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水桶
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みずおけ
ふりがな文庫
“
水桶
(
みずおけ
)” の例文
見ると
甲斐
(
かい
)
甲斐しく袖をからげ、
水桶
(
みずおけ
)
を携えている、——何をするかと思って黙っていると、盆栽の鉢を一つ一つ丁寧に洗いはじめた。
嫁取り二代記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
暫く順一はそれを冷然と見詰めていたが、ふと、ここへはもっと
水桶
(
みずおけ
)
を備えつけておいた方がいいな、と、ひとり
頷
(
うなず
)
くのであった。
壊滅の序曲
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
その境の掘井戸へお吉がなにげなく
水桶
(
みずおけ
)
をさげてゆくと、家の横に三人の侍が、黒い影をたたずませていたので、思わず、胸を騒がせた。
鳴門秘帖:04 船路の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
主に杉の
柾目
(
まさめ
)
を使って曲物を作ります。
柄杓
(
ひしゃく
)
のような簡単なものから、
飯櫃
(
めしびつ
)
だとか
水桶
(
みずおけ
)
だとか
寿司桶
(
すしおけ
)
など、色々と念を入れた品を見出します。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
大ぜいの人たちが
並木道
(
なみきみち
)
をこっちへやってくるではありませんか。ニールスは、あわてて、アーチのそばにあった
水桶
(
みずおけ
)
のうしろにかくれました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
▼ もっと見る
私が
水桶
(
みずおけ
)
の柄を持ってやった時のことを、まだ覚えていますか。私がお前の小さな手に
触
(
さわ
)
ったのは、それが始めてだった。ほんとに冷たい手だった。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
道路の入り口にはすでに盛り砂が用意され、
竹籠
(
たけかご
)
に厚紙を張った消防用の
水桶
(
みずおけ
)
は本陣の門前に
据
(
す
)
え置かれ、玄関のところには
二張
(
ふたはり
)
の幕も張り回された。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
いかなる茸にても
水桶
(
みずおけ
)
の中に入れて
苧殻
(
おがら
)
をもってよくかき
廻
(
まわ
)
してのち食えば決して
中
(
あた
)
ることなしとて、一同この言に従い家内ことごとくこれを食いたり。
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
この色彩は画面を洗ひし
水桶
(
みずおけ
)
の底に
沈澱
(
ちんでん
)
したる絵具を以て塗りたる色の如くむしろ色と呼ばんよりは色なる
感念
(
かんねん
)
を誘起せしむる色づきし雲の影とやいはん。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
めりめりひやりと鳴る音にそりゃ地震よ雷よ、世直し桑原桑原と、我先にと逃げ様に
水桶
(
みずおけ
)
盥
(
たらい
)
僵掛
(
こけかか
)
り、座敷も庭も水だらけになるほどに、
南無三
(
なむさん
)
津浪が打って来るは
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
其処
(
そこ
)
へ東京から新任の県知事がお
乗込
(
のりこみ
)
とあるについて、向った玄関に
段々
(
だんだら
)
の幕を打ち、
水桶
(
みずおけ
)
に真新しい
柄杓
(
ひしゃく
)
を備えて、
恭
(
うやうや
)
しく
盛砂
(
もりずな
)
して、門から
新筵
(
あらむしろ
)
を
敷詰
(
しきつ
)
めてあるのを
国貞えがく
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
見ると
漆喰
(
しっくい
)
で叩き上げた二坪ほどの土間に、例の車屋の
神
(
かみ
)
さんが立ちながら、
御飯焚
(
ごはんた
)
きと車夫を相手にしきりに何か弁じている。こいつは
剣呑
(
けんのん
)
だと
水桶
(
みずおけ
)
の裏へかくれる。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
すりかえの
謀計
(
ぼうけい
)
である。君の鋳物などは最後は
水桶
(
みずおけ
)
の中で型の
泥
(
どろ
)
を割って像を出すのである。準備さえ水桶の中に致しておけば、容易に
至難
(
しなん
)
の作品でも現わすことが出来る。
鵞鳥
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
こう言うと、ポルトガル奥さんは、
水桶
(
みずおけ
)
