かか)” の例文
わしはまた此のごろほど、世の中がうれしゅうて面白うてならぬ事はないのじゃに……かかさん、若殿様をついひょんな浮気心でわしを
艶容万年若衆 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
「こけめ、その手をくふものか、ここでは死ぬまでゐてやる、おととかかの家にゐるのに何遠慮がいるもんか、や、なこつた。」
(旧字旧仮名) / 室生犀星(著)
「ある段か、これはあねさんが、かかさんの形見だと云って、大事にしていた櫛。それに庄七さんに頼まれた衣服きものと云い、どうしたことだろう」
南北の東海道四谷怪談 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
その父親てておやは早くにくなつてか、はあかかさんが肺結核といふをわづらつてなくなりましてから一週忌の来ぬほどに跡を追ひました、今居りましてもだ五十
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「そうであろう。美しかったな。ひとであったぞ。父御ててごは、かかさんのことを話されなかったかな」
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「おとと様と……おかか様……そう仰言おっしゃって……私の頭を撫で……亡くなられました……」
名君忠之 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
入れ「これかか様、いつ親父様の」にて弥左衛門に思入し
かかさん、戦争のあるところって、どっちの方?」
戦争雑記 (新字新仮名) / 徳永直(著)
おいらがかかさん なぜ死んだ
十五夜お月さん (旧字旧仮名) / 野口雨情(著)
かかおもうてくんだ。
童謡 (新字新仮名) / 小川未明(著)
つらやな、かかなかせ
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かかさんは?」
無題Ⅰ (新字旧仮名) / 北条民雄(著)
かかは?
農村 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
「のう、かかさん。もう今宵も迎える駕籠かごが見えそうなもの……おお、あの跫音あしおとは、ありゃお使かもしれませぬ。早く着更えておきましょう」
艶容万年若衆 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
持つて來たぢやないか、きれいな女だつたがあれがお前のおかかなんだ、妹としてそだつたけど、ほんものの妹ぢやない。
(旧字旧仮名) / 室生犀星(著)
それは成程やはらかひ衣類きものきて手車に乗りあるく時は立派らしくも見えませうけれど、ととさんやかかさんにかうして上やうと思ふ事も出来ず、いはば自分の皮一重
十三夜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「あ、それはかかさんの、形見の櫛、そればっかりは、どうぞ」
南北の東海道四谷怪談 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「ウーム。その文句もととかか様が言い聞かせたか」
名君忠之 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
十五夜お月さん かかさんに
十五夜お月さん (旧字旧仮名) / 野口雨情(著)
かかなかせ……
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そしてお前のおかかはしまひに病氣になつて松並木で、行き倒れになつて了つたのだ、人が皆さう言つとる。
(旧字旧仮名) / 室生犀星(著)
今詫びたからとて甲斐かひはなしと覚悟して、太吉、太吉と傍へ呼んで、お前はととさんの傍とかかさんと何処どちらが好い、言ふて見ろと言はれて、おいらはおとつさんは嫌い
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「やれ妹もいてくれたか。いよいよ船出も迫ったゆえ、今宵は鳥渡ちょっと暇を貰って、かかさんに別れに来た」
艶容万年若衆 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
死んだかかさん、後母あとかかさん
都会と田園 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
かかなかせ
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あれ三ちやんで有つたか、さても好いところでと伴なはれて行くに、酒やと芋やの奥深く、溝板どぶいたがたがたと薄くらき裏にれば、三之助は先へ駆けて、ととさん、かかさん
大つごもり (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
死んだかかさん 後母あとかかさん
十五夜お月さん (旧字旧仮名) / 野口雨情(著)
古くより持つたへし錦絵かずかず取出とりいだし、褒めらるるを嬉しく美登利さん昔しの羽子板を見せよう、これは己れのかかさんがおやしきに奉公してゐる頃いただいたのだとさ
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
かかやんよ 母やんよ
のきばすずめ (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
家のかかさんが言ふてゐたつけ、瓦落々々がらがらしてゐる者は心が好いのだと、それだからくすくすしている信さん何かは心が悪るいに相違ない、ねへ正太さんさうであらう
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
かかやんよ母やんよ
おさんだいしよさま (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
思ひ切つて置いては来たれど今頃は目を覚してかかさん母さんと婢女をんなどもを迷惑がらせ、煎餅おせんやおこしのたらしもかで、皆々手を引いて鬼に喰はすとおどかしてでもゐやう
十三夜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
なヨ かか
おさんだいしよさま (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
朝飯がすすまずば後刻のちかたやすけでもあつらへようか、風邪にしては熱も無ければ大方きのふの疲れと見える、太郎様への朝参りはかかさんが代理してやれば御免こふむれとありしに
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
太吉はがたがたと溝板の音をさせてかかさん今戻つた、おとつさんも連れて来たよと門口かどぐちから呼立よびたつるに、大層おそいではないかお寺の山へでもゆきはしないかとどの位案じたらう
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
あの子を生んだかかさんの顔が見たい、と御新造例につて毒舌をみがきぬ。
大つごもり (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
かかさんに無理をいふて困らせては成りませぬと教ゆれば、困らせる処か、お峯聞いてくれ、としは八つなれど身躰からだおほきし力もある、わしてからはかせなしの費用いりめは重なる、四苦八苦見かねたやら
大つごもり (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)