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水平線
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すいへいせん
汽船がいくとみえて
水平線に、一
抹の
煙が
上り、
沖の
小島には、
夜になると
煌々として
光を
放つ
燈台が、
白い
塔のようにかすんでいます。
恐しき
一夜は
遂に
明けた。
東の
空が
白んで
來て、
融々なる
朝日の
光が
水平線の
彼方から、
我等の
上を
照して
來るのは
昨日に
變らぬが、
變り
果てたのは
二人の
境遇である。
おまけに
水平線の上のむくむくした雲の
向うから鉛いろの空のこっちから口のむくれた三
疋の大きな白犬に
横っちょにまたがって黄いろの
髪をばさばささせ大きな口をあけたり立てたりし
歯を
少年は、
海をながめていました。
青黒い
水平線は、うねりうねっていました。それはちょうど、一
連の
遠い
山脈を
見るように
思われたのです。
青年は、
今日もまた
空想にふけりながら、
沖をながめていました。ふと、その
口笛は
止まって、
瞳は
水平線の一
点に、びょうのように、
打ちつけられたのです。
それこそ、ものすごい
水平線の
上を、
黒い
海坊主が、
大またに
歩いているかもしれぬと
思われたのです。
すると、つぎには、
紫色の
水平線のもり
上がる
海が
見えました。どこか
他国の
港から、たくさんの
貨物をつんできたのであろうか、
汽笛をならして、
入ってきた
船があります。
ある
夏の
午後、
外国人は、
遠眼鏡で
沖の
方を
見ていました。すると、あちらの
水平線を
大きな
黒い
船が
通るのでした。それは、
一目で、この
国の
船でないことがわかりました。
遠い
水平線は、
黒く、
黒く、うねりうねって、
見られました。
空を
血潮のように
染めて、
赤い
夕日は、
幾たびか、
波の
間に
沈んだけれど、
若者の
船は、もどってきませんでした。
わたしは、
海辺に
立って、はるかな
水平線をながめて、ハーモニカを
吹きました。
海の
上では、
波があって、
波はなぎさへおしよせて、
岩にくだけ、しぶきは
玉のごとくとびちり、
遠い
水平線は、
縹渺として、けむるようにかすみ、
白い
鳥が、
砂浜で
群れをなしてあそんでいるのを