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落胆
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がつかり
ふりがな文庫
“
落胆
(
がつかり
)” の例文
旧字:
落膽
然
(
さ
)
うだ、
死
(
し
)
んだと
言
(
い
)
へば、
生死
(
いきしに
)
の
分
(
わか
)
らなかつた、お
前
(
まへ
)
の
無事
(
ぶじ
)
な
顔
(
かほ
)
を
見
(
み
)
た
嬉
(
うれ
)
しさに、
張詰
(
はりつ
)
めた
気
(
き
)
が
弛
(
ゆる
)
んで
落胆
(
がつかり
)
して、
其
(
それ
)
つ
切
(
きり
)
に
成
(
な
)
つたんだ。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
落胆
(
がつかり
)
して家を出て、
急足
(
はやあし
)
で何時もの酒屋に来て見れば、これも
何
(
ど
)
うしたか消えて仕舞つて、その代に大きな、古びた、木造りの家がありました。
新浦島
(新字旧仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
サモ
落胆
(
がつかり
)
した様に言つて、『然しです、何か理由が、
然
(
さ
)
う
被仰
(
おつしや
)
るからには有らうぢやありませんか? それを話して頂く訳にいかないんですか?』
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
往つてみると、伯耆にも色々山はあつたが、二人が
平素
(
ふだん
)
描
(
か
)
き馴れてゐるやうな珍らしい山は一つも無かつた、二人は
落胆
(
がつかり
)
して今一つの方へ出掛けた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
そして、
落胆
(
がつかり
)
して、悲観してゐる欣之介に対しても
寧
(
むし
)
ろ「君などは身体がいゝんだから、これからだつて何をしようとも好きだ。」と云つて
羨
(
うらやま
)
しがつてゐた。
新らしき祖先
(新字旧仮名)
/
相馬泰三
(著)
▼ もっと見る
「いや俺のは小さいんだ、胴の太さは直径五寸位ひのもので好いんだ。」と私は、
落胆
(
がつかり
)
しながら性急に答へた。私は、あれと同じ説明を何処ででも返つて求められたのだ。
鱗雲
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
再び驚いたが、もう
落胆
(
がつかり
)
する勇気も無い。私はつか/\とその店頭へ歩み寄つた。
岬の端
(新字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
家の中が
賑
(
にぎや
)
かだつたが、
伜
(
せがれ
)
——孫の父親——の嫁が去年病死してから、伜は非常に
落胆
(
がつかり
)
して、神経衰弱で寝てゐると云つて私に会はせない、それが私にある疑問を抱かせずにおかなかつた。
念仏の家
(新字旧仮名)
/
小寺菊子
(著)
お峯は車より下りて
开処
(
そこ
)
此処と尋ぬるうち、
凧
(
たこ
)
紙風船などを軒につるして、子供を集めたる駄菓子やの
門
(
かど
)
に、もし三之助の交じりてかと
覗
(
のぞ
)
けど、影も見えぬに
落胆
(
がつかり
)
して思はず
徃来
(
ゆきき
)
を見れば
大つごもり
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
晴代は
落胆
(
がつかり
)
してしまつたが、遊ぶ金だけは
能
(
よ
)
く
拵
(
こしら
)
へるものだと感心した。
のらもの
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
いかにも
落胆
(
がつかり
)
したやうな様子し乍ら、奥様は丑松の前に
座
(
すわ
)
つた。『
斯様
(
こん
)
なことになりやしないか、と思つて私も心配して居たんです。』と前置をして、さて奥様は
昨宵
(
ゆうべ
)
の出来事を丑松に話した。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「
御金
(
おかね
)
は、
彼所
(
あすこ
)
ぢや
頂
(
いたゞ
)
けないのよ」と云つた。三四郎は
落胆
(
がつかり
)
した。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
と、弥生夫人は
落胆
(
がつかり
)
しながら、好奇心を湧きたゝせた。
泉
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
信吾の帰つた後の智恵子は、妙に
落胆
(
がつかり
)
して気が沈んだ。今日一日の
己
(
おの
)
が心が我ながら怪まれる。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
彼は
落胆
(
がつかり
)
して吐息をついた。持つてゐた
鍬
(
くは
)
が彼の手から滑り落ちて、力なく地べたに倒れた。
新らしき祖先
(新字旧仮名)
/
相馬泰三
(著)
はあ、よもや、とは
思
(
おも
)
ふたが、
矢張
(
やつぱ
)
り
鯰
(
なまづ
)
めが
来
(
う
)
せたげな。えゝ、
埒
(
らち
)
もない、と
気
(
き
)
が
抜
(
ぬ
)
けて、
又
(
また
)
番人
(
ばんにん
)
ぢや、と
落胆
(
がつかり
)
したゞが、
其
(
そ
)
の
晩
(
ばん
)
もう
一度
(
いちど
)
行
(
ゆ
)
く、と
待
(
ま
)
つとも
無
(
な
)
う
夜
(
よる
)
が
更
(
ふ
)
けても、
何時
(
いつも
)
の
影
(
かげ
)
は
映
(
うつ
)
らなんだ。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
その男を送出して室に帰ると、後藤君は
落胆
(
がつかり
)
した様な顔をして、眉間に深い皺を寄せてゐた。
札幌
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「あゝ、
埒
(
らち
)
あかぬ。」と
呟
(
つぶや
)
いて
落胆
(
がつかり
)
する。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と、お定は今の素振を、お八重が何と見たかと気がついて、
心羞
(
うらはづ
)
かしさと
落胆
(
がつかり
)
した心地でお八重の顔を見ると、其美しい眼には涙が浮かんでゐた。それを見ると、お定の眼にも
遽
(
には
)
かに涙が湧いて来た。
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
“落胆”の意味
《名詞》
落胆(らくたん)
がっかりすること。力を落とすこと。
(出典:Wiktionary)
落
常用漢字
小3
部首:⾋
12画
胆
常用漢字
中学
部首:⾁
9画
“落”で始まる語句
落
落着
落魄
落葉松
落人
落葉
落籍
落付
落語家
落莫