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いけばな
ふりがな文庫
“
活花
(
いけばな
)” の例文
中川君、それではね、食卓を飾るのに西洋風の粗雑な
掴
(
つか
)
み
挿
(
ざ
)
しの花を用いずとも
我邦
(
わがくに
)
には古来より練習した
活花
(
いけばな
)
の特技があるでないか。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
陸は遠州流の
活花
(
いけばな
)
をも学んだ。
碁
(
ご
)
象棋
(
しょうぎ
)
をも母
五百
(
いお
)
に学んだ。五百の碁は二段であった。五百はかつて
薙刀
(
なぎなた
)
をさえ陸に教えたことがある。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
そう云えば、此間、国際文化振興会主催で、輸出する映画日本の小学校、
活花
(
いけばな
)
、日本画家の一日、日本の陶磁器などを見ました。
獄中への手紙:04 一九三七年(昭和十二年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
この建物のなかには、小さい
床
(
とこ
)
の
間
(
ま
)
を持った部屋があって、時々少年囚に、礼儀作法や
活花
(
いけばな
)
をここで教えられるのだそうです。
新生の門:――栃木の女囚刑務所を訪ねて
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
活花
(
いけばな
)
の稽古の真似もするのがあって、水際、
山懐
(
やまふところ
)
にいくらもある、山菊、野菊の花も葉も、そこここに乱れていました。
菊あわせ
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
這入
(
はい
)
って見廻しただけで既に胴ぶるいの出そうな冷たさをもった部屋である。置時計、銅像、懸物、
活花
(
いけばな
)
、ことごとくが寒々として見えるから妙である。
新年雑俎
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
その室の特長として映るものは自分の家とは
全
(
まる
)
でかけ
放
(
はな
)
れた明るさをもち、新しさをもち、その上掛軸や
活花
(
いけばな
)
が整然として飾られているように思われた。
香爐を盗む
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
東の
隅
(
すみ
)
に一夜作りの
舞台
(
ぶたい
)
を設けて、ここでいわゆる高知の何とか踴りをやるんだそうだ。舞台を右へ半町ばかりくると
葭簀
(
よしず
)
の囲いをして、
活花
(
いけばな
)
が
陳列
(
ちんれつ
)
してある。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
少女は、一人でじっと悲しさや不安に沈みながらもふと今日は姉の
活花
(
いけばな
)
の日であるという事を思出した。
咲いてゆく花
(新字新仮名)
/
素木しづ
(著)
越後はベッドの上に大きくあぐらを
掻
(
か
)
いて、娘さんの
活花
(
いけばな
)
の
手際
(
てぎわ
)
をいかにも、たのしそうに眺めながら
パンドラの匣
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
白猿
(
はくゑん
)
の
余光
(
よくわう
)
で
抱一
(
はういつ
)
不白
(
ふはく
)
などの
許
(
もと
)
へも
立入
(
たちい
)
るやうになり、
香茶
(
かうちや
)
活花
(
いけばな
)
まで器用で
間
(
ま
)
に
合
(
あは
)
せ、
遂
(
つひ
)
に
此人
(
このひと
)
たちの
引立
(
ひきたて
)
にて
茶道具屋
(
ちやだうぐや
)
とまでなり、
口前
(
くちまへ
)
一
(
ひと
)
つで
諸家
(
しよけ
)
に
可愛
(
かあい
)
がられ
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
活花
(
いけばな
)
にても遠州流など申して、一定の法則を
墨守
(
ぼくしゅ
)
致し候も有之候へども、これ恐らくは
小堀遠州
(
こぼりえんしゅう
)
の本意にはあるまじく、要するに趣味は規則をはづれて千変万化する所に可有之候。
病牀六尺
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
ひとつは銀之丞が江戸で名高い、観世宗家の一族として、名流の子弟であるからでもあったが、主人嘉介が風流人で、茶の湯
活花
(
いけばな
)
の心得などもあり、謡の味なども知っていたからであった。
名人地獄
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
極意だの免許皆伝などというのは茶とか
活花
(
いけばな
)
とか忍術とか剣術の話かと思っていたら、
関孝和
(
せきたかかず
)
の算術などでも
斎戒沐浴
(
さいかいもくよく
)
して血判を
捺
(
お
