世界怪談名作集:07 ヴィール夫人の亡霊 (新字新仮名) / ダニエル・デフォー(著)
崇高な荒唐無稽な心境を至るところにもち出そうと熱中してる、末流の詩的修辞家らと、本物のコルネイユとを、彼はもはや区別しなかった。
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市 (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
こんなことが言い伝えに残りましたら、昔の荒唐無稽な、誇張の多い小説の筋と同じように思われることでしょう。
源氏物語:49 総角 (新字新仮名) / 紫式部(著)
日和下駄:一名 東京散策記 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット (新字新仮名) / ヴィクトル・ユゴー(著)
半信半疑というところであったが、余人はいざ知らず私だけには事あの三人に関する限りこういう荒唐無稽な風説をも一概に一蹴することのできぬある割り切れぬものを感じていた。
あの荒唐無稽な『西遊記』などを読まなかったら、私は物理学者にならなかったであろう——と、いう意味のことを、雪の学者中谷宇吉郎博士が、なんかに書いていたのを見たことがある。
随筆銭形平次:14 捕物帖談義 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
明治劇談 ランプの下にて (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
そうでないと、とんだ荒唐無稽に見えるかもしれませんので
クリスマス・イーヴ (新字新仮名) / ワシントン・アーヴィング(著)
「そりゃ困りますね、新聞種としては、かえってその方が読者に受けるんですから、それに、このうわさは博士が人に言いふらしていたということですから、風説の出どこもまるで荒唐無稽ではないんです」
が、それもまんざら根のない荒唐無稽とはいいきれない。
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そしては自分の荒唐無稽な小さい頭脳の中に逃げ込んで、いろんな話をみずから考え出した。愛し愛されたい激しい女らしい欲求をもっていた。
ジャン・クリストフ:08 第六巻 アントアネット (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
「間違いの多い昔話などを申していたのでしょう。怪しくなりました記憶から取り出します話には荒唐無稽な夢のようなこともあるのでございますよ」
源氏物語:34 若菜(上) (新字新仮名) / 紫式部(著)
『地球盗難』の作者の言葉 (新字新仮名) / 海野十三(著)
銭形平次捕物控:025 兵糧丸秘聞 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
劇詩の筋は荒唐無稽で、まったく訳がわからなかった。クリストフは何にも見分けることができなかった。
ジャン・クリストフ:03 第一巻 曙 (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
で彼は、自分がたいへん強いりっぱな者になったこととし、同時に、彼女が自分に恋をしてるときめた。そして彼は例の荒唐無稽な話を一つみずから語り始めた。
ジャン・クリストフ:03 第一巻 曙 (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
やれ荒唐無稽じゃ何じゃと流れ弾がとんでくることであろうが、本篇の巧拙価値はまず措き、とにかくわれわれ日本民族はもっと「科学の夢」「冒険の夢」を持たないことには
『十八時の音楽浴』の作者の言葉 (新字新仮名) / 海野十三(著)
目羅博士の不思議な犯罪 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
やっぱり悪人が椅子の中へかくれて、いたずらをする話ですが、その小説家の荒唐無稽を、『黒トカゲ』はまんまと実行して見せました。今お話しのよごれものにしてもそうですよ。
若し諸君が、私の記述を信じて下さるならば、そして、この荒唐無稽とも見える物語を最後まで聞いて下さるならば、では、これからその秘密譚というのを始めることに致しましょうか。