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突如
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だしぬけ
ふりがな文庫
“
突如
(
だしぬけ
)” の例文
剪刀
(
はさみ
)
の刃音が頭の
天辺
(
てつぺん
)
で小鳥のやうに
囀
(
さへづ
)
つてゐるのを聞きながら、うと/\としてゐると、
突如
(
だしぬけ
)
に窓の隙間から号外が一つ投げ込まれた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
突如
(
だしぬけ
)
に斯う云った人があったのです。見返ると、あの
可厭
(
いやな
)
々々学生が、何時か私達の傍近くに立って居たではありませんか。
昇降場
(新字新仮名)
/
広津柳浪
(著)
突如
(
だしぬけ
)
に横合から根こぎにするなどは、乱暴極まるぢやないか、松島のは社会主義に対する帝国主義の敗北、我輩のは金力に対する権力の失敗ぢや
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
辰男は物をも言わず、
突如
(
だしぬけ
)
に起上った。そして、
裾
(
すそ
)
の短い
寝衣
(
ねまき
)
のままランプを持って階下へ下りて行った。
行灯
(
あんどん
)
の火は今にも消えそうに揺めいていた。
入江のほとり
(新字新仮名)
/
正宗白鳥
(著)
折柄警部は次の
室
(
ま
)
にて食事中なりしかば其終りて
出来
(
いできた
)
るを待ち
突如
(
だしぬけ
)
に「長官大変です」荻沢は
半拭
(
はんけち
)
にて髭の
汚
(
よご
)
れを
無惨
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
▼ もっと見る
そして
妄
(
やたら
)
と頭を押へて見て、また頭を振つて、ふら/\と其處らを歩𢌞ツてゐた。……かと思ふと、
突如
(
だしぬけ
)
に
解剖室
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
「君の評判は大したもんですぜ。」と和泉屋は
突如
(
だしぬけ
)
に
高声
(
たかごえ
)
で
弁
(
しゃべ
)
り出した。「
先方
(
さき
)
じゃもうすっかり気に入っちゃって、何が何でも一緒にしたいと言うんです。」
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
ヤ細川!
突如
(
だしぬけ
)
に
出発
(
たった
)
ので驚いたろう、何急に東京を娘に見せたくなってのう。十日ばかりも居る積じゃったが
癪
(
しゃく
)
に
触
(
さわ
)
ることばかりだったから三日居て
出立
(
たっ
)
て
了
(
しま
)
った。
富岡先生
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
じつは私としてはまったく
突如
(
だしぬけ
)
に皆さんの
御承諾
(
ごしょうだく
)
の御返事をいただいたような始末でして……まったく発起人という名義を貸しただけでして……発起人としてかようなことを
遁走
(新字新仮名)
/
葛西善蔵
(著)
鼠がまた
突如
(
だしぬけ
)
に天井裏を走る。風はまだ吹き止まない。
釣
(
つるし
)
ランプの火は絶えず
動揺
(
ゆらめ
)
く。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
夏の午後に
突如
(
だしぬけ
)
に起つて来た暴風雨の早さには及ぶことが出来なかつたのであつた。
島からの帰途
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
ト
突如
(
だしぬけ
)
に昇が
轟然
(
ごうぜん
)
と一大笑を発したので、お勢は
吃驚
(
びっくり
)
して顔を振揚げて視て
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
当日は、私は何かの都合であったか
堀田原
(
ほったわら
)
の家に休んでおりました。日暮れ少し前頃に、私の家の表の
這入
(
はい
)
り口に地主の岡田というのがあって、その次男が私の宅へ飛び込んで来て、
突如
(
だしぬけ
)
に
幕末維新懐古談:25 初めて博覧会の開かれた当時のことなど
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
などと
突如
(
だしぬけ
)
に
吹聴
(
ふいちょう
)
されて、僕は
大
