。
展望
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
この辺の
顔役
(
かおやく
)
、
花隈
(
はなくま
)
の
熊
(
くま
)
と、
生田
(
いくた
)
の
万
(
まん
)
という親分が、この街道すじの客をあいてに、毎年の例で、
野天
(
のてん
)
で餅つきの盆ござ興行をいたすのだ。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ところが、
野天
(
のてん
)
に寝て、
不味
(
まず
)
い物を食うようになってから、不思議に弥三郎の病気は癒って行きました。
銭形平次捕物控:023 血潮と糠
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
蟇のこゑ
野天
(
のてん
)
にひびく
午
(
ひる
)
ちかく
焦
(
こげ
)
いろの風も麥あふり吹く
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
いうまでもなく、
野天
(
のてん
)
ばくち。毎年の例で、この辺の
港場
(
みなとば
)
の船持、漁夫、町の金持、街道すじの旅の者などみな集まる。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と
野天
(
のてん
)
芸人をいちいち立って見た上、今度は足芸と
河童
(
かっぱ
)
、ろくろ首に大蛇の塩漬、といった小屋掛の見世物を覗いて、
一刻
(
いっとき
)
(二時間)ばかり後には、鳥娘の絵看板の前に
銭形平次捕物控:031 濡れた千両箱
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
蟇のこゑ
野天
(
のてん
)
にひびく
午
(
ひる
)
ちかく
焦
(
こげ
)
いろの風も麦あふり吹く
白南風
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
蛾次郎、それをかき
集
(
あつ
)
めては、毎日、卜斎の家を
留守
(
るす
)
にして、
野天
(
のてん
)
の
芝居
(
しばい
)
をみたり
買
(
か
)
い
食
(
ぐ
)
いに日を
暮
(
く
)
らしている。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
野
常用漢字
小2
部首:⾥
11画
天
常用漢字
小1
部首:⼤
4画
“野天”で始まる語句
野天掘
野天狗
野天商人
野天声
野天行
野天丁半
野天兵糧
野天博奕
野天小屋
野天芸人