の中にはいって、水をピシャピシャはねかしました。おかげで、歌をうたう小鳥は、頭から水をかぶって、もうすこしで、おぼれそうになりました。
アヒルの庭で
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
僕はいまだに目に見えるように、顔の赤い水屋の
爺
(
じい
)
さんが
水桶
(
みずおけ
)
の水を
水甕
(
みずがめ
)
の中へぶちまける姿を覚えている。そう言えばこの「水屋さん」も
夢現
(
ゆめうつつ
)
の境に現われてくる幽霊の中の一人だった。
追憶
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
水桶
(
みずおけ
)
をさげた姉妹たちのほかに正太郎が
紋付袴
(
もんつきはかま
)
で胸をのけぞってゆくのに並んで、小さい躯の千吉も袴はつけていないが
丈
(
たけ
)
の長い羽織を着、供え団子のお
華束
(
けそく
)
を両手で
捧
(
ささ
)
げるように持って
暦
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
屋背は深き
谿
(
たに
)
に臨めり。竹樹
茂
(
しげ
)
りて水見えねど、急湍の
響
(
ひびき
)
は絶えず耳に入る。
水桶
(
みずおけ
)
にひしゃく添えて、
縁側
(
えんがわ
)
に置きたるも興あり。室の中央に
炉
(
ろ
)
あり、火をおこして
煮焚
(
にたき
)
す。されど熱しとも覚えず。
みちの記
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
奥座敷の次の間から、廊下一面に、にわかに買いこんできた
水桶
(
みずおけ
)
、七輪、
皿
(
さら
)
、
小鉢
(
こばち
)
……
炊事道具
(
すいじどうぐ
)
をいっさいぶちまけて、泉水の水で米をとぐ。違い棚で魚を切る。毎日毎晩、この騒ぎなので——。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
近寄ってみると、大きな
水桶
(
みずおけ
)
を持ったごく小さな子供であることがわかった。すると男は子供の所へ行って、無言のまま桶の柄を持ってやったのである。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
「——あの樹蔭には、あしたの朝の荒むしろ、
水桶
(
みずおけ
)
、
柄杓
(
ひしゃく
)
、血穴を掘る
鍬
(
くわ
)
の道具まで、運んで来てあるのです」
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ひとりの生徒はひどくのどがかわいていたので、
水桶
(
みずおけ
)
のところへいって、身をかがめて
飲
(
の
)
もうとしました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
馬をつなぐ
厩
(
うまや
)
がなければならない。消防用の
水桶
(
みずおけ
)
、夜間警備の
高張
(
たかはり
)
の用意がなければならない。いざと言えば裏口へ抜けられる厳重な後方の設備もなければならない。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
またわずかずつの
柴
(
しば
)
や
秣
(
まぐさ
)
までささげていたが、親が教えるのは水汲みが
主
(
しゅ
)
であったとみえて、八つ九つの
小娘
(
こむすめ
)
までが、年に似合ったちいさな
水桶
(
みずおけ
)
をこしらえてもらって
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
荷造り用の箱みたいなものが——おそらく棺かも知れないが——
戸棚
(
とだな
)
の代わりになっており、バタの
壺
(
つぼ
)
が
水桶
(
みずおけ
)
の代わりとなり、一枚の
藁蒲団
(
わらぶとん
)
が寝床となり
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
そして、だんろのそばの
棚
(
たな
)
の上にのっている
鍋
(
なべ
)
やコーヒーわかしや、戸口にある
水桶
(
みずおけ
)
や、はんぶん
開
(
あ
)
いている戸棚の中に見えるさじやナイフやフォークや
鉢
(
はち
)
やお
皿
(
さら
)
まで眺めわたしました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
コゼットは急いでそこに
葡萄酒
(
ぶどうしゅ
)
の
瓶
(
びん
)
と杯とを並べた。
水桶
(
みずおけ
)
を言いつけた商人はそれを自分で馬の所へ持って行った。コゼットはまた料理場のテーブルの下のいつもの場所にもどって、編み物を初めた。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
“水桶”の解説
水桶(みずおけ)は、動物、農場や牧場の家畜、野生動物に飲み水を与えることを目的とした、人工または自然の器である。
(出典:Wikipedia)
水
常用漢字
小1
部首:⽔
4画
桶
漢検準1級
部首:⽊
11画
“水桶”で始まる語句
水桶内