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苦労
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くらう
栄えよかしで
祝はれて
嫁に来たのだ、
改良竈と同じく
燻るへきではない、
苦労するなら一度
還つて
出直さう。いかさまこれは
至言と考へる。
大降小降幾度か
雨に
濡れ、おまけに
地震にあつた、
裾短な
白絣の
赤くなるまで、
苦労によれ/\の
形で、
黒の
信玄袋を
緊乎と、
柄の
巌丈な
蝙蝠傘。
しかしかういふ
心になるまでには、
私を
教へるために
毎日、
毎晩、
見る
者、
聞くものについて、
母様がどんなに
苦労をなすつて、
丁寧に
親切に
飽かないで、
熱心に
那の
流れは
其麼病にでもよく
利きます、
私が
苦労をいたしまして
骨と
皮ばかりに
体が
朽れましても
半日彼処につかつて
居りますと、
水々しくなるのでございますよ。
些とお
話もいかゞぢやから、
前刻はことを
分けていひませなんだが、
昨夜も
白痴を
寝かしつけると、
婦人が
又炉のある
処へやつて
来て、
世の
中へ
苦労をして
出やうより、
夏は
涼しく、
冬は
暖い