(
おおい
)
に
面喰
(
めんくら
)
うことがある。
親鳥子鳥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
と帆村は
突如
(
だしぬけ
)
に、図書館の宿直氏にたずねた。
流線間諜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
辰男は物をも云はず、
突如
(
だしぬけ
)
に起き上つた。そして、裾の短い
寢衣
(
ねまき
)
のまゝランプを持つて階下へ下りて行つた。
行燈
(
あんどん
)
の火は今にも消えさうに搖らめいてゐた。
入江のほとり
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
周三は
垂頭
(
うつむ
)
き加減で、默ツて、
神妙
(
しんめう
)
に聞いてゐたが、
突如
(
だしぬけ
)
に、「だが、其の
贅澤
(
ぜいたく
)
を行ツてゐた時分と、今と、何方が氣樂だと思ひます。」とぶしつけに
訊
(
たづ
)
ねる。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
すると、
突如
(
だしぬけ
)
に男のおいおい泣き出すのが聞えて来た。雌に逃げられた
狗
(
いぬ
)
の泣くやうな声である。実業家は手にとつた
盃
(
さかづき
)
を下において、慌ててまた襖にすり寄つた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
鼠
(
ねずみ
)
がまた
突如
(
だしぬけ
)
に
天井裏
(
てんじやうゝら
)
を走る。風はまだ吹き
止
(
や
)
まない。
釣
(
つるし
)
ランプの火は絶えず
動揺
(
ゆらめ
)
く。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
「アイ、
二十日
(
はつか
)
が俺の誕生日だツて、
阿母
(
おつかあ
)
が今川焼三銭買つて、
父
(
ちやん
)
の仏様へ上げて、あとは俺が皆な食べたよ」と、
突如
(
だしぬけ
)
に返事したるは、
覚束
(
おぼつか
)
なき賃仕事に細き
烟
(
けむり
)
立て兼ぬる
新後家
(
しんごけ
)
の
伜
(
せがれ
)
なり
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
主人は来れば
急度
(
きっと
)
湯に入って、一晩泊って行くことにしていたが、お
終
(
しまい
)
に別れてから、物の二日とたたぬうちに、また遣って来た。東京から
突如
(
だしぬけ
)
に出て来たお島の父親をつれて来たのであった。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
と小童は
突如
(
だしぬけ
)
に怒鳴つた。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
と
突如
(
だしぬけ
)
に
後
(
うしろ
)
から肩を叩くものがある。びツくりして振返ると、夜目だから、
能
(
よ
)
く
判
(
わか
)
らぬが、脊の高い
痩
(
やせ
)
ツこけた白髮の老人が、のツそりと立ツてゐるのであツた。
水郷
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
夕餐
(
ゆうめし
)
の
膳
(
ぜん
)
が片づいて、皆ながあちこちへ別れているところへ、俥夫の
提灯
(
ちょうちん
)
を先に、
突如
(
だしぬけ
)
に暗い土間へ入ってきた。散らばっていた家の者はまたぞろぞろ出てきて一ところに集まった。
入江のほとり
(新字新仮名)
/
正宗白鳥
(著)
「何だつて
突如
(
だしぬけ
)
にそんな事を仰有るんです。」
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
夕餐
(
ゆふめし
)
の膳が片付いて、皆んなが
彼方此方
(
あちらこちら
)
へ別れてゐるところへ、俥夫の
提灯
(
ちやうちん
)
を先に、
突如
(
だしぬけ
)
に暗い土間へ入つて來た。散らばつてゐた家の者はまたぞろ/\出て來て一ところ/\に集つた。
入江のほとり
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
“突如”の意味
《形容動詞》
予想しない事態が前触れもなく起こるさま。
(出典:Wiktionary)
突
常用漢字
中学
部首:⽳
8画
如
常用漢字
中学
部首:⼥
6画
“突”で始まる語句
突
突然
突立
突込
突出
突飛
突兀
突伏
突張
突嗟