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枯木
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こぼく
ふりがな文庫
“
枯木
(
こぼく
)” の例文
恥しい
怯
(
ひる
)
みに
衝
(
う
)
たれたが、
枯木
(
こぼく
)
のような老人の
腕
(
かいな
)
は、彼の帯ぎわをずるずるとつかんで、河岸の柳の樹の下に、共倒れに、よろめいて行った。
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
白氏
(
はくし
)
が
晴天
(
せいてん
)
の雨の
洒落
(
しやれ
)
ほどにはなく
候
(
そろ
)
へども
昨日
(
さくじつ
)
差上
(
さしあ
)
げ
候
(
そろ
)
端書
(
はがき
)
十五
枚
(
まい
)
もより風の
枯木
(
こぼく
)
の吹けば飛びさうなるもののみ、
何等
(
なんら
)
風情
(
ふぜい
)
をなすべくも
候
(
そろ
)
はず
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
且つ予は倒れたる
枯木
(
こぼく
)
の丸太橋を
彼方
(
かなた
)
此方
(
こなた
)
と小川をわたりながら馬匹の遊ぶを見るは実に言うべからざるの感ありて、恰も太古にはかくやらんと思われたり。
関牧塲創業記事
(新字新仮名)
/
関寛
(著)
彼に
依
(
より
)
てのみ
枯木
(
こぼく
)
も再び芽を出すべく、砂漠も花を生じ得べし、預言者エゼキエルの見し枯れたる骨の蘇生せしは我らの目撃する事実なり(
以西結
(
エゼキエル
)
第三十七章)。
基督信徒のなぐさめ
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
家光とおもわれた人物パッとかつぎをぬぐと、それは麻のころもをまとった
枯木
(
こぼく
)
のような老僧でした。
幻術天魔太郎
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
この時まで
枯木
(
こぼく
)
のごとく立ッていた吉里は、小万に顔を見合わせて涙をはらはらと
零
(
おと
)
し、小万が呼びかけた声も耳に入らぬのか、小走りの草履の音をばたばたとさせて
今戸心中
(新字新仮名)
/
広津柳浪
(著)
網代
(
あじろ
)
の笠に
夕日
(
ゆふひ
)
を
負
(
お
)
うて立ち去る瀧口入道が
後姿
(
うしろすがた
)
、
頭陀
(
づだ
)
の袋に
麻衣
(
あさごろも
)
、鐵鉢を
掌
(
たなごゝろ
)
に
捧
(
さゝ
)
げて、八つ目のわらんづ踏みにじる、形は
枯木
(
こぼく
)
の如くなれども、
息
(
いき
)
ある間は血もあり涙もあり。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
心の
中
(
うち
)
はいざ知らず、
袈裟
(
けさ
)
に
枯木
(
こぼく
)
の身を包みて、山水に白雲の跡を
逐
(
お
)
い、
或
(
あるい
)
は
草庵
(
そうあん
)
、或は
茅店
(
ぼうてん
)
に、
閑坐
(
かんざ
)
し漫遊したまえるが、
燕王
(
えんおう
)
今は皇帝なり、万乗の尊に
居
(
お
)
りて、一身の安き無し。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
花の中なる
枯木
(
こぼく
)
と観じて、独り
寂寞
(
じゃくまく
)
として茶を煮る
媼
(
おうな
)
、特にこの店に立寄る者は、伊勢平氏の
後胤
(
こういん
)
か、
北畠
(
きたばたけ
)
殿の落武者か、お杉お玉の親類の
筈
(
はず
)
を、思いもかけぬ
上客
(
じょうかく
)
一
人
(
にん
)
、
引手夥多
(
ひくてあまた
)
の
彼処
(
かしこ
)
を抜けて
伊勢之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
阿蘇
(
あそ
)
の
靈地
(
れいち
)
からは
火
(
ひ
)
の
玉
(
たま
)
が
三
(
みつ
)
つ
飛
(
と
)
び
出
(
で
)
たともいひ、また
性空上人
(
しようくうしようにん
)
は
霧島
(
きりしま
)
の
頂上
(
ちようじよう
)
に
參籠
(
さんろう
)
して
神體
(
しんたい
)
を
見屆
(
みとゞ
)
けたといふ。それによれば
周圍
(
しゆうい
)
三丈
(
さんじよう
)
、
長
(
なが
)
さ
十餘丈
(
じゆうよじよう
)
、
角
(
つの
)
は
枯木
(
こぼく
)
の
如
(
ごと
)
く、
眼
(
め
)
は
日月
(
にちげつ
)
の
如
(
ごと
)
き
大蛇
(
おろち
)
なりきと。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
昔
(
むか
)
し
以太利
(
イタリー
)
の大家アンドレア・デル・サルトが言った事がある。画をかくなら何でも自然その物を写せ。天に
星辰
(
せいしん
)
あり。地に
露華
(
ろか
)
あり。飛ぶに
禽
(
とり
)
あり。走るに
獣
(
けもの
)
あり。池に金魚あり。
枯木
(
こぼく
)
に
寒鴉
(
かんあ
)
あり。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
摧残枯木倚寒林
摧残
(
さいざん
)
せる
枯木
(
こぼく
)
寒林に
倚
(
よ
)
り
僧堂教育論
(新字新仮名)
/
鈴木大拙
(著)
「たいへん気分がよい。しかしもう
枯木
(
こぼく
)
じゃ、もう咲く花は待たれん。たいがい秋の末か、この冬であろう」
剣の四君子:02 柳生石舟斎
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
客は、粗末な
法衣
(
ころも
)
に、
枯木
(
こぼく
)
のような身をつつんだ老僧であった。義平太には、見覚えもなかったが、越前守の室で、このように打ち
寛
(
くつろ
)
いでいるからには、よほど親密な間がらにちがいない。
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“枯木”の意味
《名詞》
枯死した樹木。枯れ木。
(出典:Wiktionary)
枯
常用漢字
中学
部首:⽊
9画
木
常用漢字
小1
部首:⽊
4画
“枯木”で始まる語句
枯木寒巌
枯木立
枯木林
枯木寒鴉図
枯木鳴鵙図