)
し自分の子供と二人の弟子以外には伝えないなどとやっている。
デカダン文学論
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
その後陶庵侯が京都の田中村に隠退してゐる頃、漱石氏も京都へ遊びに来合せてゐたので、それを機会に二人をさし向ひに
衝
(
つ
)
き合はせてみようと思つたのは、
活花
(
いけばな
)
去風
(
こふう
)
流の家元西川一草亭であつた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
私たち
活花
(
いけばな
)
を活けるときによく経験することですが、一本の枝を取ってみて、この枝振りも面白くない、あの枝振りも面白くないと言って切り捨ててしまいます。枝ばかりでなく、花も同じことです。
仏教人生読本
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
「こいじゃから
活花
(
いけばな
)
になりもさん」
幻化
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
こっち側は、その生垣と向い合った、しもた
家
(
や
)
で、その隣がまたしもたや、中に池の坊
活花
(
いけばな
)
の教授、とある看板のかかった内が、五六段石段を
上
(
あが
)
って高い。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
数日の後に矢島
優善
(
やすよし
)
が、
活花
(
いけばな
)
の友達を集めて会をしたいが、緑町の家には丁度
好
(
い
)
い座敷がないから、成善の部屋を借りたいといった。成善は部屋を明け渡した。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
都のはやりの派手な着物や帯をどっさり買ってやったら女房は、女心のあさましく、国へ帰ってからも都の人に負けじと美しく装い茶の湯、
活花
(
いけばな
)
など神妙らしく
稽古
(
けいこ
)
して
新釈諸国噺
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
あなたは
定
(
さだ
)
めて変に思うでしょう。その私がそこのお
嬢
(
じょう
)
さんをどうして
好
(
す
)
く余裕をもっているか。そのお嬢さんの下手な
活花
(
いけばな
)
を、どうして
嬉
(
うれ
)
しがって
眺
(
なが
)
める余裕があるか。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
活花
(
いけばな
)
の桃と柳はいうまでもありませんや、燃立つような緋の
毛氈
(
もうせん
)
を五壇にかけて、
炫
(
まばゆ
)
いばかりに飾ってあります、お雛様の様子なんざ、私にゃ分りません、言ったって、聞いたって
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
Kは私に向って、女というものは何にも知らないで学校を出るのだといいました。Kはお嬢さんが学問以外に
稽古
(
けいこ
)
している
縫針
(
ぬいはり
)
だの琴だの
活花
(
いけばな
)
だのを、まるで眼中に置いていないようでした。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「それもそうだねえ。では、あの
活花
(
いけばな
)
は?」
新釈諸国噺
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
知ッてますよ、手習師匠兼業の
奴
(
やっこ
)
なんで、
媽々
(
かかあ
)
が西洋の音楽とやらを教えて、その
婆
(
ばばあ
)
がまた、小笠原礼法
躾方
(
しつけかた
)
、
活花
(
いけばな
)
、茶の湯を
商
(
あきな
)
う、何でもごたごた
娘子
(
むすめッこ
)
の
好
(
すき
)
な者を商法にするッていいます。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ところが今いった琴と
活花
(
いけばな
)
を見たので、急に勇気がなくなってしまいました。
後
(
あと
)
から聞いて始めてこの花が私に対するご
馳走
(
ちそう
)
に活けられたのだという事を知った時、私は心のうちで苦笑しました。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
茶だの、
活花
(
いけばな
)
だの、それより、小鼓を打ってね、この方が
流行
(
はや
)
ったそうです。四五年前に、神田の私の内へ訪ねて来た時、小鼓まで持参して、(八郎さん一調を。)と云うじゃありませんか。
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その時僕はある人に頼まれて、書斎で日本の
活花
(
いけばな
)
の歴史を調べていた。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
活
常用漢字
小2
部首:⽔
9画
花
常用漢字
小1
部首:⾋
7画
“活花”で始まる語句
活花等